「あなた」


洗濯機の前でこぼした言葉

渦はしだいに灰色がかり

意図は酵素でほどかれていく


目をきつく閉じて

言葉をこぼす確信犯


言葉は足元へと落ちて

空気が抜けたボールのように弾む わたしは

あなたの向こうへ蹴り上げようとする


それも 空振り

あなたは膝を折り

両手でその言葉を抱き上げて

洗濯機をまわす