1990年7月6日、兵庫県神戸市にある県立高塚高等学校に通う高校1年生の女子生徒が同校教師の押す門扉に頭部を挟まれて死亡するという事故が起きた。
事件の概要
この日、神戸市西区にある高塚高等学校でふたりの男子教員が校門前で遅刻チェックをしていた。ひとりの教員が拡声器で「10、9、8...」とカウントダウンしていき、この時に30人近い生徒が門に駆け込んできた。
チャイムと同時に教員が通用門の内側からスライド式の門扉を後部から押し始めた。この時に十数人の生徒とともに列になって登校してきた高校1年生の女子生徒が門扉と門柱のあいだに頭を挟まれた。
教員は彼女が挟まれた後も門を閉める動作を続けていた。後ろにいた男子生徒が門を押し戻すと、彼女は耳や口から血を出して倒れていた。
生徒のひとりが「女の子が倒れてる」と声をあげ、教員が事態に気づき、血を流して倒れている女子生徒の頭を手で支えて、保険の先生を呼べと指示した。
女子生徒は搬送先の病院で頭蓋骨粉砕骨折により死亡。県は遺族に示談金6000万円を支払い和解、その教員は7月26日に懲戒免職になっている。
1993年2月10日、神戸地裁は業務上過失を認定し、禁固刑1年、執行猶予3年を言い渡した。