Juice=Juice 11人体制が生んだ“第12の声”
――「盛れ!ミ・アモーレ」に見る観客参加型音楽の成熟**

 ライブ会場という空間には、時折“計算されていないはずの美しさ”が生まれる。
 Juice=Juice の11人体制が放つ輝きと、客席に密集する観客――通称ハロオタ――の声が混ざり合う時、その瞬間は訪れる。

 近年、その象徴として語られる曲がある。
 ***「盛れ!ミ・アモーレ」***だ。


観客がつくる“返す”音楽

 この曲のライブに足を踏み入れると、驚かされるのはメンバー11人の歌とダンスだけではない。
 むしろ会場後方から押し寄せる、「モーレ! ミ・アモーレ!」の強烈なコールの存在感である。

 ステージと客席が対話するように進むこの掛け合いは、もはや“演出”というより“文化“だ。

 歌う者と応える者が、まるで台本があるかのように呼吸を揃え、曲の構造そのものを高めていく。


11人+観客=完成形

 「M・O・R・E!」のスペルアウト部では、
曲の熱量に引き寄せられたかのように客席がピタリと揃う。
その統率は、まるで隠れた12人目のパートが存在するかのようだ。

 そして何より“ライブ文化の成熟”が感じられるのが、
裏拍で刻まれる
「Flush Flush Flush Flush」
の炸裂だ。

 リズムの隙間に、ためらいなく声が飛び込む。
 観客は歌を奪うでもなく、ただ足りない空白を補うように、
メンバーの表現に寄り添う。

 その瞬間、楽曲はステージの上だけのものではなくなる。


観客の声が昇華させる音楽

 ハロプロのライブ文化は「受け身ではない音楽体験」として独自の進化を遂げてきた。
 その楽曲達は、観客の声が入り込む余地を巧みに残している。

 その余白に、ハロオタは迷わず声を投げ込む。

 結果として「盛れ!ミ・アモーレ」は、
「歌」と「コール」が別々の存在ではなく、
双方が絡み合いながら一つの音楽として成立する、稀有なライブ曲へと昇華した。


“第12の声”が響く未来へ

 現在、Juice=Juiceは11人体制。
 だが、この曲がライブで放つエネルギーは、それを軽々と超えていく。

 会場全体が巨大なひとつの呼吸体となり、
メンバーのダンスと歌、そして観客のコールが
ひとつの作品として立ち上がる。

 そこに生まれるのは、
“観客もまたアーティストである”という、新しい音楽のかたちだ。

 11人のステージの先には、今日も必ず第12の声が響いている。
 それが、ハロー!プロジェクトが長年築いてきたライブ文化の、美しい結晶なのだろう。