温泉に行ってゆっくりしたい。
でも、肌が敏感なときは「入ったあとにヒリヒリしないかな」「乾燥やかゆみがひどくならないかな」と不安になりますよね。

赤みや掻き跡が目立つ日は、大浴場で人目が気になることもあります。
家族やパートナーと旅行を楽しみたい気持ちはあるのに、肌のことを考えると宿選びが難しくなることもあると思います。

だからこそ、温泉宿は単に「有名だから」「美肌の湯だから」で決めるのではなく、泉質・湯の使い方・貸切風呂や客室風呂の有無・移動の負担・宿で過ごす快適さまで含めて選ぶのが大切です。

東海には、硫黄泉を楽しめる奥飛騨や寸又峡、源泉かけ流しの榊原温泉、名古屋から比較的行きやすい猿投温泉など、特徴の異なる温泉があります。

まず結論。目的別なら、この選び方がわかりやすいです。

泉質と貸切風呂のバランスを重視
→ 奥飛騨 平湯温泉 湯の平館

硫黄泉そのものを重視
→ 寸又峡温泉 光山荘

ぬるめの源泉と上質な滞在を楽しみたい
→ 湯元 榊原舘

大浴場の人目を気にせず、自分の部屋で何度も温泉に入りたい
→ 伊豆奥下田 観音温泉

名古屋からの行きやすさを重視
→ 猿投温泉 金泉閣

小規模な山あいの宿で静かに過ごしたい
→ 柿野温泉あさひ荘

家族旅行として温泉そのものをたっぷり楽しみたい
→ 美輝の里 ホテル美輝

アトピーで温泉を選ぶ前に知っておきたい大切なこと

最初に、一番大切なことがあります。

温泉は、アトピー性皮膚炎そのものを治すための医療の代わりではありません。

アトピー性皮膚炎では皮膚のバリア機能が低下し、炎症やかゆみを繰り返します。基本となるのは、医療機関での適切な治療、スキンケア、悪化要因への対策です。

一方、環境省が示している療養泉の「泉質別適応症」では、硫黄泉と酸性泉の浴用適応症にアトピー性皮膚炎が挙げられています。

ただし「適応症に書かれている=入れば必ず改善する」という意味ではありません。

同じ泉質でも温度や成分濃度は異なり、その日の肌の状態によっても感じ方は変わります。温泉療養についても、状態によっては悪化する可能性があるとされています。

こんな日は無理に温泉に入らない選択も大切

  • 広い範囲が強く赤くなっている
  • ジュクジュクした部分や出血している部分が多い
  • 触れるだけでも痛い
  • 皮膚の感染が疑われる状態がある
  • 発熱や体調不良がある
  • 主治医から入浴について指示を受けている

このような場合は旅行より受診や主治医への相談を優先してください。

東海で泊まりたい温泉宿7選を比較

「結局どこが自分に合うの?」という方のために、特徴を先にまとめます。

宿 エリア 温泉の特徴 プライベート入浴 オススメな人
湯の平館 岐阜・平湯 2種の自家源泉・硫黄泉を含む・かけ流し 無料貸切露天3か所 泉質・貸切・食事を全部楽しみたい
光山荘 静岡・寸又峡 単純硫黄泉 大浴場中心 豪華さより温泉を優先したい
湯元 榊原舘 三重・榊原 アルカリ性単純泉・源泉31.2℃ 貸切風呂・露天風呂付客室あり 熱い湯が苦手・上質な旅にしたい
観音温泉 静岡・奥下田 強アルカリ性単純泉・自家源泉 客室で温泉を楽しめるプランが魅力 人目を気にせず温泉を満喫したい
金泉閣 愛知・猿投 天然ラドン温泉 大浴場中心 名古屋方面から短時間で行きたい
柿野温泉あさひ荘 岐阜・土岐 弱アルカリ単純泉・ラジウム温泉 大浴場中心 静かな小規模宿が好き
ホテル美輝 岐阜・下呂市馬瀬 高アルカリ性・多彩な浴槽 大浴場中心 家族で温泉旅行そのものを楽しみたい

