夫の帰宅時間が次第に遅くなり、夕食を家で食べないことが度々あった。
その内、女性からの電話がかかってくるようになり、さすがの私も
夫に誰からの電話か、問いただすがいつも不機嫌そうに仕事の連絡だと
無碍にされた。
ある日夫の背広をクリーニングに出そうと思ってポケットを探ると、
小さなメモ書きが出てきた。
「○○で待っています」
「少しだけでも会いたいので、遅くなっても△△に来てね。待っています」
その紙にはアリナミンや、製薬会社の名前が印刷されていた。
夫の帰宅時間が次第に遅くなり、夕食を家で食べないことが度々あった。
その内、女性からの電話がかかってくるようになり、さすがの私も
夫に誰からの電話か、問いただすがいつも不機嫌そうに仕事の連絡だと
無碍にされた。
ある日夫の背広をクリーニングに出そうと思ってポケットを探ると、
小さなメモ書きが出てきた。
「○○で待っています」
「少しだけでも会いたいので、遅くなっても△△に来てね。待っています」
その紙にはアリナミンや、製薬会社の名前が印刷されていた。
それから数日後、夫から新しい看護婦長が入社したと報告があった。
私はなんだかとても心穏やかでない不安に襲われた。
そんな不安も日常の生活に追われて、いつしか忘れていた。
と、同時に夫の帰宅が少しづつ遅くなっていたのに、子育てに追われて気づかない私だった。
30年以上も前のことなので、夫とその看護婦長との関係に気づいたのは何がきっかけだったか、
今は定かではない。
その看護婦長は小柄ながら色は白く、肌もきめ細かく美しい人だった。
でも、私には女狐のように映っていた。
その内、夫との日常会話にもその看護婦長の話が出てくるようになり、
仕事も良く出来ると、褒め言葉が多くなってきた。
私は夫から以前より前任の看護婦長はどうしようもないと聞かされていたので、
正直、夫の仕事が順調に進むことを嬉しく思っていた。
私の結婚生活は38年と5カ月で終止符をうちました。
当時関西に暮らしていた私は、夫の仕事の関係で幼い子供二人を連れて、
札幌にと住まいを移しました。
当時、札幌と言ってもバスも1時間に1本しかないような、郊外の辺鄙なところで、
親戚もなく友達もいない寂しさ、夜空を見上げては故郷が恋しくて
泣いていました。
夫は関西にいたころもそうでしたが、向学心というのでしょうか、読書が大好きで、
それも家でではなく、喫茶店で本を読むのが唯一の楽しみで、仕事帰りに2,3時間の時間を
費やしてくるのが常でした。
それでも、私は夫を頼り、夫を信じて懸命に子育てをし家庭を守っていました。
夫の仕事は、ある施設の事務長で、我が家はその施設の少し奥にあり、
買い物に行くのはその施設の前を通らなければなりません。
ある日、いつものように下の子を背負い、上の子の手を引きバス停に向かう途中のことです。
一人の女性とすれ違いました。
私は霊感があるわけではありませんが、その時無性に悪寒が走りました。
この人は私を不幸にすると……