本当に久しぶりに、

古いレンズを持って、

花に会いに行ってきた。

 

今日撮らなければ、

今年もう花に会えないかと思って。

 

 

 

 

ゆらゆらと、

風に揺られて、

淡い色に咲く花。

 

もう冬が来るのに、

たくさんの千日紅が、

ふんわりと咲いてたよ。

 

 

 

 

このふんわりな千日紅たちを、

ふんわりのまま撮りたくて、

シャッターを押してたら、

ふんわりピンボケてた。

 

自分もふんわりと、

してたんだと思う。

 

 

 

 

千日紅をカメラで見ながらふと思う。

今までいろんなことがあったとか、

そんなふうに思うことがあっても、

それはこの今じゃないときのこと。

 

花も自分もずっとふんわりなこの今にいる。

 

 

 

 

花たちはずっとふんわり光を浴びていて、

太陽は自分にもふんわり光を届けていた。

花たちと同じようにずっと。

 

まだ暖かく感じる日。

 

しばらくただじっと、

風に揺れる千日紅を見てた。