ここからは「なぜこの宿なのか」「どんな人なら満足しやすいのか」まで詳しく紹介します。

奥飛騨 平湯温泉 湯の平館

泉質と貸切風呂、温泉旅行らしい食事までバランスよく楽しみたいなら最有力候補

今回の7宿の中で、最初にチェックしてほしいのが「奥飛騨 平湯温泉 湯の平館」です。

理由は、温泉目的の旅として魅力がはっきりしていること。

2種類の自家源泉をかけ流しで楽しめ、硫黄泉を含む温泉があります。

環境省の泉質別適応症では硫黄泉の浴用適応症にアトピー性皮膚炎が含まれているため、「東海で泉質をきちんと見て選びたい」という人にとって注目しやすい宿です。

ただ、それ以上に大きな魅力なのが、3か所ある貸切露天風呂

空いていれば利用できるスタイルのプランがあり、家族や夫婦だけで温泉を楽しみやすいのがポイントです。

肌の赤みや掻き跡が目立つと、大浴場そのものが心理的な負担になることがあります。

貸切なら、人の出入りを気にしながら急いで入る必要がありません。自分の肌の様子を見ながら、短時間だけ入って一度上がるという使い方もしやすくなります。

湯の平館がオススメな人

  • 硫黄泉を候補にしたい
  • 源泉かけ流しにこだわりたい
  • 大浴場だけではなく貸切風呂も欲しい
  • 夫婦やカップルで静かに入りたい
  • 飛騨牛など「旅館の夕食」まで楽しみたい
  • 上高地や奥飛騨観光も組み合わせたい

食事は囲炉裏を囲んで飛騨牛や川魚、山の幸を味わえるプランが中心。

温泉だけ入って帰るのではなく、夕方に到着して貸切露天へ入り、囲炉裏料理を食べ、夜にもう一度温泉へ。翌朝も静かな山の空気の中で湯浴みする。

そんな「温泉旅行をしに来た」という満足感を得やすい宿です。

予約するなら、まずは1泊2食付きのスタンダード系プランを確認すると選びやすいです。食事を周囲に気兼ねなく楽しみたい場合は、個室食の設定がある日もチェックしてみてください。

なお、現行の楽天トラベル掲載プランでは幼児の受け入れについて制限の記載があるプランもあります。小さなお子さん連れの場合は、予約画面で対象年齢を必ず確認してください。

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寸又峡温泉 光山荘

「温泉そのものを重視したい」という人にわかりやすい単純硫黄泉の宿

静岡県の寸又峡温泉にある光山荘は、華やかな大型リゾートというより、温泉を目的に山あいへ出かける旅に向いた宿です。

楽天トラベルの温泉情報では泉質が「単純硫黄泉」、効能欄に「アトピー・湿疹」と掲載されています。

さらに、環境省の泉質別適応症でも硫黄泉の浴用適応症にアトピー性皮膚炎が挙げられています。

そのため「美肌の湯というイメージだけではなく、泉質を見て候補を決めたい」という人には非常にわかりやすい存在です。

総客室数は多くなく、大規模ホテルのような設備の豊富さを求める宿ではありません。

逆にいえば、山深い寸又峡へ入り、温泉に浸かり、郷土料理を食べ、夜は静かに休むという昔ながらの温泉旅行が似合います。

光山荘がオススメな人

  • 硫黄泉を優先して選びたい
  • 楽天トラベルの効能欄も確認して宿を決めたい
  • 豪華な館内施設より温泉を重視する
  • 静かな山の温泉地が好き
  • 寸又峡の自然も楽しみたい

一方で、貸切露天風呂や客室露天風呂を最優先する人には、後ほど紹介する観音温泉や湯元榊原舘の方が選びやすいでしょう。

「温泉の種類を第一条件にして、宿は素朴でもいい」という方ほど検討価値があります。

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榊原温泉 まろき湯の宿 湯元 榊原舘

熱い湯が苦手なら注目したい、31.2℃の源泉と上質な滞在

「刺激の強そうな温泉に長く入るのは不安」「熱いお湯に入るとかゆくなりやすい」という人なら、三重県の湯元 榊原舘も候補に入れてみてください。

榊原温泉の源泉はアルカリ性単純泉。楽天トラベル掲載情報では、源泉かけ流し風呂の源泉温度は31.2℃とされています。

熱い温泉とは違い、源泉そのものはかなりぬるめです。

湯元榊原舘には源泉かけ流し風呂のほか、温めた浴槽もあり、その日の体調や好みに合わせた入り方をしやすいのが魅力です。

さらに、貸切風呂や露天風呂付き客室の選択肢があります。

「肌を人に見られるのが嫌というほどではないけれど、できれば自分たちだけでゆっくり入りたい」という人には、このプライベート感が大きな安心材料になります。

湯元 榊原舘がオススメな人

  • 熱い温泉が苦手
  • 源泉そのものを楽しみたい
  • 貸切風呂を使いたい
  • 露天風呂付き客室も検討したい
  • 夫婦やカップルの記念日旅行にもしたい
  • 伊勢方面への旅行と組み合わせたい

