こんにちは!
今日はなかなか興味深いレクチャーを聞いたのでそれをシェアしたいと思います。
この本の著者のレクチャーです。
タイトルは 視覚と自閉症スペクトラム
自閉症スペクトラム特有だと認識されている行動の中には視覚機能の問題によって起こされるものも少なくなく、視覚機能の問題を治すことでそういった行動がなくなるケースがあるということが見落とされがちなんだそうです。
<視力と視覚の違い>
視力というのは、目から入った光の情報をとらえる能力です。
視覚というのは、その視力を使って入ってきた光の情報を脳で解釈して適切に理解し、処理する能力です。
赤ちゃんは近くの物しか見えません。なので、物をつかむと口に持っていって確かめたり、顔の近くに持ってきて見つめたりします。そして6−7歳くらいまでに、大人と同じレベルの視力が発達していきます。
これは、6−7歳になるまでに、赤ちゃんの近視から 少しずつ遠くまで見ることができるように視力が発達していくということです。 この時期にゲームやコンピューターを見続けて、近くのものばかり見ていると、この発達が阻まれてしまい、子供は早い時期から近視になってしまうのです。
視力と視覚の違いを説明するのに、下の写真を見てみてください。
これはなんの写真でしょうか?
初めて見る人にはこれが何なのか全くわかりませんよね?
脳がこの写真をどうやって解釈したらいいかの鍵(取っ掛かり)を知らないので解釈ができません。
一度でもこの写真が何かわかるようになると、全く問題なくこの写真が何なのか一生を通じてわかるようになります。
おもしろいですね。
視力という点では問題なく細部まで全く同じものが見えているはずなのに、視覚の鍵が見つからないと、これが何なのかわかりません。
この現象は自閉症スペクトラムの人にとって世界がどう見えているのかということに似ています。
自閉症スペクトラムの人はほとんどの場合視力には問題はありません。でも、その視力を使って取り入れた情報を適切に処理する過程でつまづいてしまうことが多いのです。
視覚というのは五感をフルに使うことで発達します。
なので、子供が視覚を発達させるにはたくさんたくさん動くことがとても大切です。 一日中座ってコンピューターゲームをしていると、視覚を発達させることはできません。
子供が3次元の世界を理解してスキルを身につけるためには、コンピューターやスマホやテレビなどの二次元の世界ではなく、3次元の世界を経験することが必要です。それによって見たものを視覚でとらえて解釈する能力が発達するからです。
さて、お待たせしました。
先程の写真の解釈の鍵です。
じゃん!
こちらを向いている牛さんでしたねー。
不思議なことにこれを1回見て 鍵が脳にインプットされると 今度は元の写真をいくら見ても牛にしか見えません。
あんなになんなのか分からなかったのにです。
自閉症スペクトラム特有の行動だとされているものでも、実は視覚機能やスキルの未発達によるものであることがあります。
例えば
ー目が合わない
ー物の向こうを見ていたり、物をスルーして向こう側を透かして見ている
ー人と一緒に遊べない
ー過度な高所恐怖症、または高いところに対しての恐怖感の欠如
ー動いているものを目で追えない
ー斜視
ー弱視
ー光に対する過敏
ー横目を使って見る
ー視覚的な繰り返し行動(手を目の前でばたつかせるなど)
続きます。
読んでいただいてありがとうございます。