ザ・テンプレート (アレックスの試練)
アレックスが親方様の力で蘇生してもらう前のお話です。

 

珊瑚の伝説4部最終章(ラストレジェンズ)より
(俺が生き返る?)
驚くアレックスに天使は答えた。

(そうだ、真実じゃ、下界でお主の妻がお前さんを生き返らせるため、アマテラス殿に頼んでいるようじゃ。)

アレックスは驚く顔をしながら。
(珊瑚が俺を必要としている!!)
しかしアレックスは少し冷静になり考え。
(それだけ世界は緊急事態って事かよ)
頭を抱え、俺が生き返ったとこでどうにかなんのかって顔をするアレックス。

すると天使はアレックスにこう切り出した。

(そのためならば、試すべきことが一つある)
真剣な顔をして天使はアレックスを見つめ。
(試練じゃ)

そう言う天使にアレックスは。
(今更俺に修行しろって事でしょうか?)
すると天使は。
(いいえ、神殿で儀式をするのじゃ)

アレックスは。
(儀式って、まさか俺の中に眠る潜在能力を引き出すのですね)
自身満々に答えだと思い言ったアレックスに天使は。

(それはお前さん次第じゃ)


(ソナタならばかつての憤怒でさえ操れると信じているぞ)

アレックスは訳が分からない顔をしながら隣にいるウリンを見つめる。

(憤怒ってなんだ?暴走するって事なら俺が君に酷い事してた時みたいになるのかな?)
ウリンは笑いながら答えた。
(そんな風に戻ったら地獄行きですよ)

(地獄には行きたくないな)
アレックスはわけわからん顔をしながら天使を見つめる。

天使はとにかくやってみるぞと言う顔をして。
(お前さん次第じゃ、まずは行くぞ)



そう言って天使は神殿の入り口までアレックスとウリンを光の輪を出して、ワープするのだった。

そこは神殿と言うより暖かいお花畑が広がる不思議な場所に、大きな山に大きく開いた洞窟があった。

不思議な場所だな。
そう言って何気なく入っていく。


すると天使がアレックスの顔を見つめて。

ソナタの持つ魂にかつて抜き出され封印された世界を滅ぼした禁断の憤怒の力をコントロールできるようにここで試練を与える。
覚悟はよろしいか?

アレックスはいちいち語尾が変わる変だけど金髪の可愛い少女だなと天使の事を思うと。
天使は。
(根本的な意識は変わっていないのじゃな)

そう言いアレックスに触れた。

するとアレックスの精神は何処か別の世界に飛んだ。


ウリンが同行し見守る中試練は始まるのだった。



これはアレックスの前世でのお話である。



(ここは何処だ?)
意識を取り戻したアレックスは室内でムキムキで変態の男が放つビームが当たりそうになる。

すると。
(よそ見するな!!)
同じ年齢くらいの少女がアレックスを吹き飛ばした。

(この技はウリンの!!)

壁に叩きつけられ驚くアレックス。
ふと隣の少女の顔を見ると、そこには珊瑚になんとなく似ている少女が立っていた。

(そうか思い出したぞ!!)
そう叫ぶアレックスは大恐竜拳と叫び目の前のムキムキで変態の男を吹き飛ばした。

(よっしゃ!!いっちょ上がり!!)
そう言い決まったと言う顔をするアレックス。

しかし。
(大恐竜拳?ネーミングセンス酷いね!!)
珊瑚に似た少女にそう言われてしまうのだった。


(しまった、つい前の世界の自分が出てしまった。)

(えっとこの世界での俺の名前は?)
するとそこへ。

(おいアレックス!今の一撃は良かったぞ!!)

そう言ってセミロングの白い髪をしたナイスボディのお姉ちゃんがテレポートして現れた。

(そうだ、ここでの世界の俺も名はアレックスだったな。)

担当者のユミナ。それと今の俺は髪の色は金髪である。
以前の自分と違いちゃんと男の子である。
そして俺の愛しの恋人、カレン!!

(思い出したぜ!)
やんちゃでガサツ、喧嘩っ早く短気な性格。
そしてクラスの男子には恐れられ嫌われてるが俺はお前が世界で一番好きだ!!
そう思い出しながら浮かれた顔をしていると後ろから。

(今日のアレックス、すごく変)
ピンクの髪をしたアホの顔の少女に言われる。

こいつは相手の心を読む能力のシオン 
天然って事は思い出した。


(そして俺たちはザ・テンプレートとでも言おうか)




するとカレンから。
(バブルの聖騎士でしょ?)

