伊那市議会 / 平成27年 12月定例会 一般質問 | 若さんのつれづれ日記 ~前伊那市議会議員 若林敏明 オフィシャルブログ~

○議長(伊藤泰雄君) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
若林敏明議員の質問に入ります。
13番、若林敏明議員。
(13番 若林敏明君登壇)


◆13番(若林敏明君) それでは、事前に通告した4点につきまして、市長並びに教育委員会の見解を伺いたいと思います。
田畑を荒らす獣対策の強化について、老朽化した保育所の改築について、戦後70年これからどう伝えているか、いくか、菊の湯代替送迎バスの継続について、以上4点であります。
まず1点、田畑を荒らす獣対策の強化について、市長に伺いたいと思います。
捕獲こそ最大の対策と言われているのが、シカの被害であります。被害総額でいくと3,000万を超えておりまして、特に深刻なのはシカの習性にあります。シカは1カ所にある食べ物を全て食べつくした上で、次のエリアに移るという習性がありまして、農家にとって特に高齢者が大事に大事に育てた作物を完璧に食べつくして移動しています。農家にとってはもう栽培する意欲を失ってしまうという深刻な状況があります。
さて、シカは24年度が2,700、25年度が2,500、そして26年度は2,100とピーク超えた感があります。捕獲効果と大雪による淘汰だと指摘されておりますけれど、まだまだ被害が多いわけです。捕獲には狩猟免許が必要で、誰でも獲れるというわけではありません。しかし、高齢者でも女性でもわなであれば、里にいても十分仕掛けられます。免許取得更新には市の手厚い補助もあります。加えて、捕獲奨励金が上がりました。シカでいけば5,000円が7,500円、大変頼もしい限りであります。
一番問題になるのは、かかった獣の殺処分、いわゆるとめ刺しが危険であること、その後の後始末が重労働であるということであります。そこで、捕獲従事者をふやすために新たに仮称捕獲サポーターなる制度を設けてはどうかということを提案したいと思います。捕獲時の支援に当たるということであります。現在、その役割を地元の猟友会の皆さんが担ってくださっているわけです。猟友会の皆さん今、220名うち市の職員が12名、鳥獣被害対策実施隊というかたちでの指定も受けておりまして、まさに地域の頼もしい猟友会であります。が、しかし、現実には多くの方は勤務、勤めておりまして、早朝から殺処分をお願いするというのは大変気が引けます。毎回、毎回お願いすることにはやはり仕事にも差し支えあると思っています。
そこで、早朝から日中にかけて駆けつけられる有資格者のボランティアを登録し、特に市の職員の有資格者の皆さんに期待するところなんですが、市民のために勤務中であっても業務として駆けつけられる、いわば消防団のようなものの獣版なんですけれど、制度を提案いたしますがいかがでしょうか。


○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) 伊那市では平成25年4月1日に、鳥獣被害防止特措法に基づいて猟友会を中心とした伊那市鳥獣被害対策実施隊というのを設置をしております。伊那市の非常勤職員として、鳥獣の個体調整また駆除、捕獲、被害防止対策に取り組んでいただいております。また保険料や狩猟免許の取得更新、また狩猟登録についても市からの補助を出しているということであります。
先ほど話が出ました奨励金5,000円から7,500円にアップしたという点につきましても、実はこれ伊那市が農林水産省に対して、鳥獣被害に対して対策に鋭意に取り組んで成果を出している行政に対しては、きちんとしたその支援の充実をすべきではないかということを言い続けてきた結果、2,500円のアップということで決めていただいたということもあります。
猟友会員を中心とした被害対策実施隊でありますが、現在伊那市の職員は12名、うち3名は銃の免許を取得をして、狩猟免許を取得しながら取り組んでおります。それぞれの仕事を持つ職員が、突発的な地元からの要望に応じて、要請に応じて地域に出るということは、実は大変困難な面があります。伊那市ではみずからの地域はみずから守るという意識と、それから猟友会員の皆様方の尽力によって、全国でも注目される屈指のニホンジカの捕獲実績を築いてまいりました。また、猟友会員も毎年10名から20名ふえております。全国的に猟友会員の高齢化、それから消滅に向かって行くような現象の中で、伊那市は逆にふえているということで、これは伊那市猟友会、長谷猟友会、高遠も同じようにふえているという状況でありまして、こうした市の支援だとか、あるいは獣害対策に取り組む猟友会の皆様方の地域へのボランティア精神といいますか、そうしたことがこういった成果を生んでいるのではないかというふうに考えております。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) 市長、それで提案した内容については、どんな見解でしょうか。


