2day 声
いつも通り
今日も電話がかかってきた
電話から聞こえる声
今日はさらにドキドキする
言いたい。
また会いたいって。
言いたい。
「最近どう?」
どうもこうも。
あなたのことばっかりだよ。
今日も姉にそんな話をしたよ。
言いたいけどこんなこと言えるわけがなかった。
「んーーーーどうかなー。相変わらずかなーー。」
「呑んでつぶれてんの??」
「ちがうよーー!あれからお酒は控えてますよ。」
なんていうやりとり。
いつもとさほど変わらない。
「んーーじゃあ、飲みにでも行くか。」
・・・・。
え?
また会えるの?
「へ?へ?」
「だからーーこないだはお前つぶれてたじゃん。だからつぶれない程度に呑もうぜってこと。」
平静を装った。
「おおーーー。いいよー。もちろんおごりでしょ?」
「んー、まあ僕ももう三十路近いですからね。そりゃ年下には奢りますよ」
「ん。よろしい。じゃあ行く。」
じゃあ、じゃない。絶対に断るわけない。
断れるわけないじゃんか。
心が躍った。
2day 満面
姉に話して少しだけすっきりした
モヤモヤしている気持ちを誰かに伝えたかったし
姉の反応がなんだか嬉しかった
こんなことを肯定してくれる人はあまりいない
「で。あんたはさ、どうするのよ??」
「へ?」
「どうなの?どうしたいの?」
どうしたいんだろう・・・・・。
「何黙ってんだよ。会いたいか!会いたくないか?!どっちなんだっつの?!」
興奮した姉の声はでかい。
私はなだめた。
「ちょ、声でかいから・・・・。後で。ね。」
姉はもう止まらない。
「いや!今!!答えろ!」
「えぇ??」
「会いたいんだろ?!ねえ!言えよ!!」
なんでこんなに口が悪いのか・・・・・。
顔まで怒ってるぞ
もう答えないと叫びだしかねない
私は絞り出した。
「・・・・ええ。まぁ・・・・」
会いたい。会いたくないわけがない。
もう一度、会いたい。
触れられなくても、触れてくれなくても
会いたい。
電話越しではなく本当の声が聞きたい。
姉は満面の笑顔を見せていた。
まぶしくて魅力的な笑顔だった。
「ふーーーん。いいじゃん!」
ニコニコしながら言った。
「会いなよ!彼女がいたってなんだってあんたが想うのは自由だ!」
ジーンとしてしまった。
いささか問題がある発言とはわかっていても
背中を押してくれる姉の言葉が、笑顔が私には嬉しくてしょうがなかった。
会いたい
その瞬間から確かに意識し始めた
会いたい。もう一度。
2day 真逆
姉とはひとつ違い。
小さい頃はおそろいの洋服を着ていた。
ずっと一緒に育ってきた。
しかし性格は真逆といっていいほど考え方が違う。
姉はあっけらかんとして
やりたいことはやりたくない。
やりたいことはやる。
といったように素直に、自由に生きてきた。
そして、美人。
背は私より低いが男の子が好きそうな背丈をしている。
そして、非常にモテる。モテモテなのだ。
「女の子は苦手。」
と、異性の友達のほうが多い。
そしてかなりお軽い。
姉だからあまりこんなことは言いたくはないがお軽いのだ。
セックスが好きと公言し、何人の人との経験があるのかは全くもって不明なのだ。
というか、怖くて知りたくない。
とにかく自由に生きてきた。
テスト勉強もやらない。
受験もしない。
就職活動すらしなくて、短大を出た後はニートをしている時期もあった。
私はそんな姉が憎らしい時もあったがずっとうらやましかった。
嫉妬していた。
私はと言えば
小さい頃から周りの目ばかり気にしていた。
周りから認められたいがためにテスト勉強などは1週間前くらいから始めていた。
そして、モテない。
そして、軽くない。
非常にオクテなのである。
手をつなぐことにだって勇気がいる。
3ヶ月くらいはかかる。
本当に真逆に育った。
しかしすごく、仲良く育った。
つらい時は一緒に泣き、楽しい時は笑い合った。
姉は私のことを溺愛していたし、私も姉のことを溺愛していた。
仲良し姉妹だ。
なんでも相談してきたわけなので、姉は私のオクテさを知っている。
なので今回の件に関しては本当に驚き、興奮していた。
「でさ!次はあんたいつ会うのよ!マコトに!!」
もうすでに友達のようにマコトと呼んでいた。
