一般医療ニュース
2010年11月16日 提供:共同通信社




 腎臓移植を受ける患者として、20歳未満が優先されるようにした新たな選択基準案を厚生労働省作業班が15日、まとめた。上部組織の臓器移植委員会で正式決定すれば、この基準が採用される。

 現在の基準は、脳死や心停止後に腎臓を提供した人と同じ地域に居住しているかや、待機日数などを点数化し、合計点の多い人を選ぶ。待機日数が長い人が優先されやすいため、16歳未満には点数が上乗せされているが、16歳を過ぎると上乗せがなくなって選ばれる可能性が低くなることが問題視されていた。

 新基準案は、待機日数の点数を相対的に下げ、16~20歳未満にも点数を上乗せする。16歳未満よりは少ない点数。

 過去80例の脳死者からの腎臓提供例に新基準案を当てはめて試算すると、16~20歳未満が2人選ばれた。現在の基準ではゼロだった。選ばれた人の平均待機日数は16歳未満で約60日、20歳以上では約170日短くなった。

 厚労省によると、腎臓移植の待機患者は約1万2千人で、平均待機期間は約14・3年。16歳未満で登録し、現在16歳以上の患者は約80人。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/16/128337/?Mg=600ab8910654a8a0c64e02dbc238e2fe&Eml=84efd35f72e1ddac427f95699de9f9d8&F=h&portalId=mailmag&mm=MD101116_XXX