○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) 先ほど言いましたけれど、職員が突発的なもので出るのは難しいと。
また、サポーターといいますか、サポーターという提案でありますが、これについては現状の体制でも十分できるのではないかという認識をしております。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) 長谷支所なんかではですね、実際には手助けしてくれと、助っ人に来てくれというような状況の中では出ていたというようなお話も聞きましたけれど、いかがですか。


○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) たまたま手があいていた場合には出られるかと思いますが、常にそうした体制を整えるということは、業務上難しいという判断であります。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) では猟友会が各地区にある猟友会に連絡すれば十分対応できるという判断でしょうか。


○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) 伊那市は全国で最もこうした獣害対策の先進地であります。よそに比べても個体数の調整、ずば抜けて多いわけでありまして、こうした成果が上がっているというのは、行政とそれから猟友会の皆さんとの連携、あるいは関係する信州大学とか、また県だとかそうしたところの連携がうまくいっているからこそ、こうした成果が出ているというふうに見ています。
また新たな制度を設けてということは、現状では考えていないということであります。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) 現在、猟友会を中心とした鳥獣被害対策実施隊があるということで、それを生かすということだと思いますけれど、ということであれば、その連絡先は例えば市でいけば、何か困った状況が生じたらどこへ連絡すべきと考えますでしょうか。


○議長(伊藤泰雄君) 富山農林部長。


◎農林部長(富山裕一君) 現状では、各地区の猟友会員、猟友会長さん中心にとめ刺し等対応していただいていると思います。今、市長述べましたように、基本としましては、今まで伊那市が築いてきた各地区での対応、これを継続していきたいと考えております。
で、その中で近くに銃器の方がいないとか、そういう相談を本庁また総合支所の事務局に相談いただければ、猟友会と相談してまた対応を詰めていきたいと思います。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) では確認したいと思います。各地区このような、先ほど述べたようなお年寄りで捕獲した場合でも、地元の猟友会にお願いをすれば、昼間でも対応できるということでよろしいでしょうかね。


○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) 100%そういう対応ができるかというと、それは難しいわけでありまして、ただシステムとしては猟友会のほうに連絡していただければ、対応できるということは整っております。
それから、わなにかかったニホンジカであれば、これすぐに殺さなければいけないという極めて喫緊なその状態ではないわけでありまして、そこで例えば30分おくれるという場合もあっても、それは仕方ないというふうに考えます。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) まあ30分、できるだけ早く殺すというのがルールなわけですけれど、確かにおくれる現実はね、そういうことだってあると思うんですけど、まあその後がだんだん、時間がたてばたつほど、悲惨な状況が生まれるわけで、わなが壊れるわ、網が壊れるわ、あるいは動物自体、シカ自体の価値も下がると、もうシカ肉としてはどんどんどんどん使えなくなるというような状況もあるわけですので、一刻も早く殺処分をするのが、シカにとっても人間にとっても大事なことだろうというふうに思います。
いずれにせよ、各地区の鳥獣害被害対策の実施隊という現状を生かしてという答弁ですので、そこに大いに期待したいと思っておりますが、いずれにせよ、やはり捕獲者の数をいかにふやすかということがとても大事な要素であろうと思っておりまして、やりきれないあるいは発見がおくれて、早朝の発見がおくれると結局は、誰かが日中、そういう殺処分ないしその後埋めなきゃいけないということもあるわけですね、あるいはどこかへ運ばなきゃいけないという作業は非常に大変なわけですね。そこのところのフォローをぜひとも100%期待には応えられないとおっしゃいましたけれど、そういうことが少しでもクリアできれば、多少高齢者でもわなが仕掛けられるのではないかというふうに、私は考えます。引き続きそこのところを検討していただきたいというふうに思います。
二つ目の質問は、防護さくの設置が進む中で、山系全体を連結していくことが効果が高まることが期待されています。今回、報告の中では、田原から南福地にかけてがその例だということであります。この質問は、一昨年にもしておりますけど、長野県としてもそういう一体化したさくの設置ということを奨励していると聞いておりますので、来年度はより積極的にこの連結型といいましょうか、山系型といいましょうか、について取り組んでいただけたらというふうに思うわけですが、いかがでしょうか。


