「スッタ・ニパータ」
 

仏教の最初期のパーリ語による経典。

スッタは経、ニパータは集まり、あわせて「経集」となるが、多くの翻訳は『ブッダのことば』と題する。

その用語や内容などからみて、現在伝わる経典中の最古の資料と考えられている。

その内容はきわめて素朴で平易でありつつ、人生の真実にそのまま触れ、仏教術語を用いずに、釈迦(しゃか)の教え、ないし原始仏教の核心を、むしろ淡々と語る。仏教思想の源泉を知るのに最適の書といえる。(引用:コトバンクよりhttps://kotobank.jp/word/%E3%82%B9%E3%83%83%E3%82%BF%E3%83%BB%E3%83%8B%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%BF-1551846)

 

「スッタ・ニパータ」の1章の「3、犀(さい)の角」を、私なりに時々、解析していきたいと思います。

 

「犀(さい)の角」とは何でしょうか?

 

犀(さい)の角は一本です。

すべての存在を存在させ、その存在を変化、運動、移動させる、ひとつの動きの象徴という、私なりの大前提からスタートしたいと思います。

 

 

39 林の中で、縛られていない鹿が食物を求めて欲する処に赴くように、聡明な人は独立自由をめざして、犀の角のようにただ独り歩め。

 

林とは人間社会のルールの象徴ではないでしょうか。

社会のルールは、この現実を土台に意味付け価値付けしたものが収斂されて、基準になったものです。

そこに縛られるのではなく、この現実を成り立たせている源泉動きと、ひとつになった状態で、生きなさいというメッセージだと思います。

 


40 仲間の中におれば、休むにも、立つにも、行くにも、旅するにも、つねにひとに呼びかけられる。他人に従属しない独立自由をめざして、犀の角のようにただ独り歩め。
 

仲間は自分のことを思って、その人の経験・体験から、いろいろなことを言ってくれたりします。しかし、経験・体験知識は条件が変われば変わってしまうものです。

そこに縛られず、すべての存在を存在させ、その存在を変化、運動、移動させる、ひとつの動きからの智慧に従って生きなさいというメッセージではないでしょうか。

 

ひとつの動きからの智慧と、経験知識がつながることが大事だと感じました。

 

川名哲人