時が過ぎていく
平成が令和へと流れていく
私の中でも深い10年が流れていく
今この時が大きな節目

我が子たちの生と死によって導かれた

生まれるということに死はつきまとう
逃れることは出来ない
分かっていても
私はずっと死ぬことが怖かった

それに拍車をかけるように問いかけられた

世の中に
太陽の美しい陽を浴びることも
風がそよぐことも
雨が降り注ぐことも
雪が舞うことも
花がゆれることも
木の葉が踊ることも
川のせせらぎの音があることも
人とは違う生き物がいき交う世界があることも

なんにも知らずに
電気の光を見ただけで
母の顔も知らずに
生まれてきてただ去っていくだけの命がある
それをどう考えるのか

心肺停止を告げられ
別れに沐浴を過ごした我が子のかすかな呼吸が
この腕の中で復活しても
死んでいることとしてことが進んでいくことを
それをどう考えるのか

私の声には気付いたはず
深い麻酔の中で新生児であっても
かすかに指を動かして応えてくれた
本能なのか、必死だったのか

死ぬことは切ない
去らなければならないことは切ない
いつかこれらを越えて
逝かなければならないことは切ないと
深く思えることが自分にできるだろうか

娘に会いにいくことが
恥ずかしくなく私はできるのだろうか

追いかけてくる娘たちが
私に会いたいと思うのだろうか

昭和から平成にうつるとき
それまでもそうであったように
一人の人が亡くなることで時代が変わった

その方の死を悔やみ悲しむ以上に
時代がうつることへの躍動感へ
世の中が心奪われたように思う

時代は進み
人の死とは別の次元で時代が移ろうとしている
なんだか「和」を感じる

逝った娘の名に「和」を送ったこと
あらためて良かったな

時代はうつる
今日は娘の大切な日
きてくれてありがとう
道をつくってくれてありがとう

三姉妹の母にしてくれてありがとう
三姉妹の父にしてくれてありがとう