一般医療ニュース
2011年3月14日 提供:読売新聞

原発建屋の断熱材か

 東京電力福島第一原子力発電所(福島県大熊町、双葉町)の1号機原子炉建屋が12日爆発し、避難途中の住民らが被曝(ひばく)したとされる問題で、同原発敷地から3キロ・メートル圏内にある双葉厚生病院にいた男性医師が読売新聞の取材に応じ、当時の様子を語った。

 12日午後3時半頃、男性医師は、患者を避難場所へ移送するため、病院玄関前で看護師3人とストレッチャーを押していた。突然、大きな爆発音がし、まもなく白い綿のようなものが大量に降ってきたという。

 関係者の話では、壊れた建屋の素材の一部と思われる。一緒にいた看護師の中には、手に取って眺める人もいた。

 計20人の患者をすべて二本松市内の施設に搬送した後、改めて振り返ると、不思議な気持ちとともに不安を感じたという。

 搬送後に放射線量を計測すると、基準値を上回っていた。その後、あわてて着替えをし、シャワーを浴びたところ、翌日の再計測では正常値の範囲内だった。爆発のあった当日は、他の医師や看護師も放射能を計測。男性医師と同様に基準値を超える人もいたが、そのほとんどは、シャワーを浴びることができなかった人たちだったという。

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 元京都大原子炉実験所講師の小林圭二さん(原子核工学)は「白い綿は、建屋の素材として使われた断熱材の可能性が高い。ただ、爆発によって放射性物質が付着して飛散した可能性もある。触ると被曝する恐れもあるので、注意が必要」と話している。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/03/14/133729/?portalId=mailmag&mm=MD110314_XXX&scd=0000336193