ここで注意したいのは「アルカリ性=アトピーに必ず良い」と単純化しないこと。

アルカリ性の温泉には独特のすべすべした感触がありますが、皮膚が乾燥しやすい人では入浴後のつっぱりを感じることもあります。

最初から長湯をするより、短い時間から試し、上がったら普段使っている保湿剤でいつものスキンケアをする方が安心です。

この宿は、単に「温泉へ入る」だけでなく、「少し良い部屋を取って、時間を気にせず夫婦で休む」ところまで含めると満足度が上がりやすいタイプ。

予算に余裕があるなら、通常客室だけではなく露天風呂付き客室も一度比較してみる価値があります。

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伊豆奥下田 飲泉・自家源泉かけ流しの秘湯 観音温泉

大浴場の人目が気になるなら、自分の客室で温泉を楽しめる贅沢は大きい

温泉は好きだけれど、大浴場だけはどうしても落ち着かない。

そんな人に特に検討してほしいのが、静岡県・奥下田の観音温泉です。

自家源泉を持つ強アルカリ性単純泉の宿で、楽天トラベルでは源泉かけ流しの風呂を備えた客室プランが販売されています。

観音温泉の大きな価値は、泉質の名前だけではありません。

部屋へ戻れば、自分たちのタイミングで温泉に入れる。

これは肌に悩みがある人にとって、想像以上に快適です。

大浴場の混雑時間を考える必要もなく、ほかの宿泊客を気にして急いで着替える必要もありません。

「まず少しだけ入ってみる。違和感がなければ、夜にもう一度入る」といった、自分の肌に合わせた使い方もしやすくなります。

ピグマリオン棟のプランでは源泉かけ流し露天風呂付き客室、本館にも源泉を楽しめる客室プランがあります。

夕食では伊勢海老や鮑などを組み込んだプランもあり、温泉だけでなく「せっかく遠くまで行くなら食事も特別にしたい」という需要とも相性が良い宿です。

観音温泉がオススメな人

  • 大浴場で人目が気になりやすい
  • 自分のペースで何度か温泉を楽しみたい
  • 源泉を楽しめる客室を選びたい
  • 価格だけでなく滞在の快適さを優先したい
  • 夫婦旅行や記念日旅行にしたい
  • 伊豆旅行として食事も楽しみたい

ただし、強アルカリ性単純泉だからといって「アトピー向けの泉質」と断定することはできません。

肌触りの良さと、自分の肌に合うかどうかは別の話です。

特に乾燥や炎症が出ているときは、短時間から試し、違和感があれば無理をしないこと。

そのうえで「温泉に入るときくらい、人目も時計も気にしたくない」という人にとって、客室温泉の価値は非常に大きいです。

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しあわせ隠れ里 猿投温泉 癒しの宿 金泉閣

遠くまで移動せず、名古屋近郊で温泉宿に泊まりたい人へ

愛知県内、特に名古屋方面から行きやすさを優先したい場合は猿投温泉の金泉閣が候補になります。

東名高速の名古屋ICから車で約30分という立地で、藤が丘方面からの巡回バスも案内されています。

「肌のために温泉へ行きたいけれど、片道何時間ものドライブで疲れてしまうのは避けたい」という人にとって、移動負担の少なさは重要です。

温泉は天然ラドン温泉。

アトピー関連の温泉検索ページなどでも猿投温泉が紹介されることがあります。

ただし、ここは少し冷静に見ておきたいポイントがあります。

環境省の現在の泉質別適応症では、放射能泉の浴用適応症としてアトピー性皮膚炎が直接挙げられているわけではありません。

そのため、「ラドン温泉だからアトピーが治る」という目的で選ぶのではなく、名古屋から行きやすい温泉宿で、自然の中に身を置き、温泉と食事を楽しみながらゆっくり休むという価値まで含めて考えるのがよいでしょう。