○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) 伊那市は市単の事業を進める中で、それを補完しながら保護さくの設置に積極的に取り組んできた、そんな歴史があります。
で、防護さくの設置の効果は大きいわけでありますけれど、防護さくが設置をされていない箇所、沢とか道路とかそうしたところから侵入をして農作物に被害を及ぼすということもありますので、まあ集落間の連結と未実施の集落に対しての設置を促すように努めているところであります。
ただ、6年、7年、こうしたことを取り組みをする中で、例えば手良地区、あるいは富県地区の桜井から東春近地区の田原までの間などで、集落ごとに連結をした防護さくが有効に機能しておりまして、野生鳥獣による被害が激減をしたという話を地域からもいただいております。
また、防護さくの設置状況を把握しながら、引き続き防護さくの集落を超えた連結の推進、それから未実施集落への設置を促すなど、野生鳥獣に対する効果的な対策については、より一層努めていくという考えでございます。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) 集落を超えた設置、それから未設置のところへの奨励という点で、具体的にどういうかたちで今おっしゃったことを推進するおつもりでしょうか、具体的な取り組みについて。


○議長(伊藤泰雄君) 富山農林部長。


◎農林部長(富山裕一君) 今、市長の答弁にもありましたが、大きな成果をあげているところとして桜井から田原、また西山をだんだん延伸している横山地区など地元全体、または地元同士が協力して取り組んでいる地区があります。伊那市農業振興センターの鳥獣害被害対策が大きな課題でありますので、振興センターまた各地区の区の話し合い等の場もございますので、そんな場を利用して集落間、また違う地区同士の連結等引き続き努めてまいります。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) ぜひ積極的に事例を示しながら、成果を上げる方法について推進をしていただきたいと思います。
三つ目、三つ目は厄介なのは捕獲の難しいサルの活動範囲が広まっているということであります。大型おりの設置を試みているといいますが、その成果と今後の対策について伺いたいと思います。


