九条左大臣女の背を追って~『源氏物語』「宇治十帖」本説取りチャレンジ~【後編】 | わたる風よりにほふマルボロ

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及ばぬ高き姿を追へ。

新古今見ざる歌詠みは

遺恨のことなり。

 

ごきげんよう、梶間和歌です。


 

京極派歌人、九条左大臣女に倣い、

『源氏物語』「宇治十帖」を

本説取り(物語取り)しながら

「宇治十帖」の読破をめざす新企画。

 

数年越しになるとは思いますが、

末永くお付き合いいただけましたら

幸いです。

 

 

 

noteでなくアメブロでお読みの方は

昨日の記事からどうぞ。

 

 

 

京極派歌人、九条左大臣むすめの叙景歌と『源氏物語』

九条左大臣女は、
「心のまゝに詞のにほひゆくこと」を

新たな和歌の詠み方として提唱する

為兼に賛同し、

即位後の伏見天皇まわりの

前期京極派の一員として切磋琢磨、


親しんできた『源氏物語』などの

古典作品の自然描写を

もう一度自身の目で捉え直し、

大柄でいきいきとした叙景歌として

描き出す、ということを始めます。

 
 

もとあらの小萩、はしたなく待ちえたる風の景色なり。折れかへり、露もとまるまじう吹き散らすを……

『源氏物語』「野分」

しをれふす枝吹きかへす秋かぜにとまらず落つる萩のうへの露
風雅和歌集秋上480(470)

 

御格子など参りぬるに、後めたくいみじと花の上をおぼしなげく……

『源氏物語』「野分」

風にさぞ散るらむ花の面影の見ぬ色をしき春の夜の闇
玉葉和歌集春下256

 

五月雨の空、珍らしう晴れたる雲間に渡り給ふ。……過ぎがてにやすらひ給ふ。折しも郭公ほととぎす鳴きてわたる。……二十日の月さし出づる程に、……郭公、ありつる垣根のにや、同じ声に打ち鳴く。

『源氏物語』「花散里」

ほととぎす声さやかにて過ぐる跡にをりしも晴るる村雲の月
玉葉和歌集夏331

 
 

これらが

模索期の仲間たちを導く形になり、

のちに京極派は

叙景歌で成功したと言われるほどに

自然を描くことに

特異性を発揮するのですが、


他のメンバーの迷走するなか

いち早く自身の歌風を確立した

九条左大臣女が

その詠歌の基礎としていたのが、

『源氏物語』をはじめとする

古物語でした。

 

 
 

九条左大臣女に憧れて

京極派を愛し『源氏物語』を愛する私、

梶間和歌には、残念ながら

彼女のような確固たる和歌の基礎も、

血肉にしたとまでいえる

『源氏物語』体験もありません。

しかし、

ねだっても降って湧いてきたりは

しない幼少期の古典教育を

うらやみ拗ねるより、


いまいる場所からせめてできることを、

できるかぎりするのが、

選択の自由のある程度保障された

現代人である私に発揮しうる

誠実さです。

 
 

『源氏物語』は

『湖月抄』で持っておりますが、

こちらの「宇治十帖」を

過去2回読み通そうとし、挫折しました。


一度は「浮舟」まで、

次は「椎本」か「総角」までだった

と思います。

 

今回は「橋姫」から読んでゆくかたわら、

九条左大臣女にはとても及びませんが、

その本文の言葉を拾ったり

場面設定を活かしたりして

和歌を詠んでゆくことにします。

 

その和歌をこちらに記録してゆくことが、

「宇治十帖」を読み通す

モチベーションにもなるかと思います。


同時に読者のあなたにも、

私の本説ほんぜつ取り(物語取り)

初期と比べてどのようにこなれてゆくか、

変化、成長を楽しんでいただけましたら

うれしく思います。

 

 
 

「夢浮橋」までの10巻分、

全10記事に分けて記録してゆきますが、
巻の長さや内容により、

その記事で何首詠むことになるかは

変動する見込みです。


また、現代語訳でなく

『湖月抄』の本文で読んでゆくため、

いつ読み(詠み)終えられるか

の見通しも立っておりません。
数年は覚悟しておりますが、

休み休みやって参ります。

そのあたりを

柔軟に受け止めてくださいます方に、

ともに楽しんでいただけましたら、

大変幸いです。

 

 

この記事の【前編】

 

 

梶間和歌の宇治十帖本説取りチャレンジ

梶間和歌の宇治十帖本説取りチャレンジ
「橋姫」
椎本しひがもと
総角あげまき
早蕨さわらび
寄生やどりぎ
東屋あづまや
「浮舟」
蜻蛉かげろふ
手習てならひ
夢浮橋ゆめのうきはし

 

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長旅ですが、最後までお楽しみください。
応援よろしくお願いいたします。

 

 
 

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本当にありがとうございます。

 

大きな出費のある

アパートの更新手続きを終え、

今後の生活面で

金銭的な不安もありますが、

おかげさまで現状

無事生活できております。

 

 

見守ってくださるすべての方に

感謝しつつ、

 

貴重なお金を使ってご寄付、

誕生日祝いや引っ越し祝いなど

下さいました方々、

お仕事やご寄付を

定期的に下さいます方に

特に厚く御礼申し上げます。

 

 

今後とも

それぞれの及ばぬ高き姿を

それぞれの役割とペースで

追ってゆきましょうね。

 

私は和歌において、

あなたはあなたの領分で。

 

 

梶間和歌にいっそう和歌仕事に

集中させるべく、引き続き

応援よろしくお願いいたします。

 

 

 

それでは、またね。

 

 

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