金泉閣は客室数が多い大型ホテルではありません。

大勢でにぎやかに過ごすより、山あいの宿で静かに休みたい人と相性があります。

金泉閣がオススメな人

  • 愛知県内で探したい
  • 名古屋からの移動時間を抑えたい
  • 天然ラドン温泉に興味がある
  • 自然に囲まれた静かな宿が好き
  • 温泉と会席料理をゆっくり楽しみたい
  • 遠出すると疲れてしまう

週末や連休など日程が決まっている場合は、客室数の多い宿ではないため、まず希望日の空室を確認しておくと選択肢を残しやすくなります。

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柿野温泉あさひ荘

華やかさより、山あいの静かな宿と温泉を求める人へ

岐阜県土岐市の柿野温泉あさひ荘は、のどかな山あいにある小規模な温泉宿です。

楽天トラベルの温泉情報では、泉質として「弱アルカリ単純泉」「ラジウム温泉」「単純弱放射能泉」が掲載され、効能欄には「アトピー・湿疹」と記載されています。

入浴時間についても24時間利用可能との案内があります。ただし露天風呂については日によって条件が異なるため、予約時に最新情報を確認してください。

「大型旅館の館内を歩き回るより、小さな宿で温泉と食事だけを楽しみたい」という人に向いています。

また、名古屋方面から車で行ける距離でありながら、到着すると山里らしい静けさを感じやすいのも魅力です。

あさひ荘がオススメな人

  • 楽天トラベルの温泉情報にある効能欄も確認して選びたい
  • 大型リゾートより小さな旅館が好き
  • 静かな山あいで休みたい
  • 時間に追われず温泉を楽しみたい
  • 愛知県から車で行きやすい場所がいい

なお、先ほどの金泉閣と同じく、放射能泉について「泉質名だけでアトピーへの効果を断定する」のは避けたいところです。

楽天トラベル上の施設情報は宿を比較する材料の一つとして使い、実際には肌の状態を見ながら無理のない入浴をしてください。

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美輝の里 ホテル美輝

家族や同行者も「来てよかった」と思える温泉旅行にしたいなら

自分は温泉の泉質を重視したいけれど、一緒に行く家族には「温泉以外も楽しめる宿がいい」と言われる。

そんな場合に使いやすいのが、岐阜県下呂市馬瀬の「美輝の里 ホテル美輝」です。

楽天トラベルでは敷地内の源泉を使った天然温泉として紹介され、露天風呂や複数の内湯、蒸気浴など多彩な温浴設備が案内されています。

掲載情報ではpH9.69の高アルカリ性の泉質とされ、いわゆる「すべすべ感」を楽しめる温泉として紹介されています。

ここは、アトピーに対する泉質別適応症を最優先して選ぶ宿というより、温泉旅行全体の楽しさを重視するときの選択肢です。

露天風呂から山並みや星空を眺め、いろいろな浴槽を楽しみ、夕食では飛騨牛や馬瀬の食材を味わう。

自分だけの「湯治旅行」にしてしまうのではなく、家族全員が休日を楽しみやすいのがメリットです。

ホテル美輝がオススメな人

  • 温泉設備が充実した宿が好き
  • 家族旅行で利用したい
  • 温泉だけでなく飛騨の食事も楽しみたい
  • 星空や山の景色にも癒やされたい
  • 下呂エリアへの旅行を考えている

