12月4日家のうさぎ ろっちゃんがパッタリとご飯もお水も口にしなくなり、 時間が経つにつれ夜にはグッタリとしていき体も冷たくなっていった。便もこの日は出ていなかった。私はただ彼を暖め語り続けていた。

翌日早朝で獣医師にも見てもらうが 「かなり衰弱していてショック状態で手の施しようがない、手術しようにも麻酔で死んでしまう。」点滴と ショック状態に効く注射とほんの少しの採血検索をして 帰宅。


身体中冷たいろっちゃんを暖かい仏壇のお部屋にゲージごと移動し、ゲージに毛布をかけ薄暗くして過ごした。ろっちゃんに語りかけるも返事は無いが意識は感じた、身体を撫でると心臓は動いている。呼吸をしている。 
一昨日までは走って私を追いかけていたのに、全てが急すぎてこの現実と向き合うのが苦でした。



ろっちゃんの瞳に私が反射して 目が合いました。

「 僕はもう生き続けることは難しい。

もし今日生き延びても、明日は生き続けることができないかもしれない。

もし元気になって日常に戻ることが出来ても、同じ死は訪れ、どちらかは必ず先に死ぬ定めなんだ、だからいつかはお別れなんだ。

それはいつかは来るんだ。

生きているということは変化を感じるということ、だから生きている限り変化を避けることはできない。」

ろっちゃんはそう語りかけるように私を見ていました。 

一番苦しいのは彼であるのに、涙は止まりませんでした。 


夜10時半頃、お風呂から上がり ろっちゃんのもとに戻ると、母と弟がゲージを囲っていました。

「ろっちゃんが…死んじゃった」

ろっちゃんに駆け寄り、背を向け横たわる 彼の背中から聞こえました。

「君がそばにいるとなかなか死ねないんだ」

そんなことを言われたような気がしました。

「ろっちゃん、急に立ち上がってきほが作った流動食を食べて息絶えたんだよ…最後の力を振り絞ったんだね。」 母は涙ながらそう伝えてくれました。

私はろっちゃんの背中を撫でました。でも、もう私の気は彼には伝わりませんでした。

最後まで私のことを愛してくれていたし、たくさんの人々に彼は愛されていました。


この悲しみが苦しみとなって彼に伝わりませんように。愛していると伝わりますように。この悲しみが供養につながり 安心して霊界に帰れますように。




お花に囲まれ大好きなフルーツに囲まれ眠る姿のろっちゃんを眺め撫でていました。 死んでしまっても毛並みは生きていた時と変わらないのですね。


「さようなら」

穏やかな表情で眠る彼が言ったような気がしました。

「毎日同じ世話をしていても、元の日常には戻らない、どこへ行っても、僕のことを気にしていただろう。 そんな日々ともお別れになるよ。

僕たちが出会った時からこの時が来ることは、分かっていたじゃないか。

全ては流れていくんだ、その流れに逆らうことは出来ないという現実を受け入れる勇気を持とう。」

ろっちゃんは今まで私にたくさんのことを教えてくれました、最期になってもろっちゃんは私に語りかけてくれました。

6歳9ヶ月 流れる時間はとても早く尊いものだと教えてくれました。 

もしこの世に恩師がいるのなら、彼以上の恩師はいません。

さようなら、わが兄弟よ