初めまして。
映画、本、音楽をこよなく愛する、“わん子”と申します。

徒然なるままに作品の感想などを書いていきますので、
お暇な方はお付き合い下さいますと、嬉しゅうございます。

さて、今年に入って既に映画館で80本くらい映画を鑑賞して
しまった私ですが、一番最近観たのは、こちら。



【風立ちぬ】

$わん子の Cinema Diary-kazetatinu
 

いわずもがな、ジブリの最新作。
非常に美しい日本映画でした。

巷では、賛否両論あるようですが、それらは
どの目線で観るかという所で、全然違った捉え方が出来るから、
ではないかと思うのです。

戦争の面で観ると、流されて戦争に加担した人物を描いているように見えるかもしれない。

ラブストーリーとして観ると、純粋で健気な美しさに涙を流すかもしれない。

天才の人生として観ると、理解出来ない部分が多いかもしれない。

夢を持っている人が観ると、二郎の真っすぐさに自分を重ねるかもしれない。


受け手それぞれの映画の解釈がある、それが映画の最も正しい姿だと思うのです。
その点で、ここまで様々な目線が交差する映画も、今の、特にアニメーションだと珍しいかもしれない。

音楽や効果音、台詞や表情で助けてくれる映像作品が多い中、
キャラの動作や間合いで、それぞれの感情を汲み取って自分で噛み砕くということが、特に必要になってくる。

古き良き日本、というか、大切なことは含ませる文化、というか。
個人的には、そういう日本的なめんどくささは小説的でとても好きで。

人を傷つけたくないという、日本人の思いやりが、優しさが、
根底に流れていると思うのです。


ちなみに、庵野さんの声も、棒読みと捉える人もいるかもしれないですが、
二郎の不器用さ、誠実さ、芯の強さを現していて、ハマっていたと思う。

瀧本美織さんの菜穂子も、凛として儚くて、美しかった。


そして、松任谷由実さんの「ひこうき雲」。
ここまで既存の曲で映画にマッチングしているものは稀でしょう。
歌詞と歌声が、身に染みて世界感をより引き立たせている。



人にはそれぞれ、風が吹いている。
その風は、追い風になったり、時には向かい風になったりもする。
でも、人生に風が吹いている間は、
それがどんな風であろうと、生きねばならない、と思う。


そして、そこにあったのは
生きにくい時代に、しっかりと足を地面につけて歩く、登場人物達の姿。
キラキラとした夢、恋、矛盾のある仕事、時代。
それらとちゃんと向き合い、受け入れ、ただただ生きていく。
生きるということは、それだけで美しいのだと。


2013年、7月。
「東日本大震災」から、2年半近くが過ぎようとしている。
生きにくい時代。
この登場人物達に、重なる部分が多いような気がして。
それでも生きていく姿を見て、自分もしっかりと歩かなくてはいけないと思った。
今ここには、風が立った、と思って。