今年は5081組のコンビがエントリーし、これまで以上の激戦となったM-1グランプリ。12月2日午後9時34分頃にファイナリスト発表記者会見がGyaO!にて配信された。
12月20日夜に行われた本放送により、マヂカルラブリーが優勝した。9組の戦績と決勝を見たうえの感想を書いたので載せておく。
【M-1グランプリ結果】
祝優勝、649点 マヂカルラブリー (3票)
準優勝、658点 おいでやすこが (2票)
第3位、648点 見取り図 (2票)
第4位、643点 錦鯉
第5位、642点 ニューヨーク
第5位、642点 オズワルド
第7位、625点 インディアンス
第8位、622点 アキナ
第8位、622点 ウエストランド
最下位、617点 東京ホテイソン
【M-1グランプリ2020 決勝進出コンビ紹介】
〇はツッコミ、●はボケ
アキナ(吉本興業) 2012年結成
〇 秋山賢太 (1983年6月24日生)
● 山名文和 (1980年7月3日生)
2015年大会 準々決勝敗退
2016年大会 ファイナリスト5位
2017年大会 準決勝敗退 (ワイルドカード)
2018年大会 準決勝敗退 (敗者投票4位)
2019年大会 不参加
「覚醒するファンタジスタ」
感想としては「学園祭でやるような感じのネタ」かなと。アキナの良さが出てたけどやっぱり順番の問題。86点ぐらいかな。2016年のように「バブって言うほどガキやない」みたいなパワーワードがなかったのが物足りなかったか。
マヂカルラブリー (吉本興業) 2007年結成
〇 村上 (鈴木崇大) (1984年10月15日生)
● 野田クリスタル (1986年11月28日生)
2015年大会 準々決勝敗退
2016年大会 準決勝敗退 (敗者投票11位)
2017年大会 ファイナリスト最下位
2018年大会 準決勝敗退 (敗者投票9位)
2019年大会 準決勝敗退 (敗者投票14位)
「我流大暴れ」
優勝したけど、最終決戦は野田のサイレント一人芝居に、村上が説明をしているだけで厳密に言うと「漫才ではない」ため、審査が釈然としない。面白ければいいというものではなく、漫才のかたちにするべき。649点は不思議。85点ぐらいが妥当。
見取り図 (吉本興業) 2007年結成
〇 盛山晋太郎 (1986年1月9日生)
● リリー (清水将企) (1984年6月2日生)
2015年大会 準々決勝敗退
2016年大会 準々決勝敗退
2017年大会 準決勝敗退 (敗者投票14位)
2018年大会 ファイナリスト9位
2019年大会 ファイナリスト5位
「真逆の才能Ⅲ」
正統派漫才師でした。でも3位は納得出来ないですね。648点は納得ですが、しゃべくり漫才をして負けるのは釈然としない。巨人師匠と塙さんが見取り図に票を入れていたのは当然か。しゃべり漫才の礼二がなぜ邪道のマヂカルラブリーに票を入れたのか謎。
錦鯉 (ソニー・ミュージック) 2012年結成
〇 渡辺隆 (1978年4月15日生)
● 長谷川雅紀 (1971年7月30日生)
2015年大会 準々決勝敗退
2016年大会 準決勝敗退 (敗者投票15位)
2017年大会 準々決勝敗退
2018年大会 準々決勝敗退
2019年大会 準決勝敗退 (敗者投票9位)
「おっさんずバカ」
予想してた通り今回の大穴。49の初老のおっさんが全力で大声でくだらないギャグをしてるから面白い部分がある。88点ぐらい。まさのりギャグリーチのインパクトが抜けない。643点は妥当。
ニューヨーク (吉本興業) 2010年結成
〇 屋敷裕政 (1986年3月1日生)
● 嶋佐和也 (1986年5月14日生)
2015年大会 準々決勝敗退
2016年大会 準決勝敗退 (敗者投票12位)
2017年大会 準決勝敗退 (敗者投票8位)
2018年大会 準々決勝敗退
2019年大会 ファイナリスト最下位
「ダークにリベンジ」
去年が悲惨だったので642点、リベンジを果たせたのではないか。普通に面白かったですね。昨年とは違うテイストのネタでニューヨークの良さが出たのでは?来年さらなる躍進に期待。
おいでやすこが (吉本興業) 即席コンビ
〇 おいでやす小田 (1978年7月25日生)
● こがけん (1979年2月14日生)
2019年大会 3回戦敗退
「個性と技のハーモニー」
即席コンビかつ1位通過、準優勝という大金星。漫才と言われれば微妙だがウケはいちばん。ただぺこぱ同様にインパクトが強すぎるので、来年はテイストを変えないと準決勝で落ちてしまう可能性が。「覚えれるかア!!!」「しょーもない歌ッ!!!」小田の絶叫...