(ああそんな名前だったね思い出した)
俺はやり直せる!!
ふふっと笑うアレックスにカレンは不思議な顔をしながら。

(ほらどうした!? 何を思い出したんだ!?やり直せる?何かおかしくなったようだな!?)

とぼけるアレックス。

するとユミナの姉ちゃんが
(なんだアレックス、今日は抱き付かねぇのか?)
なんだっけこの人?
アレックスが思い出す中、フォルテさんみたいな感じだったっけなと思い。
(あー僕、母が恋しいー)
そう棒読みの声を出してユミナの姉ちゃんに抱き付く。

すると。
(あれれ、今日はカレンちゃんじゃねぇんだな?)
アレックスはアレ?とふと頭を抱える。
カレンを見てアレックスは
(珊瑚、俺、間違っちまったようだ、どうしよう)
カレンは。
(何あたしの名を間違えて呼んでんだ猿が!!)
カレンのサイコキノが炸裂して壁にめり込むアレックス

うん、完全にキャラ間違えた、やらかしたな俺。

ユミナの姉ちゃんがアレックスに。
(カレンちゃんの歯ブラシでもしゃぶりすぎたようね)
そう言うと。
カレンがさらに強くサイコキネシスでアレックスを壁にたたきつける。
(コイツ私のうがいでペッてした水を湯おけでとって飲みやがったんだぜ!!キモイだろ!!)

(流石にそれは珊瑚にすらやらねぇよ!!
つーか逆に寝てる間にキスされたり悪戯ばかりするんだぜ珊瑚は!)
するとカレンは
(珊瑚、珊瑚ってあんた今日は頭大丈夫かよ!!)
顔を赤くしてブチ切れるカレンであった



しかしそれからどうにか本部に戻るのだった

本部では局長のネアのような金髪の実はスパイのようなすごい事が出来る無能力者のソルが出迎えた。

(皆様、お菓子をご用意しております。)
黒いロングヘアーのまたもやナイスボディのお姉ちゃんのアサさんが俺たちの為にお菓子を用意してくれていた。

するとシオンは
(わーい、シオンのハーゲンダッツの時間だ!!)

アレックスは無邪気に喜ぶシオンを見て、娘の凛とルカを思い出した。
するとシオンはアレックスに。
(お前、実は未来から来ただろ?)
なんだと?
驚くアレックス。
するとカレンが。
(あーそういう設定なのね、私が珊瑚ちゃんで未来では子供がいっぱいいるって事なのよね?)

(まあそんなんだけど)
ストレートに返してしまった。

カレンは顔を赤くして
(バカじゃないの!!)
アレックスはカレンに殴られた。

珊瑚とはまるで違うな。
そうアレックスは思い出しながら
(そうだ、これが俺の前世なんだ)



懐かしいなと思いっきり感じるのだった。




前世のアレックスは炎の能力を持つ和の国に4人しかいないレベルMaxの10歳の少年である。
そんな前世のアレックスの恋人であり同じく最高レベルのサイコキノ能力者の少女、カレン

相手の心を完全に読み取るサイコメトラーの能力の少女、シオン

そしてこの三人を担当し、かつ最強の能力であるテレポーターを使用する女性ユミナ

の四人である。



アレックスは恋人のカレンとともに和の国を守る組織バブルの中に設立された能力者をスキルマンと呼ぶ世界でレベルMaxとして集めた聖騎士としての活動をしていくのだった。
また無能力者である者たちの中でバニラと言う集団は、清浄なる聖書の元と言ってエスパーを排除するテロリストである。

つまりこいつ等が敵なんだけど事情はいろいろと深刻化してきている。


ふと場面が変わり数か月後任務中の事である。

(あたしの仲間たちはそんな事は言わない勝つか負けるかだけの人間なんて私は愛さない!!)

敵のインテリ陰キャのスキルマンの洗脳攻撃をカレンは受けていた
しかし俺はそんな事どーでもよくインテリ陰キャのスキルマンの背後に強い一撃を入れて倒す。
(まったく、この世界でも戦争が絶えないのかよ)
あたりを確認して索敵をするアレックス。
(カレンは能力に頼り切りで、安心できないからな)

