現在では機械で製法した場合には麺の太さ


手延べ製法(手作り)だと”どちらを名乗っていも良い”となっている。





機械で製法した場合


そうめん 1.3mm未満


ひやむぎ 1.3~1.7未満





【本来は製法が違う】



そうめん:麺にして伸ばしていく。油を使って伸ばし麺を寝かす。




ひやむぎ:伸ばした麺を切る(うどんの様に)






【なぜ手延べ(手作り)だと自由に名乗って良いのか?】



例えば、江戸時代から続く徳島の「半田そうめん」は1.7mmあり現在の規定では「ひやむぎ」になってしまう。昔から「そうめん」として売り出しているのに変更すると混乱すため、手延べ(手作り)の場合は「そうめん」か「ひやむぎ」を選べるようになっている。





規格があとからできたので昔から「そうめん」だったり「ひやむぎ」って売っているのはそのままでいい・・・ってことだと思います。





ネットで検索すると「そうめん」と「ひやむぎ」の違いは麺の太さで決まっている・・・と言い切っている記事を見るのですが、正確には機械で製麺した場合に太さで、手延べだとどちらか選べる・・です。



【「生めん類の表示に関する公正競争規約」では】



「”うどん”とは、ひらめん、ひやむぎ、そうめんその他名称のいかんを問わず小麦粉に水を加えて練り上げた後、製麺したもの。または製麺した後加工したものをいう」


とあるため、「そうめん」も「ひやむぎ」も広義ではうどんに分類される。






うどんを細く切ったものを「切り麦」といい熱して食べるのを「切り麦」、冷やして食べるのを「冷麦」といった。「ひやむぎ」は細打ちしたうどん。





冬に”うどん”は温かさを保つために太くなっていき、”ひやむぎ”はより冷たく食べるため次第に細くなっていった・・という説もある。




【手延べそうめんを作るのは「寒期」がいいわけは?】



気温が低く、塩分の少ない製麺が可能であり、塩分の少ないそうめんは「コシ」が強く、質が良い。また、冬は晴天が多く適している。






【そうめんには「厄(やく)」がある】



生産されたそうめんは、自体に含有される水分のため高温多湿の梅雨を越すことで、一種の高温発酵をする。これを「厄」といい、「厄」を越したそうめんは茹ででも「コシ」が強くのびにくい。




そうめんには「古物(ひねもの)」「大古物(おおひねもの)」があり、




「古物(ひねもの)」 2回目の梅雨を越す(製麺から2年)そうめん




「大古物(おおひねもの)」3回目の梅雨を越すそうめん




となっているが、古ければ古いほど良いわけではなく2~3年が良品




【極細のそうめんと極太そうめん】



日本一細いそうめんは0.3mm”白髪”と呼ばれる、奈良県桜井市 三輪





日本一太いそうめんは1.3mm~1.7mmで「半田素麺」 徳島県つるぎ町 半田






【”そうめん流し”と”流しそうめん”】



そうめん流し

テーブルの上で回転式のもの 円卓のそうめん流しは鹿児島指宿市 発祥



流しそうめん

宮崎県の高千穂町 発祥 昭和30年頃






【手延べそうめんの値段は神様が決める?!】



奈良県の大神神社の卜定祭(ぼくじょうさい)という祭りで神様にお伺いをたてて決まられる。



もともとは五穀の価格を決める伝統行事だったが、現在はその年のそうめんの値段を決めるお祭りになっている。






【1kgの小麦からできるそうめん】



ざっとの計算だか、約1.6kmの長さのそうめんができるそうだ。






【そうめんの保管】



湿気の少ない所で保管する。中に乾燥剤を入れるとそうめん本来の水分までとってしまい、手延べのよさを損なってしまう。



臭いを吸う性質があり、石鹸などの香りの強いものと一緒にしない。






【そうめん製造元で春雨を作る】



そうめんを製造するところは春雨を作っているところが多い。




なぜか?




第2次世界大戦敗戦後の食料事情の悪化に対して政府は経済統制を引いた。

その統制品目の中に小麦があり、自由に手に入らず販売もできない苦しい状況が続く中、でん粉が主成分の「春雨」の製造に着手した。でん粉は統制品目に入ってなく仕入れて販売することができた。




そうめんの名産地である奈良ではそうめん製造業者が「全国はるさめ工業共同組合」に6社も加盟している。苦しい時代を生き抜いてきた名残。




【色つきのそうめん】



もともとは「ひやむぎ」に色つきの麺を入れ、「そうめん」との区別としていたが徐々に廃れていき、年々縮小していくなか、一部のそうめん製造業者が色つき麺を取り入れ今でも残っている。






【そうめんのゆで方】



茹で汁に塩を入れない、麺に含まれた塩分を出すため。



茹でた後、独特のぬめりが出るのですばやくザルに上げて流水でさます。




酢を入れると良い



鍋では梅干1個でも。グルテンがあるので酢を入れるとコシがでる。(うどん、ひやむぎなど小麦の麺なら同じ)



びっくり水は入れない。水を入れて湯の温度を下げると旨味が逃げる。火加減で調整する。



そうめん、ひやむぎは冷やしすぎない。小麦の甘みや香りが失われて水の臭みが入る。





・・・とここから「ひやむぎ」について




なぜかネットで調べても存在感の薄い「ひやむぎ」・・・





昭和40年代8万トンを維持していたものの、昭和50年代より急激に減少、昭和60年代に一時的に増加するが・・平成10年には昭和40年代の1/4の2万トンほどになって1993年には日本そばに追い抜かれ、年々減少傾向にある。





確かに、冷やして食べるなら「そうめん」で温かくなら「うどん」の方が人気か・・「ひやむぎ」の絶妙な太さが中途半端なのか??



もともと「うどん」を細く切って冷やして食べていたのが「ひやむぎ」だが、冷たい麺のポジションを「そうめん」に奪われたのだろう。





そうなると「ひやむぎ」頑張れ!と応援したくなります。「そうめん」「うどん」と同じく日本を代表する麺「ひやむぎ」!ぜひ!清き一票を!(笑)




以上、「そうめん」と「ひやむぎ」でした。