まずは、なぜ私が開業する事になったかを書かなければならないと思います。

本当なら、私くらいの歳の整形外科医はまだまだ病院でバリバリ手術をしているはず。
私の人生設計においてもそうでした。

元々、祖父が開業した医院を父が継いでいたので、「いつかは俺も継ぐのかなぁ」くらいにしか考えていませんでした。

30歳前後で素敵な女性と結婚して、
35歳前くらいには専門医を取りつつ、症例の多い病院でバリバリ手術をして、
35歳を過ぎたあたりで父親が少し弱って来るので、実家に戻り父の手伝いをしながら少しずつ「事業継承」をしようかなと考えていました。

そういう計画の元、大学卒業後、地方の病院で初期研修を終え、3年目からは浜松にある病院で整形外科の後期研修を開始しました。

そこは大学病院では無いものの、大学病院をしのぐような規模の病院で、整形外科の年間手術件数は2000件、病院全体でも10000件まであと少しと言うくらい激しい病院でした。
救急もバンバン取るし、正直QOLはメチャクチャ低くて、逃げ出そうかと思うくらいの病院でした。

それでも逃げずにいられたのは、熱心に指導してくださる先生や、お互いに愚痴や馬鹿な事を言って発散しあえる同僚のお陰でした。
さらには自分たちよりも若い医者の存在も励みになっていました。

当初の予定ではその病院で4年くらい研修し、専門医を取る予定でいました。

しかし、研修開始から9カ月程したある日、一本の電話が僕の人生を大きく変えてしまう事になるのです。
今年1月から新規開業(実質的には継承)した、新米整形外科開業医です。

開業奮戦記として、色々書いてみようと思います。

よろしくお願いします。