○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) サルについては、当初伊那市も大変苦労したわけでありますが、長年の研究成果によって多くのサルの捕獲をすることができております。平成25年度には、横山区に大型の捕獲おりを設置をしました。昨年度は71頭を捕獲をしております。この地域、本当にサルを見かけなくなったという話を聞いておりますし、今年度は高遠町においても大型の捕獲おりを設置をして、11月現在で12頭の捕獲、また長谷地域においても、これは移動式の小型の捕獲おりですが、これを19基設置をして、今年度26頭を捕獲をしているということで、平成24年から今年度にかけては、トータルで565頭を捕まえているという状況であります。
この捕獲おりにつきましては、それぞれの地域の要望に応えるかたちで対応をしていると、横山区、先ほども申し上げましたけれど、横山から小沢、平沢にかけてサルの集団を見かけなくなったというふうに聞いております。
今後も、国の事業などを活用しながら、地元それから猟友会の皆さんの動きがなければできないことでありますので、猟友会の皆様とも十分連携をして、協議をして、適切に捕獲おりを設置をしてまいりたいという考えであります。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) 深刻にならないまでに少しでも早目早目にですね、サルは非常に学習効果があるということで、逆に学習してしまえば人間社会は恐ろしいところだという自覚をするということが、サルにとっては大事なんだそうですので、早目早目に対応をしていただけたらと思います。
それでは大きな2番目、老朽化した保育所の改築について、市長に見解を伺います。
先ほど示されました伊那市の保育園整備計画後期計画(案)と、担当課の聞き取りによれば、耐震診断の必要な昭和56年以前に建設された保育園5園、いずれも耐震診断は行っておらず、そして耐震診断を行っていないがために補強について具体的な計画がないとのことでありました。来春、新園舎となる東春近中央、統合廃園となる高遠第4は別として、残りの伊那西部、新山、高遠第2・第3については、早急にまず耐震調査をすべきではないかと思うわけです。
近い将来発生が予想されている大規模な地震があるわけですので、耐震はそういう意味では非常に重要な行政の責務だというふうに考えるわけです。保護者からも心配の声が寄せられておりますので、ぜひ検討していただきたいと思いますけれど、耐震診断について御見解を伺います。


○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) 国の法律に基づいてこうしたものは進めるわけでありますが、定められた規模については保育園の場合2階以上、または500平米以上の建物が対象となります。で、伊那西部保育園、今休園中でありますが317平米、新山保育園445平米、高遠第2・第3は466平米、いずれも対象となる基準以下の建物でありますので、現状耐震診断というのは実施をしておりません。
どの施設も建設年度から判断をして、非耐震構造の建物であるということは承知はしておりますが、現状こうした保育園に対して耐震診断を予定はしていないという状況であります。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) 規模が違うからということでは、と、2階建てではないからということでは、確かに国の耐震診断のですね基準から外れるとは思うんですけど、実際子供たちが一日のうちの半分、半日近くですね、そこで暮らすわけですので、行政としては当然、その安全の確保をするということは責務としてあるというふうに私は思うわけですが、2番目の質問に大きくかかわりますのでそちらにいきたいと思います。
整備計画の前期計画になかった新たな課題として、後期計画の中で上げられているものの一つが、新山保育園再開にともなう施設整備があります。
新山保育園は昭和38年に児童館として建設され築53年、市内保育所の中でも極端に古く、園児はもとより現場の保育士あるいは保護者会は大変難儀しております。後期計画でも改修の必要性は認めつつも、園児の確保が続くか不透明な状況と記されております。実際、再開にこぎつけても園児数には厳しいものがあるわけですが、おかげさまで行政、住民ほかの多くの皆さんの協力で再開年度は18人、これまあ途中で、20人いたんですが途中で退園された方があるので18人、今年度は26人、そして来年度は31人と回復してきております。休園から廃園までの見きわめ期間は5年と定められておりますが、施設の改修においてもいつまでも入園児が不透明とするのではなく、しかるべき時期を見きわめ期間として示して、判断すべきと考えますがいかがでしょうか。


○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) 休園、休廃園につきましては現状で定めている基準に沿って対応していくということには変わりはないわけであります。で、また園児数の推移、それから社会情勢等を見る中で、基準を満たす園児数が将来にわたって確保できる見込みとなった場合は、施設の大規模な改修あるいは改築について議論をしていく必要が出てくることも考えられます。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) こちらの指摘しているのは、保育園の休園・廃園についても見きわめ期間が定められているのであって、今回のように確保が続くか不透明というのがいつまで不透明が続くのかということなんですね。子供は当然、ゼロ歳児から始まるわけで、0、1、2と3年先しか見えないわけです。でもどこかで見きわめる必要があるのではないでしょうか。既に3年目を迎えようとしています。しかるべき時期を見きわめの期間として定めなければ、半永久に改築はできない。僻地はそういうことでも我慢するということになるのではないでしょうか。
再開するときに、地区民は大変喜びました。そして行政が約束どおり再開してくださったことに感謝しております。で、何をしたかというと、大変老朽化した建物のガラスが割れてしまうと困るということで、園舎の全てのガラス窓に防災のためのシールを全員で、地区民挙げて何日もかかって貼りました。そういうかたちで地区民で支えていこうという努力をしているわけです。
しかし実際に園舎にも市長も何回も足を運んでいらっしゃると思いますけれど、行ってみればわかりますように、床は本当に1枚板でありまして、笑い話ですけれど、外気と中の温度が同じだねと、ワッハッハというような話があるわけですが、笑えない状況もあるわけです。
ぜひともしかるべき見きわめ期間、つまり不透明、いつまでも不透明のままではまずいんじゃないかと思うわけですので、そのことについて改めて見きわめ期間を定めていただきたいと思うわけですが、いかがでしょうか。


