女性と自閉症スペクトラム | アメリカ発 発達障害のお子様を持つご家族へ伝えたいこと

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こんにちは!

 

今日は自閉症スペクトラムを持つ女性についての本を出版した Dr.Karen McKibbinのインタビューから学んだことをシェアします。

 

 

自閉症スペクトラムは男性に圧倒的に多いとされていますが、実は診断を受けられないまま苦しんでいる女性もたくさんいます。

 

どうして男性の自閉症スペクトラムの方が女性よりも診断を受けやすいのかにはさまざまな理由があります。

 

まずは社会的な側面。

 

もしも幼稚園で男の子が外遊びの時間に毎日1人で静かに石を並べていたとします。すると周囲の大人たちは、どうしてこの子は他の男の子と一緒に走り回って遊ばないんだろう と注意を向けます。

 

でも幼稚園で女の子が毎日1人で静かに石を並べていたとしても、あの子はシャイでおとなしい子なんだ、と周囲の大人たちは判断しがちです。

 

そして女性の特性。

 

女性は遺伝的に社会に適応しようとする特性があるので、学校や病院などでは必死にがまんしてみんなと合わせておとなしくしているケースが非常に多いそうです。そして、人一倍頑張って勉強にもついていこうとするので、学習障害も明るみに出ないことが多いです。外でがまんを重ねたストレスから家に帰って爆発したり、家でだけ自閉症スペクトラムの特性を出していたとしても、学校の先生や医師や周囲の大人は子供のそういった面を見る機会がないために 親が大袈裟なだけだと真剣に受け止めない傾向があります。

 

そのようにして自閉症スペクトラムの診断を受けないままずっと苦しんでいた女性が大人になってから自閉症スペクトラムの診断を受けると 今までの苦しみの理由が理解できて とても安心するんだそうです。 でも、それを家族や友人に告げても 世間一般に知られている自閉症スペクトラムの症状と同じものがが見られないために(またはうまく隠すすべを本人が身につけているために)そんなことはないんじゃないの?、と軽くあしらわれて信じてもらえないことも多く、診断を受けてからも生きづらさを覚えることが多いそうです。

 

Dr. McKibbinは多くの自閉症スペクトラムの女性の話を聞いてきていますが、ほとんどの女性は 自分の自閉症スペクトラムの特性をうまく隠して 定型発達の仮面をかぶって生きる選択をしているそうです。そうやって生きていくのはとてもストレスになりますが、ストレスが爆発するところは誰にも見せないんだそうです。

 

Dr. McKibbinはそれを知った時に これを世の中に伝えなければいけないと強く感じて、上の本を執筆したんだそうです。

 

女性は自閉症スペクトラムの特性を隠すことが上手なことから 医師に診断をつけてもらえず、苦しみながら生きていかざるを得なくなり、うつ病や不安障害、自傷行為、お酒や薬などの中毒などの二次障害が出ることが多いそうです。

 

また、小さな頃から自分を抑えて仮面をかぶって生きていると、自閉症スペクトラムの特性を活かしたすばらしい個々の能力を発揮することもできません。 それは社会にとっても大変なロスです。

 

もしもお子さんが自閉症スペクトラムなのではないかと感じているのに医師が診断をつけてくれなくても諦めないで、何度でもトライして欲しい。また、医師やセラピストは自閉症スペクトラムの専門家かもしれませんが、親御さんはお子さんの専門家だということを忘れないでください、というメッセージをもっと伝えなければいけないと感じているそうです。

 

参考になれば嬉しいです。

 

読んでいただいてありがとうございます。


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