♪ピピピピピ♪
体温を測り終えた三男がわきの下から体温計を外し、熱い視線で数字を見る。
無言で体温計を凝視し、机の上にそっと戻す。
どうやら平熱だったらしい。
この光景を昨日から幾度となく私は見ている。
三男は今、絶賛発熱待機中なのだ。
なんとなくだるい。
喉も痛い。
鼻水もでる。
そしてなにより、尋常じゃないくらい咳がでる。
風邪の条件は全て網羅しているのだ。
あとは発熱というラストピースが埋まればフルコンボ。
堂々と休める・・・・・・のに。
机に置いた体温計を見つめながら、三男が絶望している。
ママは知っている。
この風邪はね、だるいのよ。
そしてね、尋常じゃないくらい咳がでるの。
でもね、絶対に熱はでないの。
「これはきっと熱がある」って期待させる様な、キワキワのラインの体温で数日過ごすのよ。
だって、ママもそうだったから。
事の発端は今から三週間位前の長男が持ち込んだ風邪が原因だ。
「だるいだるい」と何度も熱を測り、毎回平熱で撃沈し、けれど咳だけは酷くてそれはそれはしんどそうだった。
やがてその風邪は旦那に移り、だるさと咳がピークの状態でGW中の美濃焼まつりを迎え、始終虚ろな目で店頭に立っていた。
長男と旦那の咳を全身に浴び続けた私にうつるのは時間の問題で、工房めぐりを終えた翌日の朝、全身がバキバキすぎて目覚めのコンディションは最悪だった。
「絶対に熱がある。熱があれば堂々と休める」
と体温計を挟む脇にも自然と力が入り、体温計を見つめる。
「36.5度」
嘘だ。
そんなはずはないと、もう1度測るが変わらず。
絶望感に打ちひしがれながら気合で数日過ごし、咳が出だした頃三男が「だるい」と言い始めた。
今回の風邪は倦怠感と咳があってしんどいのじゃが、数日で治る。
長男も旦那も私もそうだった。
だから三男もさほど心配する必要はないのじゃが・・・・・
今日も三男は体温を測る。
ワンチャン、発熱してる事を期待して。
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余談ですが。
次男がやたら”ワンチャン”って言葉を使うんですよね。
私てきに”ワンチャンス”みたいなニュアンスだと思って聞いていたのですが、この間
「模試代の振込、ワンチャン、今日までかもしれない」
って夜の9時に言われたんですけど、このワンチャンの使い方ってあってるんでしょうか。
お風呂に入って、パジャマにも着替えて、もう寝る気満々の私にこれから振込に行く事が、どう考えてもワンチャンスとは思えないのですが・・・。
どうでしょう。