麻痺発症から1週間後

初めての麻酔科での星状神経節ブロック注射💉

この注射は喉仏の横あたりに打ってもらいます(><;)
場所的に恐ろしいものがありますが、

麻痺が治るなら何でも致します!
という心境だったためか、大して恐怖心もなく、痛みもさほど強く感じませんでした。

この注射、喉の近くに打つため、終わってから1時間程度声が出にくくなったり、かすれたりすることがあります(-_-メ
そんな時は厄介で、会計窓口や薬局で、プロレスラーの天龍さんのようになります

発症から3ヶ月間は週に2回、
発症3ヶ月後から半年までは週に1回、
発症半年から1年までは2週間に1回のペースで打ち続けました。
トータルで50回は打ったと思います。

残念ながらこの星状神経節ブロックが麻痺に効くのかは医師の間でも意見が分かれるそうで、主に麻酔科の医師により推奨されており、医師によっては、治療の選択肢として挙げない場合もあります。

でも、
藁をもすがる思いですから、そんなに高額でなければやりたい!  というのが心情なのと、
麻酔科の先生方が3人共とても親身になってくれる方々だったので、
受けて良かったと思っています。

ただ…

麻酔科での初診時、
笑顔が素敵でダンディな先生がニッコリ笑って、
「帯状疱疹の症状が軽かったから、1ヶ月くらいで治ってきますよ」
と言ってもらい、
「な〜んだ  取越し苦労だったわぁ照れ
と天にも昇る思いだったのも束の間、
1週間に2回ごとの診察の度、
先生の顔がドンドン険しくなっていく…
顔に出ちゃうタイプみたいで(笑)

そういう意味では、愛想はさほど良くないけど、いつも冷静で、検査結果に右往左往しない耳鼻科の先生は父親的存在。
ドーンと構えていて、最終的には随分と救われました。

そして、発症から1ヶ月…

当初、麻酔科の先生方が考えていたより回復の程度が思わしくないと告げられ、
筋電図検査を受けてみることを促される。

この検査は、電極を顔の筋肉に貼り付けて、どの程度電流に神経が反応するかを見るもので、結果が二桁の数字ならば、ある程度回復が見込めるが、一桁の結果だと厳しいと予め説明を受けました。

この筋電図検査と後に受けることになるMRI検査ですが、
発症から間もなく受けることを促される病院もあるようです。
もし、発症直後に受けていて、異なった結果が出ていれば、ここまで落ち込むこともなかったと思うので、耳鼻科と麻酔科でしっかり連携してほしかった…
顔面神経麻痺の診察経験がもしも十分とは言えないなら、もっと情報収集してほしかった…
と思います。

検査の説明から1週間後、検査当日…

結果によっては、私がドン底の状態になってしまうことを心配した母が付き添ってくれました。

検査室へ…

電極を貼り付けて、左右の顔交互に電流が流されるも、検査技師の顔が険しい…
左側だけ何度もやり直しているのがわかる。
検査後、
「今まで見たことのない数字でして…
麻痺から1ヶ月にしては、パッと見た感じは全然わからない程度に回復しているのに、この数値の低さは初めてでして…」

この時点で、暗雲が立ち込み始めたのを悟る…

本来は、結果は次週麻酔科医から説明される予定でしたが、速やかに検査技師から医師へ報告がなされ、麻酔科の診察室へ…

麻酔科へ移動すると、処置室で、いつもお世話になっている先生方3人が険しい顔つきで話し合っているのが目に入る。

仕事が早めに終わった夫も病院に駆けつけてくれ、母と夫と3人で診察室へ。

1%という低い数値であったこと

大学病院勤務時代にも、これ程低い数値は見たことがないこと

を告げられ、なかなか椅子から立ち上がれませんでした。

「帯状疱疹以外の原因を考えなくてはいけなくなりましたので、MRI検査をしましょう」

麻酔科の先生は言いました。

顔面神経麻痺の原因はいくつかあるのですが、そのうち脳動脈瘤や脳腫瘍による顔面神経への圧迫を考えた方がいいとのこと…

脳動脈瘤…

脳腫瘍…

頭の中をグルグルこのワードが周り始めました。

MRIは予約で一杯でしたが、緊急ということで、その日の午後に受けることができました。

しかし、結果は翌々日…

頭がおかしくなりそうな2日間でした。

脳動脈瘤だったら、今こうしている間にも破裂するかもしれないんだよね???

脳腫瘍で、手遅れな段階だったら…

家族と過ごせる時間も残りわずかなんだよね…

発狂寸前だったと思います。

子供のお陰で、
否が応でも、幼稚園バスのバス停までの送り迎えがあったり、
習い事の送り迎えがあったりしたことで、気が紛れたように思います。

でも…

脳動脈瘤や脳腫瘍の後遺症で苦しんでいらっしゃる方には不謹慎に聞こえるかもしれず、大変申し訳ないのですが、
手術で病巣が取り除ければ、顔面神経麻痺は回復する訳なので…
そうあってほしいと願っていた自分がいたことも事実です。

そして翌々日…

結果は、
やはり、 

耳性帯状疱疹 ラムゼイハント症候群で間違いない

とのことでした。

ホッとしたような…

ガッカリしたような…

複雑な気持ちでした。

この頃から、

長い闘いになりそうだ…

とある意味覚悟を決められた気がします。

最後までお付き合い下さり、ありがとうございました!!

続く…