○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) 先ほど社会情勢等を見る中でという表現をいたしました。今、ここで具体的にじゃあ見きわめ期間を設ける、設けないということは回答できませんけれども、先ほど触れたように施設の大規模な改修あるいは改築については、議論をしていく必要が出てくる、そんなことも頭の中に入れておきたいと思います。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) では今後の議論の中と言いましょうか、それは保育所計画の後期計画の中でという意味でしょうか。どこで議論をなさるんでしょうか。


○議長(伊藤泰雄君) 城取保健福祉部長。


◎保健福祉部長(城取誠君) 具体的に保育園整備計画の後期計画の中にうたうかどうかというところは、まだはっきり決まったものではありませんけれども、市長申し上げましたように今後社会情勢等、あるいはまた地元の皆様ともお話をする中で検討していく材料になるのかなというところであります。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) ぜひ、後期計画の中にそのようなかたちで、4項目のうちの1項目に挙げられておる以上、一定の期間の中で見きわめていただいて、次のステップに進んでいただきたいと思います。
今、部長のほうから地元との話し合いの中でというような発言がありました。ぜひとも実情を見ていただいたり、地元の皆さんとの懇談をする中で後期計画の中に具体的に見きわめ期間を定めていただきたいというふうに思います。ぜひ検討をお願いいたします。
3番目の大きな質問ですが、戦後70年これからどう伝えるかを教育委員会にお聞きします。
戦後70年のことし、高遠歴史博物館、創造館、市立図書館などでは、「戦争と平和」という激動の昭和を扱ったすばらしい企画がありました。地域の戦死者の遺影でびょうぶをつくった旧河南村の皆さんの取り組みには感動しました。恒久平和を希求し、平和都市宣言をしている伊那市としては、二度と戦争にならないために戦争の教訓と平和のとうとさを次世代に語り継がなくてはなりません。こうした企画は70年の節目というだけでなく、今後も必要ではあり、そのためには戦争と平和に関する資料や遺品の収集と管理が急務です。今後、戦争と平和に関する資料、遺品をどうやって集め、どこに保管するのか伺いたいと思います。


○議長(伊藤泰雄君) 北原教育長。


◎教育長(北原秀樹君) 資料の収集保管についてでございますけれど、これまでも戦争関連に限らず、市民の皆さんがお持ちの貴重な資料の寄贈、寄託については市報や創造館だより等で協力を呼びかけてまいりました。そして、歴史博物館、創造館において、それぞれで寄贈の話がある場合は、資料活用判断の上、随時受け入れてまいりました。
今後とも呼びかけについては続けてまいりたいというふうに思いますし、寄贈、寄託いただいたものにつきましては、創造館では収蔵庫等の士史編さん資料室に保管を、また高遠歴史博物館では収蔵庫に可能な限り受け入れをして、これまで同様適切に管理をしながら、企画展、特別展等で活用してまいりたいというふうに思います。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) その戦争と平和ということでいけば、つまり昭和ということだと思うんですけれど、歴史博物館と創造館と両方でということになると、似たようなものが両方に収蔵される可能性があるのではないかと思うんですけど、そこら辺はどんなふうにすみ分けされるのかお聞きしたいと思います。


