人魚姫
~花園とみどり色~
海の国のお妃さは6人のお姫さまを産みおとして亡くなりました。
お妃さまは大変美しく、お優しい心の持ち主でした。
王様はそんなお妃さまに
この世とは思えないほど美しく輝く花園をお贈りになられました。
矢車草のように青い海と
ここに植えられた色とりどりの珊瑚や
やわらかに揺らめく黄金の海草のきらめきがおりなす世界は
お妃さまの美しさに勝るとも劣らぬ世界でございました。
お妃さまの亡き後
王様はこの花園を悲しみのあまり封鎖しておしまいになられました。
お子様である6人のお姫さまも花園に入られたことはございませんでした。
おばあさまだけが王様に頼まれて花園の管理をしておりました。
ある日のこと。
おばあさまは指輪を見つけました。
おしゃれなお妃さまのものだとすぐに分かりました。
おしゃれでもきちんと考えを持ったお妃さまは
ひれにも指にもはめられるように太さを調節できる飾りを
飾り職人に希望されたのを覚えておいでだったからです。
お妃さまは愛する王様から贈られた海草のようにきれいなみどり色の石を
本当に大切にしていました。
おばあさまはお妃さまを思い出されて胸が詰まるのでした。

