〈⑥手術前検査〉
2017年3月中旬
(⑥手術前検査の続きです。)
手術前に必要な検査はすべて終わり、
乳腺外来に戻ると着替えるように言われたので検査着をようやく脱ぐことができました。
約束の時間が近づいてきて、夫と私の母も到着。
看護師さんに伝えると、すぐ呼ばれました。
ちょっと待ったー!
先生と話を合わせていない!
夫と母に、
「ちょっと待って!」
と言い残し、診察室へ小走り。
この時点で完全に怪しいですけどね。。
「先生!こんにちは!
あのー、母を連れてきたんですが、まだがんとは伝えてないんです。今日結果がわかると言って連れてきたので、説明よろしくお願いします。母、心臓弱いんで、スミマセン」
先生、びっくりしてたけど、
「うんうん、わかったよ。僕はこうしたらいいんだね。」と。すぐ理解してくださいました。
先生さすが〜
今思えば、その時まだ1度しか顔を合わせていなかった先生に、いきなりの全部丸投げしちゃったなと。
先生嫌な顔一つせず、引き受けて下さって、これは今でも感謝しています
そして、バタバタ夫と母の元に戻り、
不思議そうな顔をしている母と、妻の動きに苦笑している夫を連れて、診察室へ
中に入って、先生に母と夫を紹介したら、
先生がすぐに母に向かって話を始めました。
「お母さん、検査した結果、残念なんだけど悪性だったんだよ。」
そこで私もすかさず、
「お母さん、ごめん!黙って連れてきちゃった。ごめんね!」と笑顔でフォロー。
母はえっ?という驚きと苦虫を噛み潰したような何とも言えない顔でした。
その後、先生が最初に私に説明してくださったのと同じように、母と夫に、病気のこと、今後の治療スケジュール・内容について、また図を描きながらわかりやすく話してくださいました。
私は、ただただその横で
お母さん、ごめんね……………
と心の中でひたすら謝っていました。
楽しく生活しているのに、こんなことびっくりだよね。。
そして、さっきまで受けた手術前検査の結果が出揃っていたようで、いろんな画像を次から次へと提示しながら、転移の状況について話がありました。
まず骨シンチ!
いやん、私ガイコツになってる
なぜか夫の前で恥ずかしかったな。←意味不明。
転移はなかったけど、私は背骨が曲がっているのが気になりました。あれ、たまたまかな?
次にCT!
子宮辺りからどんどん上へ、初めて見る私の体の輪切り。
実はこれ、以前からやってみたかったことだったので、内心嬉しくて というのも、自分の内臓脂肪を見たかったのです。
でも、先生の画像を送るスピードが早すぎて、脂肪の厚みに注視できなかったのが残念。ま、そこがメインじゃないし。
画像が胸に到達したら、一粒光り輝いていました。
私のしこり。
まるでダイヤモンドのよう
悪いがん細胞のはずなのに、キラキラと自己主張していて、私は再検査の前に行ったSHINeeのコンサートで彼らが歌った「Diamond Sky」という歌を思い出していました。
この曲が頭で鳴り響く中、次は胸のMRI画像。
貧相な胸がそこに…
それを4人で見つめるという、羞恥プレイ
そこにも、私のダイヤモンドがありました。
貧相な胸の中で輝いていました。
私はここよ!
