藤原俊成 思ひあまり | わたる風よりにほふマルボロ

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雨の降る日、女に遣はしける

 

思ひあまりそなたの空をながむれば霞を分けて春雨ぞ降る

 

藤原俊成
新古今和歌集恋二、1107

 


 
 
【口語訳】

恋しさに耐えきれず思い余り

あなたの家のあたりの空を

眺めていると、

立ち込める霞を分けるように

ただ春雨が降っている。

(訳:梶間和歌)
 

 

【本歌、参考歌、本説、語釈】

 

思ひかねそなたの空をながむればただ山の端にかかる白雲

藤原忠通 詞花和歌集雑下381

 

思ひあまり:

 恋しさに耐えきれなくなり

 

そなたの空:

 あなたの住むほうの空。

 「そなた」は「そちらのほう」の意。

 

ながむれば:目的もなくぼんやりと

 もの思いにふけって

 眺めていると。

 已然形に接続する「ば」は

 順接の確定条件や

 恒常条件などを表し、

 ここでは「眺めていると、

 眺めていたところ」の意。

 

 

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「恋」と「ながむ」、

「春」と「ながむ」の相性は

大変よいですね。

 

乱用はご法度ですが、

ちょっとそれらしくするだけなら

ちょっとの努力でできますよ。

 

そこで満足していてはどうかと

もちろん思いますが。

 

 

思ひあまりそなたの空をながむれば霞を分けて春雨ぞ降る

 

 

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