今回は地図中の B Wal-Martから先です。







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 さて、バッテリーも用意したし、あとは何はともあれ現地へ向かうのみ。事前に調べたGoogle Mapのコピーを持ってマノア方面へ坂を上がっていきます。だんだん道が細くなって住宅街に入ります。自前ナビでは初めてのところって、アレですね、アレ。そう、迷います。おっかしいなぁ、この辺のはず、と行ったり来たり。めっちゃ怪しい。←地元?のおばあちゃんドライバーも同じ事をしているので、そうでもないのかなぁ? そんなアホなことを考えながら、目標の交差点の表示を見つけるも、やっぱりなんか違う。WEBで見た空撮写真の記憶と山の距離感がちょっと違うので、もう少し山側に上がってみると、なんと!同じ表記の看板が!なんで?と思いながらも入っていくと、地図にある道がそこに!ある。???をいっぱい頭に付けながらも進んでいくと、あったわ、彼の実家。




Hawaii-Osaruの戯れ言帳-Upper Manoa1

 こんな感じの











Hawaii-Osaruの戯れ言帳-Upper Manoa3


 住宅街。











Hawaii-Osaruの戯れ言帳-Upper Manoa2

 結構古い地区のようで、ホノルルとは思えない閑静な住宅街です。











Hawaii-Osaruの戯れ言帳-Upper Manoa4

 大学まで車で5分ほどの距離です。こんなところなら、都会に住むのも悪くないですね。でも、この辺の地価は半端じゃない値段ですよ、マジで。家の程度は同じでも、ヒロの値段の倍くらいはするんではないでしょうかね。







 ぁ閑話休題。さっき、空港から電話してあるので、話が早い。彼のお姉さんが待っててくれました。 根回しばんざい。 話もそこそこに早速、拝見。「ガレージに入れてる」と言っていたので、てっきりガレージドアがあるのかと思っていたら、アッパッパーのガレージ。バイクなんて見あたらないなぁ、と思ったら床下の倉庫でした。ここん家は急坂の途中にあるので、坂の下側から床下に入り込めるようになっていました。 南京錠を開けてもらったら、倉庫というか作業場。ネコ車やら色々ある。でもみんなさびさび。使ってないんでしょうね、きっと。で、彼のGSXR750は隅っこの方に鎮座しておられましたよ、ほこりだらけで。無念にも写真なし。頭ん中は「とにかく急げ!」。まず、外に出さなきゃ狭すぎるんで、出すことに。ネコ車をだして、バーロックを外してバイクも出そうと思ったら、リアディスクになんか付いてる。 って、南京錠?そんな鍵もらってないぞぉ?と思いながら、お姉さんに



  「こちらにもう一組の鍵があるって聞いているんですが…」


  「え?そうなの?ちょっと探してくる。」



…まずい。さすがにのこぎりまでは用意してない。これはWal-Martに買い出しか?とか考えていたら、



  「これ?」



ビンゴです。よかった。南京錠を外して、いざ外へ。 予想通りバッテリーは逝かれてますが、左ミラーがないのとスクリーンが割れているのを大目に見れば、汚いだけで悪くないです。 まずは、エンジンオイルの量を確認します。問題なし。次、粘度と色。それなり。次、バッテリー交換。シートを外してササッと交換。次、ガソリン。ほとんど空ですが、錆もない。すばらしい。捨てるガソリンがなくて良かった。一応、簡易ポンプは用意してあるので、時間があったらあとでレンタカーからくすねるか。 ということで、とりあえず燃料コックを「PRI」に。キャブにガソリンが入るのを待っている間に、ヘッドライトのコネクターを外しておきます。 え?なんでそんな面倒なことをって? 最近のバイクはみんな常時点灯ですよね。88年頃の日本仕様はライトスイッチがあったんですが、北米仕様はなし。そのころから常時点灯だったんですよ。それを知っていたんで、バッテリーの消耗を極力抑えるためにコネクターを外したわけです。 さてさて、そろそろいいかな?



スイッチィ、オン!



お、ヒューズ、切れてないねぇ。ちゃんとオンしましたねぇ。では、チョークを引いて、



スターターオン!


きゅきゅきゅきゅきゅきゅ(5秒くらい)。し~ん。



きゅきゅきゅきゅきゅきゅ(また5秒くらい)。し~ん。う~ん、ちょっと待ってから、再度


きゅきゅきゅきゅきゅ、ぼごっぼごっ!し~ん。


 お、来た来た。またちょっと待って、


きゅきゅきゅきゅきゅきゅ、


ぼっぼっぼおおおおおおおおお~!



素直でよろしい!


