マグロを塩で食べる! 元漁師・水産庁の上田勝彦さんの料理教室 | 橋本三奈子のSalt Revolution(わじまの塩に魅せられて)

マグロを塩で食べる! 元漁師・水産庁の上田勝彦さんの料理教室

8月21日(土)「まぐろ2柵でフルコース!」という料理教室に行ってきました。講師は元漁師、水産庁の上田勝彦さん。


7月26日のNHK「アサイチ」 に出演なさって、ゴマサバのフライや、塩まぐろのレシピを教えていた方。7月27日には、朝日新聞の「ひと」欄にも紹介されました。


上田勝彦さんは、こんな風貌です。水産庁のお役人らしからぬ現役漁師さんのようです。


輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-上田勝彦さん


上田勝彦さんはこんな方です。


1964年 鳥取県出雲市生まれ。長崎大学水産学部卒業後に水産庁技官となり、瀬戸内海の漁業調整、調査捕鯨、遠洋マグロ延縄漁場調査などに従事。


2004年から堺港漁業調整事務所にて資源管理計画官、09年より資源課長。現在、水産庁漁政部加工流通課課長補佐。


「ウエカツ」のニックネームで知名度も高く、水産業におけるサカナと人間の関係、それに関わる人間と地域社会の調整および活性化に取り組んでいらっしゃいます。


さて、この上田勝彦さんが、冷凍でスジのある安いマグロの柵を2つ使って、フルコースを作ってしまおうという料理教室です。


輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-冷凍マグロの柵


まず、解凍は、温塩水(おんえんすい)で行います。40℃ぐらいの温度のぬるま湯に塩を入れて、まぐろの身をかじり、同じぐらいの塩加減にしたものに、1分ぐらいつけるだけ。それを、脱水フキンで拭いたら準備OK。


輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-温塩水で洗う


柵をスジの部分と赤みの部分に切り分けます。


小さい身は、塩を振って混ぜて、少し日本酒を振り混ぜて、わさびで食べてみます。ほんと、醤油はいりません。


輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-マグロと塩と酒


マグロと塩は合うね、おいしい、とわかったところで、料理開始。


大きな赤身には、最初に塩を振ります。ちょっと多めぐらいに。


輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-マグロの赤身


しばらく置いて、塩を洗い流します。それで下ごしらえは完了。


スジの方にも塩を振って、こちらは和えてしまって、洗いません。


輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-マグロのスジ


そして、途中を飛ばして。。。出来上がったのがこちら。


赤身を使った前菜3種。日本酒つきの試食です。


輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-マグロ前菜3種


左から締めサバならぬ締めマグロ。これは、塩で下ごしらえしたマグロをキッチンペーパーで包んで、その上に酢をかけるだけです。この方法なら、お酢の節約になるということ。


輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-締めマグロ


乾いたら、また酢をかけて、それで30分ぐらい置いたらできあがり。


前菜真ん中は、洋風カルパッチョ。細く切ったタマネギとあえ、胡椒、レモン汁、オリーブオイルの順にかけたもの。


塩・胡椒・酸・油という順序は、生の魚を何重にも殺菌消毒しながら食べる、生活の知恵ということでした。だから、いっぺんに混ぜるのではなく、順番に混ぜていくのがコツだそうです。


前菜右は中華風。長ネギを薄く切ったものをあえ、豆板醤とゴマ油を混ぜたもの。


赤身の大きな部分を使ったお料理は、マグロのフライ。


輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-マグロのカツ


パサパサさせないコツは、5mmの厚さに切ることだそうです。厚すぎても薄すぎてもパサパサ感が出てしまうので厚みが重要ということ。たしかに、ジューシーに食べられました。


これは、パン粉にお麸をすりおとしたものを2対1の割合で混ぜるのがコツ。


輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-パン粉に麸


小麦粉も卵も使いません。お麸のグルテンを活用するのだそうです。


輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-パン粉にまぶす


パン粉をつけて、フライパンに敷いたオイルで焼くように揚げます。


輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-揚げる


明日になっても、衣がパリパリしたままだそうです。


そして、マグロのスジの部分を使った汁。ダシはマグロだけ。


輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-マグロ汁


じゃがいもを茹でておき、そこに、マグロのスジ、タマネギ、長ネギを入れて、最後に味見をして、塩と、少しの醤油を入れます。いいダシが出ています。


なぜ、こんなに澄んだ汁になるのか。それは、マグロに振った塩の効果。


最初にアクが出て、それを丁寧にすくっていると、澄んでくるので、そこで火を止めるのがコツ。さらに熱していると、今度は、細胞が壊れて、また汁が濁ってしまうのだそうです。


〆はマグロのスジご飯。


輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-マグロご飯


マグロのスジ身を小さく切って、三つ葉、少しの日本酒を振って混ぜたもの。スジは脂ということで、熱いご飯に溶けて、むしろコラーゲン効果でした。


冷凍マグロの柵は安いものでOKということでした。


さすがの私も、マグロと塩というのはちょっと・・・と思っていたのですが、概念変わりました。びっくりしました。


上田勝彦さんいわく、塩は精製塩だとダメですね、「うま味」が出ません、ということでした。たっぷり使いたいから、一般的な粗塩を使っています、ということでした。


(「わじまの海塩」なら、浸透性がいいので、少ない量で洗わずに使ってもいいんじゃないかな、と思いました)


試食のときには、自己紹介。ご参加の皆様や上田さんに、元漁師が魚のために作った塩「わじまの海塩」「わじまの水塩」をご紹介しました。


上田勝彦さんは、「わじまの水塩」を舐めたとたん、「これは面白い」と興味を持ってくださいました。


「アサイチ」に出演された上田さんに興味を持ったフリーライターさんや大手出版社さんも参加なさっていたので、またまた新たな出会いもありました。


会場は、神田の「川野真理子のリーダーズサロン・なみへい」。

地方から食材を持ってきて、料理人も連れてきて、試食会などを開いたりする会場に使ってください、ということでした。


「なみへい」のホームページ:
http://www.namihei5963.com/