ただし、高アルカリ性の温泉で「肌がすべすべする」という感覚と、アトピー性皮膚炎の肌に合うかどうかは別です。

乾燥しやすい人や刺激を感じやすい人は、最初は短時間にして肌の反応を確認してください。

また、楽天トラベルの施設情報には館内にエレベーターやエスカレーターがない旨の記載があります。階段移動が負担になる方が同行する場合は確認しておくと安心です。

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結局どの宿を選べばいい?迷ったときの決め方

7宿それぞれ良さがありますが、全部を比較し続けると逆に決められなくなります。

そこで「自分が温泉旅行で何を一番叶えたいのか」を1つだけ決めてみてください。

泉質とプライベート感を両立したい

奥飛騨 平湯温泉 湯の平館。
硫黄泉を含む2種の自家源泉と無料貸切露天という組み合わせが魅力です。

硫黄泉を最優先したい

寸又峡温泉 光山荘。
単純硫黄泉で、楽天トラベルの効能欄にもアトピー・湿疹の記載があります。

熱い温泉が苦手で、落ち着いた旅館に泊まりたい

湯元 榊原舘。
31.2℃の源泉と、貸切風呂・露天風呂付き客室を検討できます。

大浴場へ行かなくても満足できる宿がいい

伊豆奥下田 観音温泉。
客室で源泉を楽しめるプランがあり、人目を気にせず自分のペースで過ごしやすいです。

名古屋から近い方がいい

猿投温泉 金泉閣。
長時間の移動を避けて温泉旅館へ行きたい人に便利です。

静かな小規模旅館が好き

柿野温泉あさひ荘。
山あいの落ち着いた雰囲気で温泉を楽しみたい人向きです。

家族全員が楽しめる温泉旅行にしたい

美輝の里 ホテル美輝。
多彩な浴槽と自然、飛騨の食事まで含めた旅行に向いています。

「アトピーに効く温泉」という口コミだけで決めない方がいい理由

温泉を調べていると、

「ここに入ったら数日で治った」
「この温泉でアトピーがなくなった」

といった体験談を見かけることがあります。

実際に本人がそう感じたこと自体を否定する必要はありません。

ただし、ある人に起きた変化が別の人にもそのまま起きるとは限りません。

アトピー性皮膚炎は症状や悪化要因に個人差が大きく、旅行による睡眠、ストレス、食事、気候、湿度の変化まで影響する可能性があります。

温泉へ行った時期と症状が良くなった時期が重なったからといって、その温泉だけが原因だったとは断定できません。

ですから、宿選びでは「治ると書いてあるか」より、

  • どんな泉質なのか
  • 肌に違和感が出たらすぐ上がれるか
  • 貸切風呂や客室風呂があるか
  • 熱すぎないか
  • 移動だけで疲れないか
  • 宿でしっかり睡眠が取れそうか

まで考える方が、結果として満足しやすい旅行になります。

肌が敏感なときに温泉で失敗しにくくする入り方

せっかく良さそうな温泉宿を選んでも、最初から長時間入って肌がヒリヒリしてしまったら旅行を楽しめません。

肌が敏感な人は、温泉を「たくさん入った方が得」と考えない方が安心です。

最初の1回は短時間から

到着してすぐ長湯するのではなく、最初は短めにして肌の反応を確認します。

ピリピリする、かゆみが増える、赤みが強くなるなど違和感を感じたら、我慢して入り続けないでください。

ゴシゴシ洗わない

温泉旅行では普段と違うボディソープやタオルを使いたくなりますが、炎症のある肌を強くこする必要はありません。

宿に備え付けられた香りの強い製品などが普段の肌に合うかわからない場合は、いつも使っている洗浄料やスキンケア用品を持参すると安心です。

刺激を感じたら無理をしない

「効いているから痛い」と考えて我慢する必要はありません。

痛みや強い刺激は、温泉から上がるサインと考えてください。

入浴後は普段の保湿を続ける

温泉に入ったからといって、いつものスキンケアをやめる必要はありません。

湯上がり後は肌をこすらず水分を押さえるように拭き、普段医師から指示されている保湿や外用薬がある場合は、その指示に従ってください。

「温泉に来たから薬を休む」は避ける

温泉旅行と治療は別です。

処方されている薬を自己判断で中断せず、普段どおりの治療を続けながら旅行を楽しむことが基本です。

宿泊だからこそ得られる「肌以外」の価値も大切

アトピーに悩んでいると、つい「この温泉で肌がどうなるか」だけに意識が向きがちです。

でも、旅行にはもう一つ大きな価値があります。

仕事や家事から離れる。
食事を作らなくていい。
布団に入る時間を気にしなくていい。
スマートフォンを置いて、山や川を眺める。
家族と「最近どう?」とゆっくり話す。

かゆみで睡眠不足が続いたり、肌のことを常に考えたりしていると、それだけで気持ちは疲れます。

温泉宿で過ごす一晩は、「治すためだけの旅」ではなく、肌のことばかり考えていた日常から少し離れる時間にもできます。

だから宿泊先を選ぶときは、泉質だけでなく、

  • 部屋で落ち着けそうか
  • 食べたい料理があるか
  • 景色に魅力を感じるか
  • 貸切風呂で家族と過ごせるか
  • 移動時間に無理がないか
  • 翌朝まで「ここにいたい」と思えるか

