新医療制度案を発表 民主と一線、段階的に保険統合 日本医師会

2010年11月12日 提供:毎日新聞社


日本医師会:新医療制度案を発表 民主と一線、段階的に保険統合



 日本医師会(日医、原中勝征会長)は11日、公的医療保険を段階的に全国一本化する制度案を発表した。厚生労働省が検討している新たな高齢者医療制度案については、「拙速だ」などの批判があることから、当面は現行の後期高齢者医療制度を存続させて対応すべきだとした。

 民主党は09年衆院選マニフェストに後期高齢者医療制度の廃止を目玉政策として掲げた。これを受け、厚労省は新たな制度として、75歳以上を原則として市町村国民健康保険(国保)に加入させ、将来的に国保を全年齢で都道府県単位に広域化する方針を示している。同省は13年度スタートに向け、来年の通常国会に関連法案を提出する考えだ。

 日医案は、現行の後期高齢者医療制度と国保を「地域保険」に統合し、大企業のサラリーマンらが加入する健康保険組合と公務員の共済組合を、中小企業向けの「全国健康保険協会」(協会けんぽ)に統合し「職域保険」に再編する。そのうえで、25年以降に地域保険と職域保険を一体化するとしている。「75歳以上は別建て」としたこれまでの主張は撤回した。

 日医案と厚労省案に関し、民主党に近い原中会長は11日の記者会見で「若い人から高齢者まで同じ医療にする意味では基本線は同じ」と主張。これに対し、民主党と距離を置く中川俊男副会長は「拙速だ。メンツにこだわって無理やり廃止すべきではない」と批判したうえで、「我々の制度と基本的に違う」と語った。【鈴木直】