そこは国道沿いのとある駐車場。
喧嘩中の男女がいた。
恋人同士の二人は何やら揉めている。
とその時だ。
「パッチーン。」
男が女の頬をひっぱたいた。
「いい加減にしろ。」
「この俺が手を挙げるってよっぽどの事だぞ。」
「お前はそれをわかっているのか。」
その殴られた我儘な女の容姿は至って普通。 そしてそれに上乗せして悪態もつく。
可愛いはずがない。
『彼は悪くない。』
『捨てられる。。』女はそう覚悟した。
そして恐る恐る上目遣いで男の方を見た。
そんな身のほど知らずな女を。。
彼女に持つ不憫な男は予想外の言葉を口にした。
「ごめん。痛かったよな。」
「俺だってこんな事はしたくなかったんだ。」
男は両手で女の頬に触れてから切なそうに優しく抱きしめた。
女は思った。。
『嫌だ。別れたくない。』
『私にはこの男しか無理だわ。』
『だからもっと大事にしよう。』
男は女に騙されたのか?
はたまたよっぽど奇特な性格か。
それでも二人は結婚した。
そして出来上がったのが。。
このポンコツ夫婦だ
夫は過保護でせっせと妻の世話を焼く 。
イケメンじゃあないけど。。
子煩悩なイクメンでもあった。
仕事と育児を両立してくれた。
妻のわたしは。。
何をしていたのだろう?
あまり思い出せない
そして年月が経ち。。
じぃちゃんと。。
ばぁちゃんになったけど。。
何とかまだ夫婦として。。
ポンコツ団地の。。
一つ屋根の下に。。
腐れ縁か?一緒にいる
まったね~