発酵学者・小泉武夫先生の講演 at 発酵文化推進機構・設立記念講演会
10月22日(月)、「発酵文化推進機構・設立記念講演会」に参加しました。
発酵学者・小泉武夫先生による「発酵はマジックだ」の記念講演がありました。
発酵の歴史から各国の発酵食品の紹介など、盛りだくさんの内容でしたが、発酵食品の特徴というお話について、お伝えします。
発酵食品の特徴は4つ。
●発酵食品の特徴の1つ目は、腐りにくい、ということ。
食べ物を保存する方法として、塩漬けする、乾燥させる、葉に包む、煙でいぶす、灰に突っ込むという方法があったということですが、それらが発酵へつながるわけです。
また、発酵食品は、酸化を防ぎ、テンペというカビによる発酵食品は、納豆よりも酸化しにくい力が強いそうです。
小泉先生、納豆は、賞味期限が過ぎて2週間ぐらいしたときが一番おいしいんだとおっしゃっていました。
冷蔵庫の中にいれっぱなしにしておくと、表面に白い結晶ができてくることがありますが、それは、チロシンというアミノ酸だそうです。
発酵にかかわる菌は、とても強く、2000種類ある納豆菌から100種類を選んでO-157菌と戦わせたところ、総じて納豆菌が勝ったそうです。
去年の冬に、インフルエンザ菌に強い乳酸菌入りというヨーグルトが流行りましたね。
それは、ある保育園の先生が手作りしていたヨーグルトを園児に食べさせたところ、そのクラスの園児だけインフルエンザにかからなかった、というのが研究の源だったそうです。
●発酵食品の特徴の2つ目は、体にいい、ということ。
江戸時代の平均寿命は47歳。墓石の調査をしたところ、7,8,9月の死者が多かったそうです。
そんな江戸時代に、ブドウ糖やアミノ酸、ビタミンが豊富な甘酒は、夏の点滴と言われていたそうです。
納豆や酢や味噌の健康への効用は、いろいろな研究結果が出ているそうです。
●発酵食品の特徴の3つ目は、匂いが特徴的、ということ。
納豆、くさや、臭豆腐など、独特な匂い。
世界で一番臭い発酵食品は、スェーデンの「シュールストレンミング」というニシンの発酵食品の缶づめだそうです。
もちろん、パンや吟醸酒のようないい匂いも。
「田舎の香水」という言葉がありますが、実際、香水の香りは、糞尿が発酵したときに発生する香りと同じ成分のものが多いのだそうですよ。
●発酵食品の特徴の4つ目は、命が入っている、ということ。
納豆1粒に、3000万匹の菌が入っているのだそうです。それが生きたまま体に入ってくるということで、効用があるそうです。
以上でした。
発酵食作りに、塩はとても大事なもの。
殺菌・消毒作用のある塩化ナトリウムだけの塩では、発酵食作りはとても難しいものになりますが、保存のためのナトリウムと、酵素分解を促すマグネシウムが発酵に適した「わじまの海塩」を使うと、失敗知らずです。
発酵食作りには、「わじまの海塩」をお使いくださいね。