そこに不意打ちで撃ってくるバニラと呼ばれる集団の銃弾が飛んでくる。


(おい、これくらい感知しろよ)
アレックスはカレンを狙った敵の銃弾を受け止めた。
(化け物めっ)
そう言って恐れる
敵に銃弾を返した。

(さあいっちょやるか!!)
アレックスが勢いよく敵を炎の衝撃で撃破する。

戦闘が終わりカレンから。

(ほんとアレックスがいるとあたしたちは無敵ね)
やんちゃで無謀な性格なカレンだけど、笑顔はとても心が温かくなるくらい可愛い。
そう心から思うアレックス。

ふと場面は移り3年後。

中学生になり放課後カレンと手をつないていた。

カレンはかなり女の子らしくなり、やんちゃさはやや抜けていた。


このまま一緒にいたい、この時間のままカレンと。



そう思うアレックスだった。

他の男子生徒に、夫婦だなと言われても気にならない。
カレンの方は相変わらずふざけんなと怒り散らすけど。
それでも俺はそんなカレンといられて幸せだ。


高校生になり一緒に暮らすようになっていた。

(よっし今日はアレックスの大好物のカレーを作ったぜ!!)
カレンが手料理としてカレーを作ってくれた。


(よっしゃーいっちょ食べつくしちゃおうかな!!)
大喜びするアレックス

(おいおい腹壊さない程度にな。)
この時のカレンはもう乙女として成長してくれていた。
バストもだいぶ大きくなり、俺好みの女性になった。
俺は本当にカレンと人生を添い遂げたい。
この世界に生まれ落ちることができただけで幸福だと思える。

そう思って今まで真剣にやらなかった勉強などを頑張っていた時期だ。


そして18歳になったあの時
大きな悲劇が起きるのだった。




(ごめんねアレックス)
大人になったカレンがスキルマン側の世界の大天使として歯向かって来ていた。

(やめるんだカレン!)
アレックスの叫ぶ声もむなしく暴走するカレン

そこにギルバートのようなサングラスをかけたムキムキの男が挑発する。

(さあどうする?非能力者か?それともスキルマンか?愛する人と世界?
お前はどちらを選ぶ?)

(俺はどちらも救う)
即答するアレックス。

すると場面変わり。


気が付くとアレックスは心臓を貫かれたカレンを抱えていた。

(ごめんね、私が間違っていた。)
悲しく謝るカレンに
(もうしゃべるなカレン)
涙を流すアレックス
カレンは最後の力を振り絞り言った。
(実は私、妊娠してたんだよ、あなたの子よ。)

(知ってたさ、全部、この結末さえも。)
アレックスは涙を流し答える。


(なら、救って、お願い。)


そう言うとカレンは息を引き取ってしまうのだった。

(カレン、死ぬなよ)
アレックスは号泣しながら叫んだ

(ふざけんなよ!!何がバニラだ!!何がスキルマンだ!!)

こんな世界なんて消えてしまえ!!

アレックスはものすごい邪悪の黒いオーラを吹き出しそれが地球の文明を滅ぼす黒い黒炎の隕石を放った。

(破壊する!!何もかも!!)

(破壊する!)

炎で焼かれ都市は壊滅。

地球の文明はこの日をもって崩壊するのであった。


しかしそこへ何者かが現れた。

(何故これほどまで過ちを繰り返す?)

怒りで我を忘れたアレックスの前にその者は現れ虹色の剣を抜いた。

(ふざけんなこんな世界消えてしまえ)
憤怒で怒り狂うアレックスの前にその者は言った。

(愚かな、自分が 命より大切に思っているものでも 他人は 容易く踏みつける、貴様はそうやって怒りで踏みつける愚か者なのか? )

アレックスは叫んだ
(俺はカレンを失った!!失ったんだ!!)

するとその者は虹色の剣を向けて言った。
(たとえ理由はどうであれ、貴様は命を何だと思っているんだ)

アレックスは怒った!!
(黙れ!!俺はこんな世界を滅ぼすだけだ!)


するとその者は覚悟を決めた顔をして言った。
(もし悪魔になることを選ぶのならば貴様を滅ぼそう)


その者は一瞬時を止めたかのような速さで憤怒するアレックスの体を虹色の剣で切り裂いた。

(怒りに打ち勝て、本当に強き者は残酷な現実と向き合う、そして弱き者を守り、世界に命を与えられるものだ)
そう言われアレックスは消滅した。



すると場面は戻る。
ソナタの怒りをコントロールするのじゃ
そういう声が聞こえたと思ったら。


ここは何処だ?
意識を取り戻したアレックスは室内でムキムキで変態の男が放つビームが当たりそうになる。

すると。
(よそ見するな!!)
同じ年齢くらいの少女がアレックスを吹き飛ばした。

(この技はカレン!!)

壁に叩きつけられ驚くアレックス。
ふと見ると、そこには10歳の頃のカレンが立っていた。




そうか 思い出した、これが試練って事なんだな!!