18歳だった。
長生きしてくれたものだ。生後2か月ぐらいのとき、子供たちのクラスメイトから譲り受けた。名はChouquette シューケット。三毛猫だったんだけど、当時パッと見が薄茶色が勝っていて、フランスのポピュラーなお菓子の感じがして、こんな名前を付けたのだった。
年ゆえに最後は物凄く弱ってしまって、非常に可哀そうだった。
亡くなったのが2日前。翌朝は、彼女がいた場所にいるはずの姿がなくてぽかんと大きな穴が空いたようで。この穴は当分ふさがらないのだろうな、いや、空いたままなのかもしれないな、とも思ったり。
全く想像もしていなかったのが、オットが非常にくらっている、ということ。愛猫の存在は彼の日常の大きなスペースを占めていたのだと、いなくなって知った。
目に見えるというか聞こえて来るというか、ある変化が起きた。オットがえらく独り言を言っているのだ。ラジオで聞いた政治の話題になにやら文句を言っていたりとか、これは明らかに猫が去ってしまったことと関係しているのだ。自分で気づかず空いた穴を埋めようとしているかのように。