五月の夜

 

窓から入る

 

転がるようなさわやかな風に

 

昔を懐かしんでいます

 

(๑˙灬˙๑)与之助です

 

風を感じる機会は

 

随分と減りました

 

昔の電車は

 

そろそろ蒸し風呂のようになり

 

天井の小さな扇風機では

 

とても追いつかなくなります

 

そんな時

 

窓を開けて

 

風を受けます

 

風は刻一刻と変わります

 

駅を出発すると

 

ノロノロと動く電車に合わせて

 

暑さを含んだ風が入ります

 

少しずつ早くなると

 

段々と涼しくなり

 

田んぼの中を走ると

 

耕して水を入れた

 

黒土の匂いが

 

田んぼの水に冷やされた涼しい風と共に

 

入ってきます

 

山影に入ると

 

山の湿り気と涼しさが

 

川のせせらぎが聞こえると

 

冷たいくらいの風が

 

ローカル線の窓の

 

わずかなサッシの部分に乗せている

 

肘と顔に

 

様々な変化を与えてくれます

 

すっかり電車も冷房車になり

 

窓を開けられない車両も増えた昨今

 

今夜の風が

 

懐かしい記憶を呼び起こします

 

そんなことを思い出させてくれる

 

音楽と映像に

 

心はすっかり旅に出てしまいました

 

「少年時代」 by 井上陽水