日本政府が今月11日に尖閣諸島(中国名・釣魚島)の国有化を発表して以降初めて、中国海軍の艦船が周辺海域に姿を見せた。20日付中国紙・環球時報は、尖閣諸島の北北西80カイリ(約150キロ)の海上に中国海軍のフリゲート艦2隻が巡航しているのを日本の海上保安庁の巡視船が確認したと報じた。

 フジテレビも政府筋の話として、中国軍の艦船が19日夜まで同じ海域にとどまっていると報じた。これに先立ち、日本は大型巡視船「あそ」を尖閣諸島海域に派遣し、海上自衛隊を尖閣諸島近海に移動させた。これにより、日中が海上で武力衝突を起こす懸念も浮上している。中国人民解放軍は最近、七つの軍区のうち五つに「3級戦闘準備態勢」を発令した。

 NHKは19日、中国の海洋監視船、漁業指導船など公船14隻が繰り返し尖閣諸島周辺海域を航行したのに続き、20日未明にも別の公船2隻が同海域を航行したと報じた。18日から20日午前までに尖閣諸島周辺海域で発見された中国の公船は16隻に達した。共同通信によると、うち4隻は尖閣諸島の接続水域(24カイリ)内にとどまっているという。

 中国外務省の洪磊・副報道局長は19日の定例会見で、尖閣諸島の領海基線を発表したのは、日本の公船が中国領海に入れば、それを追い出すという意味かと記者に問われたのに対し「われわれの固有の領海である釣魚島海域で主権侵害行為を阻止するのは当然のことだ」と強調し、日本側と衝突する可能性を否定しなかった。

 現在ベルギーを訪問している中国の温家宝首相は同日、現地の中国系住民と会見した席上「日本当局が釣魚島でおかしなことをしているが、全世界は釣魚島が中国の神聖で固有の領土だということを知るべきだ。われわれは主権と領土に関する問題では強硬な姿勢を保ち、少しも譲歩しない。民族にとって尊厳、独立より重要なものはない」と述べた。

上海= 呂始東(ヨ・シドン)特派員