私の一番古い記憶は、幼少期の頃、2歳頃だろうか?
キッチンとは程遠い昔ながらの北側の昼間でも電気をつけないと薄暗い台所で、当時の私の身長より頭一つ分は高いであろうテーブルの上にある粉ミルクを、テーブルと対の椅子によじ登り盗み舐めすることが楽しみだったのを覚えている。
私にはふたつ歳の離れた弟がいるが、この頃はまだ生まれてなかったのだろう。記憶にない。したがって、今思えば、あの粉ミルクは乳離れした私のためのものだから問題ないと勝手に解釈している。
大きな赤と白の缶に入った、甘い香りで触り心地がとても良い真っ白な粉に夢中だった。甘くて美味しい、優しさのある味がしたのを中年になった今でも鮮明に覚えている。
ばあちゃんの目を盗んで舐めるのがこの上なく楽しかった。
両親の記憶はこの時点ではまだない。次の記憶から母が登場する。
その記憶は電車の中だった。ばあちゃんの膝の上に乗って、初めて乗車した乗り物に夢中になってキョロキョロしていた。すると私の視線の先に白人の老夫婦が、私に向かって手招きをしているのだ。
生まれて初めて見る外国人から手招きされた私はばあちゃんと母の顔を交互に見た。すると、ばあちゃんが「潤!行って来な!」
ばあちゃんは私が好奇心旺盛な事を知っていてそう言ってくれた。
私は根っからのばあちゃんっ子だった。
つづく
文才もなく学歴もなく、昨年ようやくスマホに乗り換えたばかりで文字打ちもままならない状況なので今日はこのへんで