母がお世話になっている特養には、優しいスタッフさんもたくさんいます。


ちょっと意地悪な人もいますが、母が元気な頃はあまり気にせず、聞き流すことができました。

でも、低アルブミン血症になってからは、何かにつけて命の期限の話になります。

施設医からも
「あなたのお母さんは、病院からもさじを投げられているんですよ」
「末期症状ですからね」
と度々言われました。

私も看護師の端くれですので、母の状態は分かっているのです。

無理な延命をしてほしいということでもなく、最期まで母の人間としての尊厳を守って頂きたいというだけなのです。

そのことも施設医には伝えています。


ですので、さじを投げられて・・・とか、
末期症状だとか、
そういう言葉ではなく、

最期まで穏やかに過ごせるといいですね

という言葉で十分ではないかと思うのです。

言葉は、選び方一つで相手に希望を与えることもあれば、どん底につき落すこともあります。


病人や高齢者、乳幼児、障害者、そしてその家族を支援対象とする職業に就いている方には、言葉を発する前に、その言葉が相手に与え得る影響をよく考えてほしいです。

母が
「いつ何があってもおかしくない人」
という扱いになってからは、服もヨレヨレのことが多くなり、いつもしてもらっていたマニキュアもしてもらえなくなりました悲しい

そんなにも酷い状態なのであれば、一度くらい外食させてほしいとお願いしたところ、1回だけという条件で許可がおりました。

せっかくなので、母の好きな会席料理を・・・と思い、先日家族皆でちょっと高級なお店に行ってきました。

母にとっては
コロナ後初の外出、外食です。

食事に行ったお店は高級なお店だけあって、事前予約の際に、母の分だけ、可能な範囲で細かくきざんで頂きたいとお願いしたところ、快く対応して頂けました。


どれも食材の味を活かした美味しい料理ばかりでしたし、メインのビーフシチューも美味しかったです。


何より母が嬉しそうに
「美味しいね」
「美味しいね」
と言って食べる姿が嬉しく、また一方で、なぜ未だにこんなにも外出を制限されなければいけないのだろう、残されている時間が限られているのなら、もっと色々なところに連れて行ってあげたいのに、と強く感じました。

特養はまだまだ制限が解除されそうにないので、有料老人ホームへの転居も検討しようと思っています。


このお店は通常3種類のデザート出しているそうなのですが、この日は5種類出してくれる日で、母はどれも
「美味しいねぇ」
と完食して、お店の方も驚いていましたポーン

久々に満面の笑みで、珍しく昔のことも思い出して話し始める母の姿に、美味しい食事は生きる力を高めてくれると改めて感じましたラブ

施設に戻ったとき、職員の方からは、
「また外食のご希望があればご相談させていただきます」
と言っていただきました。

ちなみに、これだけ食欲があるのに低アルブミン血症になっているということは、よほど吸収する力が弱っているのだと思い、ラコール

(栄養成分をバランスよく含む半消化態の経腸栄養剤) の処方を施設医にお願いしました。

アルブミンの値は低いものの、心機能、腎機能、肝機能は悪くないため、改善の余地が十分あるように感じたのです。

施設医はあまり乗り気ではなさそうでしたが、何とか処方していただけることとなり、2週間ほど飲み続けたところ、何と、アルブミンの値が、施設入居者の平均値くらいまで上昇してくれました。

ひとまず改善傾向と言われ、ほっとしたところです泣き笑い

とはいえ、今後も徐々に弱っていくことは確かです。

ですので、少しでも元気なうちに、たくさん外出させてあげたいと改めて思いました。
今はあまりの猛暑で危険なので、暑さが和らぐ頃に、また美味しいお店に連れて行ってあげたいですニコニコ