東レ・パンパシフィック・オープンの準決勝
マリア・シャラポワ(ロシア) VS マルチナ・ヒンギス(スイス)
一方は現在の女子テニス界を象徴する存在。世界ランクは現在4位(2006/2/4)だが人気はおそらくNo.1。日本でもその名は広く知られている。今最も注目を浴びている女性アスリートの一人。
一方は、かつて「天才」の名を欲しいままにしたテニス界のスーパースター。世界の頂点に君臨するも、パワーテニスの台等、そして度重なる怪我。公の大会から姿を消していた元女王。
新旧女王対決とも言われた注目の一戦が日本の地で行われました。
正直、シャラポワ選手が勝つと思っていました。
ヒンギス選手には豊かな経験と確かな技術はあるが、それ以上に、長いブランクもまたある。
そして、シャラポワ選手のパワー、若さ、勢いがそれを上回ると思っていました。
しかし
試合展開は序盤はお互いサービスゲームをキープし続ける展開だったものの、第1セット終盤から試合の流れはマルチナ・ヒンギス選手が握り、それを最後まで離すことなく試合を運ぶ。
終わってみれば、6-3、6-1でのストレート勝ち。スコアだけを見れば圧勝とも言える完璧なゲーム運び。
女王復活
そんな印象を叩きつけられた試合でした。
全盛期の頃もそうでしたが、ヒンギス選手の読みがとにかく鋭い。
ヒンギス選手をよく見ているとわかるのですが、自分でボールを打ってから、相手がその球を返すであろう地点に予測を立てて、1,2歩動くわけなんですが、とにかくその動き・読みが正確。
大袈裟な表現かもしれませんが、まるでシャラポワ選手がヒンギス選手がいる方向にわざわざ打っているような・・・そんな印象すら受けさせるハイレベルな組み立て、そしてそれを実行できる確かなテクニック。
ラインギリギリを狙って振り回しつつ、ロブ、前に出てのボレーを織り交ぜた3次元の攻撃で終始シャラポワ選手のリズムを崩し、彼女の長所(=ストロークの力強さ)を消していたように思えます。
シャラポワ選手も、強力なフォアハンドで押してきたのですが、そのほとんどをヒンギス選手はしっかりと腰を落として、的確に返し続けていました。シャラポワ選手の第1サーブの確立があまり良くないことも響きました。
ヒンギス強し!!!
おそらくテレビを見ていた誰もがそう感じたと思います。
男子・女子ともにスイスの選手が頂点に立つ日も近いかもしれません。(男子の1位はしばらくはロジャー・フェデラー選手だと思うんで、ヒンギス選手が1位になるだけです。)