(1)ユーザーの利用シーンとずらさない
やりがいのあるゲームを作ることに気を取られると、いつのまにかユーザーが求めるアプリと違うものになってしまうこともあるという。利用シーンを想定したゲーム設計を心がけるのが山口氏の基本的なスタイルという。
(2)何をやってもうれしくなれる?
失敗を積み重ねたうえでの成功といった“マイナスからプラス”への快感は、女子ゲーにはあまり合わないという。農園ホッコリーナでは、水をやらなければ作物は枯れるものの、再び水をあげればすぐに元通りになるなど、「損」の要素があまりない。
(3)かわいいに意味はある?
かわいさは重要だが、それだけではダメだという。かわいいだけでなく、ゲーム内でアイテムとしてメリットをもたらすといった“意味付け”がないと、ユーザーの反応が薄いそうだ。
(4)詰まないようになっている?
アイテムをそろえるのに運が必要といった“詰み”の可能性は排除したほうがいいという。仲間の協力や課金による救済を用意することを勧めている。
(5)基本サイクルの延長で遊べる?
月単位でイベントを開催するのがソーシャルゲームのセオリーだが、イベントのゲームシステムが通常のゲームと変わってしまうと、離れるきっかけになるという。
(6)あざといと天然を使い分ける
ひたすら純粋なかわいさを表現していると、ユーザーが引いてしまうこともあるという。例えば「目付きだけちょっと変」など、ツッコミどころも盛り込んだほうがいいそうだ。
(7)思わず出てしまう男性視点に注意
極端なゲーム性やアクション性は、女性にとってハードルになりがち。
(8)対同業者ではなく、ユーザーを見る
周りのゲームに見劣りするような要素も、ユーザーにとってはメリットになっていることがある。農園ホッコリーナでは「育てられる畑が少ない」という一見弱みに思えるポイントが、短時間で遊べるという強みになったと山口氏は説明する。
(9)普通でもうれしい。課金したらさらに
課金ありきで作りがちなソーシャルゲームだが、課金しないと遊べなくなってしまうようなゲーム設計は離脱者を生み、ゲームを「滅びの道」に向かわせると山口氏は考える。課金なしでも遊び続けられるようにするのが、山口氏の姿勢だ。
女性は男性よりゲームの継続率が高くなる傾向があり、長く愛されるゲームを提供しやすいという。ユーザーの裾野を広げれば、ゲームに対するニーズも多様化し、収益化の手法も増やせる。
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