記事入力 : 2012/11/08 10:06

30年前に家出、路上で死亡
1週間前に父親に送金を依頼、「余裕ない」と断られる

 雨が降っていた今月5日午前5時ごろ、ソウル市瑞草区方背洞の飲食店が集まる路地で、男性(44)が死んでいるのが発見された。警察によると、男性は仰向けの姿勢で横たわり、特に外傷はない状態だったという。


 ホームレスとみられる男性の衣服のポケットからは、これといった所持品は見つからなかった。指紋を照会したところ、ようやく父親に連絡を取ることができた。


 仁川市に住む父親(74)は「30年ほど前、私が離婚した直後から連絡が途絶え、これまで行き来もなかった。特に情を感じることもないため、適当に葬式をあげてほしい」と答えた。父親はまた「1週間ほど前、どうやって連絡先を知ったのか分からないが、息子が私に電話をかけてきて『10万ウォン(約7350円)だけ送ってほしい』と求めてきた。しかし、私も余裕がなかったため断った」と語った。


 警察は、男性の死因について確認するため解剖を行った。警察の関係者は「他殺の痕跡は見つかっておらず、現場に遺書もなかったため、現時点では死因ははっきりしていない。解剖結果が出るのを待ち、行旅死亡人(氏名や住所などが判明せず、遺体の引き取り手も存在しない死者)として処理する方針だ」と話した。この男性のように家族や親族の存在が明らかになっている場合でも、家族や親族が遺体の引き取りを拒否したときは行旅死亡人として処理し、葬儀を行わずに火葬する「直葬」を行う。ソウル市立昇華院(火葬場)で火葬した行旅死亡人の数は、2009年に206人、10年に273人、昨年は301人と、毎年増加傾向にある。


 警察の関係者は「以前は遺体の引き取りを拒否する家族はほとんどいなかったが、最近は年に1-2人ほど、引き取りを拒否するケースがある」と話した。


イ・ジョンウォン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

※自分も同じようなものだが‥