宮内卿 我が恋は | わたる風よりにほふマルボロ

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美しい和歌に触れていただきたく。

我が恋は人しらぬまのあやめ草あやめぬほどぞねをも忍びし
宮内卿
玉葉和歌集1273 
千五百番歌合に

【口語訳】
私の恋は、
沼のあやめの長い根のように人に知られることもなく…、
誰にも怪しまれないように
これまで忍び泣いてきたのですが。
(訳:梶間和歌)


人しらぬまの:「人知らぬ間の」を意味するが
 「沼」の音も忍ばせている。

ねをも忍びし:「音をも忍びし」の「音」に
 菖蒲の縁語である「根」を掛ける。