も一緒に見てください。

それでこそ「行ってよかった」と思える温泉旅行になります。

よくある質問

Q. 東海でアトピー性皮膚炎の泉質別適応症を重視するなら、どの泉質ですか?

A. 環境省の泉質別適応症では、硫黄泉と酸性泉の浴用適応症にアトピー性皮膚炎が挙げられています。ただし、適応症は個人への効果を保証するものではありません。今回紹介した宿では、光山荘が単純硫黄泉、湯の平館では硫黄泉を含む温泉を楽しめます。

Q. ラドン温泉はアトピーにいいですか?

A. 温泉施設や予約サイトでアトピー・湿疹などの表記を見かけることがありますが、環境省の現在の泉質別適応症では、放射能泉の浴用適応症にアトピー性皮膚炎は直接挙げられていません。「ラドンだから治る」と考えず、温泉の入り心地や宿の環境も含めて選ぶのがよいでしょう。

Q. アルカリ性の温泉なら肌に優しいですか?

A. 一概には言えません。アルカリ性温泉特有のすべすべした感触を好む人もいますが、乾燥しやすい人では湯上がりにつっぱりを感じる場合もあります。最初は短時間から入り、入浴後は普段の保湿を続けてください。

Q. 大浴場で肌を見られるのが気になります。

A. 無理に大浴場を選ぶ必要はありません。湯の平館の貸切露天、湯元榊原舘の貸切風呂や露天風呂付き客室、観音温泉の客室温泉など、プライベートに入れる宿を選ぶと気持ちがかなり楽になります。

Q. 口コミで「温泉に入ったらアトピーが治った」と書かれていました。本当ですか?

A. その人自身の体験としては尊重できますが、同じ結果が別の人にも起きるとは限りません。アトピー性皮膚炎の経過には個人差があり、温泉だけでなく睡眠、気候、治療、ストレスなど多くの要因が関係します。口コミだけで治療効果を判断しないようにしてください。

Q. 子どもがアトピーでも温泉旅行できますか?

A. 症状が安定していて入浴制限を受けていなければ旅行できるケースはありますが、子どもの肌は状態による差が大きいため、症状が強い場合は主治医に相談してください。また、温泉の温度や宿泊可能年齢も宿ごとに異なります。湯の平館など現行プランで幼児受け入れについて条件がある宿もあるため、予約画面で確認してください。

Q. 温泉に入ったあと、温泉成分を流さない方がいいですか?

A. 「温泉成分を残した方がいい」と一律に考える必要はありません。肌に刺激や違和感を感じる場合は無理に残さず、やさしく流して普段のスキンケアをしてください。施設ごとの入浴上の注意も確認しましょう。

Q. 一番迷いにくい宿はどこですか?

A. 泉質、源泉かけ流し、貸切風呂、料理、温泉旅行らしい雰囲気まで一度に求めるなら湯の平館が選びやすいです。人目を最優先で避けたいなら観音温泉、名古屋から近い方がよければ金泉閣というように、優先順位を1つ決めると選びやすくなります。

温泉選びに迷ったら「一番安心して過ごせそうな宿」を選んでください

「アトピーに一番いい温泉はどこ?」

本当は、その答えが1つに決まっていれば簡単です。

でも、肌の状態も、刺激の感じ方も、旅行に求めるものも人によって違います。

だから、

硫黄泉を試してみたいなら、湯の平館や光山荘。

熱いお湯が苦手で、ぬるい源泉と旅館らしい贅沢を楽しみたいなら、湯元 榊原舘。

人目を気にせず自分の部屋で温泉に入りたいなら、観音温泉。

遠出の負担を減らしたいなら、金泉閣。

静かな山あいの小規模宿なら、あさひ荘。

家族みんなで温泉旅行を楽しみたいなら、ホテル美輝。

という選び方で十分です。

温泉は「我慢して効かせるもの」ではありません。

肌に違和感があれば上がる。
疲れたら部屋で休む。
おいしいものを食べる。
夜は早めに布団へ入る。

そして朝起きたときに、

「ああ、来てよかったな」

と思えたなら、それだけでも十分に価値のある温泉旅行です。

希望日が決まっているなら、まず気になった宿の空室と客室タイプを確認してみてください。

同じ宿でも、貸切風呂を使えるプラン、客室で温泉を楽しめるプラン、夕食の内容などで滞在の満足度は大きく変わります。

肌のことだけに旅行を支配されず、自分が本当にくつろげる一泊を選んでください。

※部屋タイプ、設備、料金、アクティビティ内容、送迎条件は変更されることがあります。予約前に最新情報をご確認ください。