ふと思い出したことがあった。
保育園に通っていた頃、家には父の仕事仲間がよく遊びに来ていた。
いろんな人が来ていたけれど、比較的リーダーシップのある父と食事をするために来ていたと記憶している。
その中でも、特に頻繁に来る人がいた。
いつもそのおじさんに怒られていた。
おじさんと言っても、幼少期の自分からすると、若いお兄さんであってもおじさんに見えていたという意味だ。
その人からはものすごく嫌われていた。
会話の内容を今でも鮮明に覚えているが、笑い方が気に入らないという理由で自分のことを嫌っていたようだ。
普通に考えれば、父親や母親はかばってくれて守ってくれる存在だと思う。
だってまだ小学校前なのだから。それなのに、母はそのおじさんのように一緒になって自分を悪く言っていた。
今の言葉で言うと「ディスる」というのだろうか。
「◯◯さんは、あんたの笑い方が好きじゃないから、あんたの事嫌いみたいだよ」と、母が普通に言っていたことを今でも覚えている。
多分だけど、今あの頃の母の気持ちを考えると、自分のことを産みたくなかったのではないかと思う。
そう思うと、自分も生まれて来なければよかったと思う。
もちろん父も、そんな言い方を注意したりしなかったのだから、母と同じく、俺なんか産まれてこなければよかったと思っていたに違いない。