○議長(伊藤泰雄君) 北原教育長。


◎教育長(北原秀樹君) これ連携をとってまいりたいというふうに思いますけれど、収蔵につきましては創造館のほうが余裕がございます。こちらのほうへ主ということになるかと思います。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) では、基本的に創造館を主にということでよろしいんでしょうか。


○議長(伊藤泰雄君) 北原教育長。


◎教育長(北原秀樹君) はい、そのように考えております。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) それでは、二つ目の質問で、大量に資料があったとしても、分類したり調査したり企画する、つまり人が、学芸員、人がやっぱり存在しないことには難しいというふうに思います。生かせるためにはですね、人が必要だろうと、そういう意味で人材の配置について伺いたいと思いますが。


○議長(伊藤泰雄君) 北原教育長。


◎教育長(北原秀樹君) 現在、創造館、歴史博物館、高遠長谷教育振興課に配置されている学芸員が寄贈、寄託資料の分類調査を行っておりますけれども、資料が膨大でございまして分類整理が追いつかないという状況はございます。
来年度につきましては、歴史博物館に新たに正規の学芸員を配置をし、調査研究の充実を図る予定でございます。
また、市民大学大学院の終了生等の自主的文化活動として、歴史資料の分類整理も行ってもらうということも今後考えてまいりたいと思います。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) 市民大学の卒業生の皆さんが積極的にかかわることに私も大賛成で、やはり昭和を体験されている皆さんがみずからが学芸員といいましょうか、サポーターになっていくというのは理想的なかたちかなと思っております。学芸員がふえるということは、とても大事なことで、もう時間がないというのは失礼かもしれませんけれど、実際に戦後70年ということしを振り返ってみましても、今やらなければちょっとやっぱり昭和は残せないだろうというふうに思います。どんなに資料があってもやっぱりそれを語る人がいないと、証言をとっていかないと生きないというふうに思うわけです。
そこで3番目の質問なんですが、場所の確保、企画の展示には先立つものが必要です。激動の昭和を生き抜いた市民、特に戦争体験者が非常に高齢化をしていることを考えますと、ここ数年に集中的に収集、記録、まあアーカイブスですね、が必要だと思います。そのためにやはり一定のアーカイブスをつくるための予算の配慮が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。


○議長(伊藤泰雄君) 北原教育長。


◎教育長(北原秀樹君) 現在、高遠の歴史博物館では高遠、長谷地区を中心に地域に残る写真をデジタル化するアーカイブ作業に、事業に取り組んでいるところでございますが、来年度以降、さらに対象を伊那市全体に広げて地域に残る希少な資料についてアーカイブ化を進めてまいりたいと、そのように考えております。
なお、歴史博物館に隣接する地域交流施設内に研究のできるルーム、また研究所を設けて市民に開放をするとともに、先ほど述べました市民大学、大学院修了生等の自主的文化活動の拠点としてもここを活用していただいて、資料の分類整理、調査またアーカイブ化につなげたい、このように考えております。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) 大変ありがたいことかというふうに思います。
最後に、地元のケーブルテレビなど極めてすぐれた取り組みをしているので、ぜひ報道各社との戦争と平和の記憶に関する連携を図るべきではないかと思いますけれど、それについて御意見を伺います。


