本日10/7(土)、休刊いたします
観たことある方・ない方、
この世界をひたすら味わいましょう。
小津安二郎監督の遺作。
昭和37年度芸術祭参加作品。
監督:小津安二郎 | |
脚本: 野田高梧 小津安二郎 |
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製作:山内静夫 音楽:斎藤高順 撮影:厚田雄春 出演者: 岩下志麻 笠智衆 佐田啓二 岡田茉莉子 中村伸郎 東野英治郎 北竜二 |
~あらすじ~
大手企業の重役として働いている平山周平(笠智衆)は
年頃の長女の路子(岩下志麻)、次男の和夫(三上真一郎)の三人暮らし。
旧制中学以来の友人である河合(中村伸郎)が
長女の縁談話を持ってきても
「まだそんなこと考えてないんだ」と聞き流している。
しかし、
クラス会に呼んだ元恩師の佐久間(東野英治郎)が
婚期を逃した娘(杉村春子)と二人でわびしく暮らしているのを知り、
娘の結婚について真剣に考え始める。
路子自身にも「お嫁に行かないか」と声をかけるのだが、
路子は不機嫌そうにするばかりで取り合おうとしない。
やがて、
路子が密かに思っている人がいることを周平は知る。
相手は長男の幸一(佐田啓二)の会社の同僚である三浦(吉田輝雄)。
周平に頼まれた幸一は三浦の気持ちを探ろうとするが、
三浦には既に恋人が。
話を聞いてがっかりした表情を見せた路子だったが、
河合の話を受け入れて見合いをし、結婚。
婚礼を終えた夜、
ひどく酔って帰宅した周平は
台所の椅子にひとり寂しく座るのだった。
概要:
妻に先立たれた初老の父親、婚期を迎えた娘との関わりが
娘を嫁がせた父親の「老い」「孤独」というテーマと共に描かれている。
笠智衆演じる父親と中村伸郎、北竜二演じる友人たちとの応酬が喜劇味を加える。
主演の笠は孤独な父親を見事に演じ、
娘役の岩下志麻も快活な演技を披露。
小津作品とは違った味わいを醸し出しているそうよ。
『彼岸花』『秋日和』に続いて高橋とよが「若松の女将」役で出演。
ちなみに作中で岩下が失恋するシーン、
小津が100回以上撮り直すほどこだわったらしいわ。
作品を発表した翌年1963年、
小津監督は60歳誕生日に亡くなり、
この作品が遺作となる。
1962年度のキネマ旬報ベストテンに第8位にランクイン。
他、毎日映画コンクールで東野英治郎が男優助演賞、
岸田今日子が女優助演賞、
厚田雄春が撮影賞をそれぞれ受賞。
1999年にキネマ旬報社が発表した「映画人が選ぶオールタイムベスト100・日本映画編」で
第82位にランクイン。
(同じ順位に『砂の女』、『椿三十郎』、『影武者』、『カルメン故郷に帰る』など)。
2013年、
小津の生誕110年・没後50年を記念し、
松竹と東京国立近代美術館フィルムセンターが共同でデジタル修復を行い、
カンヌ国際映画祭クラシック部門で上映。
画像の修復にはかつて小津作品で撮影助手を行ったことがある川又昂が担当。
素敵な映画に逢いましょう・・・♡
チャオ~