今回は、四角い原子モデルを考えてみました。

主な特徴・工夫した点は、次の3つです。

 

①簡単に作れる。

②化学式や化学反応式がイメージしやすい。

③カードの向きがそろえやすい。

 

 この教材を考えたきっかけは、

ある中学校の研究授業の参観です。

生徒が原子モデルを有効に活用しながら、

班活動で話し合って化学反応式を考えていました。

 自分も授業で使ってみたいと思い、

その後の協議会で、

「原子モデルを作る時間はどれぐらいかかりますか?」

と質問したところ、1人1セット作るのに、

「速い人で1時間、終わらなかった人は宿題にしました。」

とのことでした。

 

 この時の原子モデルは、画用紙を丸く切って作っていました。

以前から原子モデルは、画用紙を丸く切ったり、

色つきの丸いシールを使ったりしていました。

粒子概念のことを考えると、当然のことだと思います。

 

 でも、もっと製作時間を短くできれば、

製作した日に、原子モデルを活用することができます。

作った日に活用できた方が、

生徒も達成感や充実感があるはずです。

そこで、考えたのが、四角い原子モデルです。

当たり前ですが、画用紙を丸く切るよりは、

四角く切る方がはるかに簡単です。

おそらく50個くらい作るにしても10~20分間もあれば

充分に作れるはずです。

 

 そして、せっかく作るなら、もう一工夫しようと思い、

原子の結合をイメージしやすいようにしてみました。

 原子の“腕”に「+、-」の符号をつけました。

例えば、水の分子は、

水素(H)の腕は+が1個で

酸素(O)の腕が-が2個だから、

水素と酸素が2個と1個でつながることが分かります。

 また、単体の分子の結合は

同符号でつながることになってしまうので、

「同じ色なら、同符号でも結合できる」

という特別ルールをつくっておきます。

中学校程度なら、水素、酸素、窒素、塩素の4つなので、

赤色、青色、黄色、緑色で色分けしています。

 このようにすると、

生徒自身で、化学式や化学反応式を考えるときに

「どの原子と結合できるか」、「何個と結合できるか」などを

論理的に考えることができます。

これは、大きな魅力だと思います。

やはり、理科では、論理的思考力を養いたいですよね。

 

 ただ、このモデルで懸念していることがあります。

それは、共有結合やイオン結合を区別していないことです。

中学生が考えられるように簡略化(?) して指導するか、

高校で学習する内容なら、なるべく正確に指導するか、

悩むところです。

これは、みなさんのご意見を聞きたいところです。

もしかしたら、

「やはり原子は丸い形が良い」

という意見もあるかもしれません。

 

 使い勝手も考慮してみました。

各カードの左上を斜めにカットすることによって

カードの表裏や上下をそろえやすくしました。

 原子カードを使うとき(探すとき)は、

何十枚というカードを机に広げることになりますが、

向きがそろっていると、ストレスなく並べることができます。

 左上を切る分だけ、製作時間は増えてしまいますが

(全体で5分程度でしょうか?)、

その後の、活用場面を考えると、無駄ではないと思います。

カードの形が、SDカードみたいになるのも面白いかなぁ!?

 

 ちなみに、収納する箱はおまけで作ってみました。

使い勝手を考えると、

チャック付きビニル袋でも良いと思います。