和歌 短歌 読書

和歌 短歌 読書

万葉集、和歌集、短歌、読書の徒然

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     旅     O.F 



湯の中に手足伸ばせばシュワシュワと疲れ溶け出す至福なるとき



突然に夫を亡くしし友の背にそっと当てたり数珠もつわが手



赤々と茹で上がりたる松葉蟹「甘い甘い」と口々に食む



前歩む夫の姿よわれもまた老いゆく日々をなんとかせねば



超小型戦闘機のごと燕は地面すれすれ滑空なせり



野の露に濡れつつわらび摘むときをうぐいす鳴けりひるがのの朝



紅葉の山を映せる青木湖に小舟浮かべて人の影あり



在りし日の母に贈りしグレーのショール温もりはいまわが胸包む



鳩吹の山の傾(なだ)りにうつむきて咲くかたくりのいじらしき紅



御簾越しのしだれ桜の散り初めて青蓮院の時とどめおり