真夜中に高校時代の親友Tからメールがあった。
そいつは、大手電機メーカーに勤務する中間管理職で、仕事の都合により、台北に転勤し、独り身の寂しさのあまりカラオケ通いをしている寂しい中年男だ。
メールの内容を見ると、どうもカラオケ小姐と付き合ってるらしく、しかも19歳なのだとか・・・
しかも、相当親しい仲らしく、男と女の関係に発展してることも容易に行間からも読み取れる。
これは危険なにおいがするってことで、僕はわざわざ台北までTの様子を見に行ってきたのだ。
まず彼が住んでるマンション・・・社宅だそうだが、新光三越デパートの上層階に位置し、エレベータを降りるとそこがデパート!ってくらい絶好のロケーション、さらに3LDKの広さ。
何とトイレとお風呂が2つあるではないか・・・
ベッドもダブルベッドという微妙さ。 まあマンションのことはさておき、彼のマンションに荷物を置き、夜の台北の街に繰り出した。
19歳の彼女と3人で食事をする約束をしていたので、店の前で待ち合わせた。
しかもその店ってのが「和民」!
なんで台北まで来て日系の居酒屋へ行かなきゃならんのじゃ~と心の中で叫んだが、今回の訪台目的はTの私生活のチェックおよび、我が長野県に外国人妻が嫁いでも良いかどうか、県知事になりかわり確認をすることだ・・・
タクシーで和民の前まで乗り付けると、彼女らしき女性が店の前で待っていた。
しかし・・・何か様子が変なのだ。本当に台湾人なのだろうか・・・
てか、僕がそんな事考える暇も与えずTとその彼女は店の前にも関わらずチューとかおっ始める始末。
抱擁の時間が過ぎ、ようやく店内に入り、Tが彼女を紹介してくれた。
名前はキキちゃん。19歳、何とインドネシア人で台湾国籍なのだそうだ。
しかもTとキキちゃんとは既にマンションで一夜を過ごす仲となってるらしく、彼女もTとの結婚を熱望しているらしく、いずれは日本で生活をしたいのだと語る。
恋愛は自由だし、愛に国籍はもちろん関係はない。
しかし、僕の脳裏にはTの田舎の父ちゃん、母ちゃんの人の良さそうな笑顔が思い浮かぶ。
目の前で人目もはばからずチューしている二人を見て僕は心の中でこう叫んだ。
お前の実家はゴボウ農家だろうが~! 結婚して彼女にゴボウ農家をさせたら、ゴボウじゃなくて、間違えてタロイモ作っちまうだろうが~!
僕はいったい何しに来たのでしょう・・・