↑ ほくそ笑み歓喜状態。頬の肉がぴくぴく。




 こ~んなにあっさりエンジンが掛かるとは思っていなかったので、驚きです。実は、ダメな時はスズキのディーラーに引き上げとある程度の修理を依頼しようと情報だけは集めていました。そんときゃ予定大幅変更だったんですが、ナイスです!ブレーキを確認して、散らかした倉庫をかたづけて、必要な書類と工具類を鞄に詰め直して、お姉さんに万が一、ダメだった時はもう一度帰ってきて出直すことと、レンタカーはあとで取りに来ることを告げて、急げ急げ!というところで雨が!さらに急げ!ってことで慌てて出発。エンジンオイルが古いのでできるだけ回さないように走り出して、しばらくしたら雨は本降りになってピタッと止んだです。信号が赤に変わったのでゆ~っくり減速。げんそ…(すかぁ~)…く?リアブレーキが…まったく利きません!慌ててフロントブレーキ!(ちゅぃ~ん)…うぅ~、恥ずかしい。さっき確認した時はリザーブタンクには 茶色い 液体が満々と入っているように見えたんですが…。これではフリーウェイなんてとてもじゃない。…そんなころから、エンジンが吹けなくなってきました。「おぉ、そうだ、ガソリンガソリン!」と思った時は University Ave. をだいたいハワイ大学の横っちょくらい。大学の周りならガソリンスタンドくらいはちょこちょこあったよな、と不安になりながら辺りを見回すも、ぬぁい!ないないないない! ガソリンスタンドが一軒もないです。げ~ろ~と思った時にはすでに空っぽに。冷や汗ですよ~、このクソ暑いのに。大学の入口に大きな Dole St. の交差点があるのですが、そこで完全停止。








や~っちまったなぁ! 


男は黙ってバイク押せ!


o・・・rz 









…ってつまんねーこと考えながら、何はともあれ、交差点を渡ってH1フリーウェイをくぐるか、そしたらあるだろ、と楽観的に押して歩き出しました。 …恥ずかしいもんですね、ナナハン押して歩くのって。初めて味わったような気がする、この気持ち。壊れたCB750Fを一晩かけて押す巨摩郡の気持ちとはだいぶ方向が違うなぁ、と考えながら高架橋の下をくぐって次の交差点、 South King St. へ。 大きな交差点だねぇ、…でも、…あれ?ない?ここにもない? …うぅ、まさか、ねぇ。どの方向を見回してもそれらしい看板など目に入ってこない…。どちらかに曲がるかぁ、と考えながらも結局直進、次の交差点へ。Date St. 交差点。ご想像通り、ないです。なんで?うなだれながら次善策を考えていたら、信号待ちのジョギングあんちゃん登場。やた!地元民っぽい!ってことで声をかけてみた。



  「地元の人?」


  「あぁ、そうだよ」


  「あのぉ、この辺で一番近いガソリンスタンドってどこでしょう」


  「…ガス欠か?…うぅ~ん、ないなぁ。」



なんてこった、地元民でさえこの返事か!



  「あぁ、そうだ、この道(来た道)を South King まで行って


  右に曲がったところにセブンイレブンがあるわ、


  あそこにあったよ!」



げ、戻るのか…と考えながらも、



  「やたー、ありがとう!」



ということで、交差点を反対側へ渡って今度は反対車線を押すおすオス!途中まで行ったところで South King の交差点が工事中だって事を思い出した。こんなもん押して車道を行けるか!ってことで、途中から一本裏道へ。ダメ元ですが、行ってみるとちょうど正面にセブンイレブンの看板が見える!はやる気持ちを抑えながら、はぁはぁ言って押していると、ちょうどアパートに帰宅したらしいおっちゃんが、



  「お!ガス欠か!」



ほっとけ!と脳内で発音しながら口頭では



  「そうなんですよ、あそこのセブンイレブンのガソリンスタンドに行こうと思って。」


  「あ、あそこか?あそこは工事中で


    タンクをほじくり返してるぜ




  「ぬわぁに!!!」 



…なんと無慈悲なお言葉。クラクラしてきた。



  「他はなぁ、 South King をずーっと行ったところに一軒あるけどな。


  1マイルはゆうにあるな。」



だめ押しの走者一掃2ベースヒット。 



  「乗せてってやろうか?ガス缶買ってガソリン持ってくりゃいいだろうよ。」



と御慈悲の言葉をいただくも、なんだか乗り気になれなくって、



  「ありがとう、でもいいや、もうちょっと行ってまた聞いてみる。」


  「そうかぁ?どうせ暇だし、いいのに。」



 おっちゃんにお礼を言って先へ進んでみました。セブンイレブンは見事に「お店は開いてるよ!」ってなことが垂れ幕に書いてあった。もうね、写真を撮るとか言う発想にならなかったですね、へとへとで。ここで10:00。とりあえず、11時までに間に合わない状況になってきたので、その教えてもらったところまで押すか、巨摩郡気取りで。っと歩き出したところで、さっき裏道に入って避けた道路工事が目の前に。全身に汗、目には涙状態で交差点の角にある駐車場を横切った。で、交差点を渡らなきゃなぁ、と思った瞬間、(←ほんとに)駐車場を掃除していた東南アジア系っぽいちっちゃいおっちゃんが声をかけてきた。




  「ガス欠かぁ!よかったら分けてあげようか?」 


まじですか!この日2回目の神降臨。逆転満塁ホームラン。


  「こっちにおいで、分けたげるから。」


エンジン式送風機?用のガソリンをでっかいジャリ缶から分けてくれました!もうね、何を言ったか覚えてません。とにかくお礼を言いまくって、おっちゃんに$20を渡そうとしたら「いいよ、お互い様だろ?」って、それじゃぁ私の気持ちが収まらないから!仕事のあとにビールでも飲んで下さい!って言って胸のポケットにお札を押し込んで、無理矢理受け取ってもらった。 逆に恐縮されてしまった。こんなところで親切にしてもらえるなんて、なんとありがたいことか。懐深いぞ!ホノルル!





    ホノルル万歳!


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      人の多いところは嫌いじゃないのか?あぁ?






長くなったので続きはまた今度。