○議長(伊藤泰雄君) 北原教育長。


◎教育長(北原秀樹君) 現在も伊那の図書館におきましては、伊那ケーブルテレビが過去に放映した戦争証言をDVD化したもの、の一部でございますけれど、閲覧ができるようにしてございます。今後ともケーブルテレビ等々の連携によりまして、そういったコンテンツをふやしていき、また検索、閲覧ができると、こういった環境を整えてまいりたいというふうに思います。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) ぜひとも、かなり膨大な量になりますけれど、もったいないものがたくさんあると思います。やっぱりそういう報道関係者にとっても、自分たちの撮ったものを、撮りためたものをどう生かすかということは、大きな課題だろうと思います。ケーブルテレビが今月末にもまた特集があるわけですけれど、全国的にも受賞しておりますし、地域の宝として記録を保管していただきたいと思いますので、連携を深めていただきたいと思います。
最後になりましたけれど、4つ目の大きな問題で、菊の湯の代替送迎バスの継続について、市長に伺います。
2年前の12月に菊の湯が閉店となった際には、市はいわばお風呂難民となった利用者に無料の送迎バスを用意し、みはらしの湯の利用を可能にしてくださったことは、利用者から心からの感謝と継続を求める声が上がっております。丸2年がたちました。バス利用者は平均一日33人と全く減らず、定着した感があります。今回、12月8日に4回目となる行政と利用者の意見交換会、懇談会が開催されるに当たりまして、運営する送迎を担当する伊那市観光株式会社より、利用者負担の見直しの提案がありました。社長である市長に改めて、その経過を説明を願いたいと思います。


○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) 菊の湯の廃業を受けてでありますが、これは伊那市観光株式会社ではその廃業を受けて、菊の湯の利用者の入浴の機会というものを確保するために、要望を受けながら平成26年1月2日から、無料の送迎バスの運行をみはらしの湯まで行っております。
こうしたバスの運行は当初1年という約束であったわけでありますが、その後も人数を確保する、また利用者の拡大に努めるというようなことの中で、だんだんにふえて、固定化しているとは言いながらも33名の方が御利用いただいているということであります。
で、このバスでありますけれど、ドライバーの人件費は当然かかります。それから35人乗りの中型のバス、車検それから修理等、修繕等に要する維持管理費、ほかにも燃料費というものが発生するわけでありまして、現在のバスの利用者の数によっての収入では、こうした経費を賄うことは難しいということであります。
さまざまな事情がおありではありますけれども、私どもとしても伊那市観光株式会社で利用者増に向けたPRを当然やってはいきたいとは思いますが、現在、バスを利用して温泉をお使いになっている方、ぜひ友人、知人等をお誘いいただくとか、利用者増に努めていくことに御協力をいただきたいということであります。
現在の利用者数では、伊那市観光株式会社としては利用者数とそれから料金ですね、1回当たり平均すると入浴ポイントカード、あるいはいろいろな入浴の回数券等を総合して見ると400円弱という利用料でありますので、数とそれから料金、こうしたところの見直しをしていかなければ現状では赤字がだんだんふくらんでいってしまうという状況でありますので、もう1年、もう1年は運行をしてみようという、これは伊那市観光の社長の立場なんですが、してみようということで指示をしておりますが、この間に利用者の増というもの、またそれがかなわなければ利用料金の見直しといったところを検討をして、その後、1年後にそうした今後のことについて、また検討をしてみたいというふうに考えております。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) 関連しているので、2つ目の質問をしたいわけですけど、本来長野県が定めた銭湯の入浴料は400円です。今回問題になっているのは、たまにですね、いわゆるみはらしの湯、温泉に入りに行くということではなくて、日常的に入浴という、公衆衛生上必要なこととしてあった菊の湯がなくなったことに対する代替処置だというふうに思うわけです。それが400円弱だったところが、600円になるという提案が今回なされているわけです。この40%値上げというのは、この消費税値上げを前にして非常に大きいわけで、週3回行くとして年額9万円の負担になります。
8日の利用者との懇談会の中でも、年金暮らしのお年寄りなんかではですね、こうなると私はもうお風呂に行くのは週に1回にしなければならないというような、本当に悲しいという発言も出ました。ここはやはり、株式会社伊那市観光としては当然のことながら利益の追求ということも、会社ですからあるわけですけれど、市としてもできるだけの支援をしていく、福祉としてですね、負担の軽減を図るべきではないかというふうに思うわけです。
先ほど来、これは市長としての答弁と、社長としての答弁と二つあったと思うのですけれど、社長としてはもう1年運行ということを考えていると、そのためにも利用者をもっとふやしてほしいと、協力してほしいという申し入れがあったんで、そのことについては8日の論議の中でも出ました。そこは大いに協力すると言っておりますので、ぜひとも料金を据え置きながら、利用者をふやすことで収入をふやしていただいて、両方ですね、利用者にとってもまた株式会社にとっても望ましい方向に動いていただきたいというふうに思うわけです。
ちなみに、菊の湯時代についてはですね、菊の湯は公衆浴場経営安定化助成金というかたちで県から15万、市から15万合わせて30万の支援を受けてたわけです。つまり、菊の湯の果たしていた役割は、公的な役割だったというふうに思うわけです。そういうことも、市としてもあり得るのではないかと思うわけです。
さて、もう一つの課題として上げられたのが、マイクロバスのことであります。35人乗りの中型バスから、今使われているのが35人乗りの中型バスなんですが、28人乗りのマイクロバスに変えるということであります。35人乗りのバスが老朽化してしまったからという理由なんだそうですけど、1回に28人を超えたらどうなるのでしょうか。実際に超えているケースもあると聞いております。バスが、中型バスが老朽化しているということは事実でありまして、改修ということだって選択の余地としてあるのではないかと思いますし、そもそも専用でこの送迎だけに使っているのではなくて、羽広荘の送迎などにも時々使われているという実態もあるということであればですね、むしろ発想を変えて積極的に羽広荘の中型バスとして新調してもいいんではないかと、それを共用して提供していくということもあり得るのではないかと思うわけです。
なぜかといいますとやはり今、羽広荘のような宿泊と宴会を中心としたお風呂は、大概が送迎が中心になっています。かなり遠く、例えばここら辺でいけば木曽からも、あるいは蓼科高原からも昼神からも送迎で来ます。そのときに、28人のマイクロではかなり小さい。もっと大人数のバスでないとということも十分考えられると思うんです。この際、むしろ積極的に羽広荘に中型バスを導入し、それを共有するという、みはらしの湯のこの送迎にも共用するということを考えられないでしょうか。


