近年、視聴率の悪化ばかりが問題視されてきたフジテレビ。
今年に入ってからフジテレビの勢いが明らかに変わってきた。素晴らしい。
1、坂上にすがって吉と出た
フジテレビはとりわけ坂上忍への依存が強いと言われている。視聴者の中にも「飽きた」という声が出ているが、確実にフジテレビに潤いを与えているのだ。
「バイキング」は時事ネタを扱う番組にシフトチェンジした途端、視聴率が上昇。さらに「ヒルナンデス」の視聴率を抜き、「ひるおび」に次ぐ2位に食い込むなど快進撃を見せる。ここまでの最高視聴率は8.1%。
さらに「とんねるず」の後継番組として鳴り物入りで始まった「シンソウ坂上」も比較的視聴率が取れている。初回8.2%、西城秀樹追悼企画で8.5%、オウム心理教と野際陽子スペシャルで9.4%、逸見政孝特集で9.5%とフジテレビの番組では申し分ない視聴率を記録している。二桁も見込みあり。素晴らしい。
2、ドラマ
最近、ドラマが好調である。フジテレビはここ最近ヒット作に恵まれず、2016年に至っては全て平均視聴率が10%未満に終わるなどオワコンぶりを発揮していたが、今年の春から方向が変わりつつある。
「コンフィデンスマンJP」「シグナル」「モンテクリスト伯」、3作品は決して視聴率は高くなかったが、満足度や録画視聴率が高く、総合視聴率で15%超えを果たした。
今年の夏、ついに3作中2作品が初回視聴率10%超えスタートを達成した。さらに録画視聴率も加算するとフジのドラマが復活したというのが分かる。
1、19.8% 義母と娘のブルース (TBS)
2、18.5% コードブルー 特別編 (フジ)
3、18.4% グッドドクター (フジ)
4、17.7% 絶対零度 (フジ)
5、16.2% 高嶺の花 (日テレ)
6、14.7% この世界の片隅に (TBS)
7、11.9% チアダン (TBS)
3、問題点もある
視聴率が微増し、復活の兆しを見せるフジテレビだが問題点もまだある。
日テレの視聴率包囲網が張り巡らされた日曜日の視聴率は壊滅的で、「フルタチさん」よりかはマシだが「ジャンクSPORTS」もあまり視聴率を取れていない模様。
冬に「海月姫」で痛い目を見て、V字回復に成功した月9だが、その後の「世界の国のどエライさん」の視聴率が信じられないくらい低いのだ。前番組の「もしズレ」は高視聴率ドラマ「コードブルー」のおこぼれをもらい、一時期は8%台にまで持っていったが今回はそうはいかない。
好調なドラマ部門だが、秋のドラマも出演者から期待値の薄いものが多く、「下町ロケット」を放送するTBSが秋を制すのがほぼ確定している。さらに夏クールで思わぬ急ブレーキを食らった日テレは秋ドラマに絶対女王のガッキー、テレ朝は「ドクターX」でお馴染み米倉涼子をぶちこんでくる。ちなみにフジテレビはというと....
・月9 「SUITS」織田裕二 鈴木保奈美
・火9 「僕らは奇跡で生きている」高橋一生
・木10 「黄昏流星群」佐々木蔵之介 中山美穂
フジは「東京ラブストーリー」以来27年ぶりの織田裕二と鈴木保奈美の共演を宣伝しているが「お?」と思うのは40代以上の人だけで、若い世代はなびかない。さらに高橋一生は「民衆の敵」で視聴率が暴落したという事例もあるので期待しない。「黄昏流星群」も「グッドドクター」ほど視聴率が取れるとは思えない。
4、まとめ
視聴率にろ何にしろフジテレビがオワコンといわれた絶不調の頃に比べるとドラマが断然マシになってきているのは確かだ。
秋ドラマの期待値は個人としては極めて低いのだが、面白いドラマを作ってくれることを願っている。
文・SHO