オズワルド (吉本興業) 2014年結成
〇 伊藤俊介 (1989年8月8日生)
● 畠中悠 (1987年12月7日生)
2015年大会 3回戦敗退
2016年大会 1回戦敗退
2017年大会 3回戦敗退
2018年大会 3回戦敗退
2019年大会 ファイナリスト7位
「NEO東京スタイル」
話術はすごい。決勝にふさわしい出来だったと思う。ただ、伊藤くんの声が少しうるさかったように思う。個人的にはもっと注目されてもいいだろうと思っているコンビのひとつ。
東京ホテイソン (吉本興業) 2015年結成
〇 たける (1995年3月24日生)
● ショーゴ (1994年2月1日生)
2015年大会 2回戦敗退
2016年大会 2回戦敗退
2017年大会 準決勝敗退 (敗者投票18位)
2018年大会 準決勝敗退 (敗者投票10位)
2019年大会 準決勝敗退 (敗者投票10位)
「静ボケ剛ツッコミ」
617点は妥当だった。巨人師匠の「ちょっと頭で考えなあかん漫才過ぎたかなあ。もっと楽に見れる漫才のほうがよかったなあ」は納得だった。ただ、ネタパレで面白さは折り紙付き。さらなる飛躍に期待しよう。最下位だったコンビは伸びます。
ウエストランド (タイタン) 2008年結成
〇 井口浩之 (1983年5月6日生)
● 河本太 (1984年1月25日生)
2015年大会 3回戦敗退
2016年大会 準々決勝敗退
2017年大会 準々決勝敗退
2018年大会 準決勝敗退 (敗者投票14位)
2019年大会 準々決勝敗退
「小市民怒涛の叫び」
最後に現れた戦士。滑舌が良かったからネタが入っていった。GyaOの3連単ではいちばん期待されていなかった。「芸人という仕事は、ろくでもない人生送ったやつらが復讐のつもりでやっている」はパワーワード。ネタパレで彼らを見る日も近いだろう。
【敗者復活枠】
準決勝敗退を喫したコンビは敗者復活戦を勝ち抜くと、決勝の舞台でそのままネタ披露が出来る。残り16組でその席を奪うことになる。ワイルドカードで準決勝に挑んだラランドは準決勝敗退したため、敗者復活戦に挑めない。
最終的にインディアンスが敗者復活を勝ち抜き、ネタを披露したが和牛同様に敗者復活と同じネタをしている。田渕のボケが多すぎて渋滞が起こっており、少しうるさい。前年も同じようなボケまくりネタで9位、アンタッチャブルの二番煎じ感が否めなくもない。
・金属バット
・インディアンス
・学天即
・からし蓮根
・ダイタク
・ニッポンの社長
・ゆにばーす
・ランジャタイ
・ロングコートダディ
敗者復活戦 初参加組
・祇園 (木崎 コロナ感染により欠場扱い)
・カベポスター
・キュウ (タイタン)
・コウテイ
・タイムキーパー
・滝音
・ぺこぱ
敗者復活戦も全コンビ視聴。個人的に投票に入れたのは「コウテイ」「学天即」「からし蓮根」である。コウテイはあのテンションで会場の空気をかき乱してもらいたいという点、からし蓮根はネタが安定しているため安心して見られるという点、学天即はベテランならではの落ち着き様と今年がラストイヤーということで投票している。投票していないが「面白い」と思ったのは個人的に「滝音」「カベポスター」「金属バット」でしたね。カベポスターが投票14位の時点で「ああ、人気投票か」と思ってしまった。
ぺこぱは売れっ子でネタを作る時間がなかったのか、ネタが練られていなかったのが露呈してしまった。インディアンスはボケがうるさすぎるという点で投票していない。
【視聴率に関して】
毎回関東では15%、関西では20%を超える。瞬間最高視聴率は関西で30%を超え、年末の風物詩となっている。今回の大会は関東で大幅に数値を上げた。関西でも上昇しているが、ここまできたら30%の大台を突破してほしいという思いがある。
しかし、漫才形式ではないネタを決勝で披露するコンビがいることもあり、「M(漫才)-1」という大会概念が薄れてきているような気がしないでもない。
2015年大会 優勝・トレンディエンジェル
平均視聴率 17.2% (関東) 21.4% (関西)
最高視聴率 21.8% (関東) 29.2% (関西)
2016年大会 優勝・銀シャリ
平均視聴率 13.5% (関東) 23.8% (関西)
最高視聴率 18.5% (関東) 32.9% (関西)
2017年大会 優勝・とろサーモン
平均視聴率 15.4% (関東) 24.0% (関西)
最高視聴率 21.7% (関東) 34.7% (関西)
2018年大会 優勝・霜降り明星
平均視聴率 17.8% (関東) 28.2% (関西)
最高視聴率 22.3% (関西) 37.6% (関西)
2019年大会 優勝・ミルクボーイ
平均視聴率 17.2% (関東) 26.7% (関西)
最高視聴率 21.9% (関東) 33.2% (関西)
2020年大会 優勝・マヂカルラブリー
平均視聴率 19.8% (関東) 29.6% (関西)
最高視聴率 25.0% (関東) 36.0% (関西)
※ 最高視聴率は「瞬間最高視聴率」のこと。
賛否ある今大会だが関心を集めたのは事実。