○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) 羽広荘、羽広荘といいますかみはらしの湯でありますけれど、そもそも物価統制令によって入浴料金が統制をされているいわゆる銭湯ではありませんので、それは切り分けをしなければいけないというふうに思います。
それから、議員何とかこの菊の湯のかわりにみはらしの湯を利用する、そのことのために一生懸命話をするというのわかりますけれど、それがためにマイクロバスを35人確保しろという、そうした組み立てにはならないと思いますので、あくまで羽広荘は羽広荘として、伊那市観光株式会社の経営のもとにやっているわけでありまして、銭湯に入り、銭湯というかお風呂に入りに来る皆さんのためにということではないということを申し上げたいと思います。
先ほども言いましたように、1年は継続をします。その間に改善策、改善案をきちんとこうお互いに出し合いながら、そして今後も継続できるかどうか、ただし永続的な無料バスの運行ということは考えられないわけでありますので、当面の間という中で解決策を見出していくべきではなかろうかというふうに思います。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) マイクロバスの場合のことを提案したのは、何も送迎だけのことではないつもりで書いてあります。総合的に、つまり伊那市観光株式会社として経営する中においても、中型バスは必要ではないですかという質問だったわけです。
送迎に関しては、先ほどマイクロバスについてはですね、きのうの意見交換会でも出ました。やはり意見、マイクロバスで不自由する、場合によっては時間帯を変えなきゃならないということも調整しなきゃいけないということもあると思いますけど、それについてはみんな納得してくださっているようです。納得というか、工夫しましょうという結論になったようです。で、そういう改善案をお互いに出し合って、この状況を乗り切っていきたいということで市長は申しておりますので、私もそれなりに、そういう方向でですね、取り組んでいきたいというふうに思います。
以上で私の質問は終わります。


○議長(伊藤泰雄君) 以上をもちまして、若林敏明議員の質問が終了しました。