そんな感じすら受けた画像。
結果、転移はないとのこと。
とりあえず、このダイヤモンド(7〜8ミリ)をとっちゃって、その病理結果からその後の治療を確定するとのお話。
前回、「部分切除+放射線治療」か「全摘」かは好きな方にしていいと言われていたので、
「あのー、やっぱり全摘の方が確実ですかね?」
と聞くと、私の状態ではどっちを選んでもあまり変わりないらしい。
「ただ、全摘は痛いね…」
と言われました
痛いの無理なんで、
「部分切除+放射線治療でお願いします」と即答。
質問したいことを書き出していたので確認し、
母も少し質問していました。痛みのことだったかな。
親って、こういう時に娘の痛みを一番心配するんだなぁと思って聞いていました。
「じゃあ手術の前の日にねー!」
「はーい!よろしくお願いしまーす」
と、先生に心の中で感謝の念を送りながら、退室。
そして、母に、
「ごめんね、こういう形でしか連れてこれなくて。」
と言ったら、
「おかしいと思ったのよ。なんで良性か悪性かもわからないのに、手術日だけ決まってるのかと思ってね。ずっと変だな変だなと思ってたのよ。」
そして、何度か軽くため息をつく母に、
「大丈夫だから!今私こんなに元気なんだし、前の会社の先輩達も手術しても元気に働いてるんだから!!」
と、またもや大丈夫アピール。
その後、麻酔科の先生から話があるので、夫と母には待っていてもらいました。
診察室ではない、相談室のような綺麗な部屋に案内され、麻酔科の先生登場。女医さん 素敵
全身麻酔についての説明、手術中どのような状態になっているか、術後の副作用などについて話がありました。
私が気になっていたのは2つ。
・いつ、どのタイミングで尿管挿入されるのか
・気管確保の管はいつ入れられて、いつ抜かれるのか
管系の抜き差しがやはり気になるので、確認。
しかも、上からも下からも突っ込まれるという不安
ありがたいことに、どちらも麻酔が効いてからとのこと。
ただ、気管確保の管は術後意識が戻ったのを確認してから抜くので、中にはちょっとびっくりする方もいらっしゃいますとのこと。
私、びっくりしないかな。大丈夫かな。
ま、その時はその時か。
で、書類を渡され、終了〜!
待っていた夫と母に声をかけ、会計へ。
2,3万くらいするのかなぁなんて思っていたら、
40,280円。
なんちゅう高さじゃ〜っ!!
クレカ払いができて、本当に助かりました。
時間は15時前くらいだったかなぁ。
みんなお昼を食べていなかったのでお腹ぺこぺこで、
帰りに回る寿司屋に入って、たらふく食べました。
その後、母をまず送ったのですが、父にも大丈夫アピールをしておきたくて、ちょこっと顔を見せに。
母が病院から電話をしていたので事情はわかっていました。
「お父さん、初期だから切ったら大丈夫だからね!」
「そうかー。大丈夫なんやな。」
親に自分の病気を告げることが、
こんなに苦しいことだとは想像もしていませんでした。
心配かけてごめんね。。。
何度も心の中で謝りました。
私は折角休みをとっているので、
このまま市役所へ限度額認定証の手続きへ。
この頃、仕事は業務委託という形だったので、社保がなく、私は国保に入っていました。夫の扶養に入る条件からも外れていたので。
長い長い一日でした。
でも、これでやっと両親にも伝えられてよかった。
思ったほど母が動揺してなかったのでよかった。
後になって、母がこんなことを言っていました。
「こんな風に私の頭がぼんやりしている時でよかったかもね。もっとはっきりしていた頃だったら、もっともっと苦しんでいたと思うわ。」
私も思いました。
以前の母なら、きっと嘆き悲しみ、涙していたと思います。
ありがたいことに、最近すこーし頭がぼんやりしているのか、話をちゃんと聞いていない時があったりして
認知症まではいかないけれど、75歳なので少しずつその辺りも反応が緩やかになってきているのでしょう。
このタイミングでよかった。。
神様は思わぬところに救いの手を差し出してくれたような気がしました。
さぁて、あとは離れて暮らしている娘!
3日後に、友達の結婚式出席のために帰省します。
強い子だから大丈夫だとは思うけれど、私が入院や手術だなんて初めてだから、どういう反応をするかなぁ。
でも、それ以前に、娘と2ヶ月半ぶりに会えることが嬉しくて、
夫と毎日
「楽しみだねー」
と話していました
〈⑧娘へ伝える〉
※23.9.29 YouTubeのリンクが外れていたので貼り直しました。