ある普通のOLがいた


そのおんなは、ある病気で会社をしばらく休んでいた


病気は回復にむかいそろそろ会社への復帰を考え


職場へ戻った


しかし、彼女には以前のポストはなかった


一番の古株であったにも関わらず


上司は変わり、仕事は貰えず、机は端っこに追いやられ辛い日々が続いた


そんな毎日を送っているうち、彼女の病気は再発した


なんで?わたしが何をしたっていうの?


こんな病気になったのだって会社の責任もあるというのに


絶望の淵にたたされた


やめよう、こんな会社辞めてやる


そう何度も心の中で繰り返していたが


未だ彼女はその会社に残っている


何故なんだろう?


そうだ


いつか会社を上司を見返してやる


いつか後輩どもに認めさせてやる


そんな想いがどこからかふつふつと出てきた


心の中ではそんな想いが募っていたが


表面上はいつでも微笑を忘れないでいようと思った


この微笑は決して本物ではない


それはそれは冷たいものであった


これは同僚とは言いたくない奴らへの


復讐でもあった


「わたしは精神異常者ですか?」


かかりつけの医者に聞いた


「それで正解なんじゃない?会社はお金を貰うところと

割り切ってしまえば心も楽になるよ」


そうだ、そのとおりだ  と彼女は微笑んだ


是もまた、氷の微笑なのだろうか?


おんなはあの副社長のアシスタントになった


まあ大企業でいえば秘書である


「なんでわたしが?」


おんなは急な人事異動にとまどいを隠せないでいた


そして女性社員からの冷たい視線も


そんなものには既に慣れていたので平気だったが


それより副社長のアシスタントって何をすれば良いのか?


全くわからない


そんな中で人事発令とともにおんなは副社長室へと


異動していった


「あのわたしは何をすればよいのでしょうか?」


おんなが聞くと


副社長は


「まずそうだな、色々な会議や商談、まあ夜の接待にも同行してもらう」


夜の接待ってそんなものにまで?


仕事ならばしょうがないと  おんなは


「わかりました」


という他なかった


先行きの見えない不安と、このおとことうまくやっていけるのか?


おんなは不安を隠しきれないでいた

会社でおんなはたおれた


救急車で近くの病院へ搬送された


その時上司も一緒にきてくれていた


医者から何の病気か説明があった


「うつ病ですね、少し会社も休んで休養したほうが良いですね

診断書を出しますのでそれを会社に提出して会社はしばらく

休んでくださいね」


おんなはびっくりした


病気になったことより会社を休まなくてはならないなんて


そんなバカな


休んだら病院にも行けないじゃない


あの医者なに言ってんのかしら?


上司は待合室で待っていてくれた


「医者は何だって?もうおきて大丈夫なのか?」


「はい、あのお医者さんおかしいんです。

わたしの事うつ病で会社もしばらく休めって言うんです

おかしいですよね?」


上司は顔色が変わり


「いや医者にそういわれたのなら今日はこのまま帰れ

明日からしばらく来るな、仕事の事で家に電話はするかも

知れないがまず休養しろ。診断書もらっただろ?

それを会社に出して休職扱いにしてやるから

治ったらまた戻ってくればいいんだ

判ったな、じゃあ俺は会社に戻るからな

お大事にな」


上司はそそくさと会社へと戻っていった


おんなは急に不安になった


給料は入ってこない、,社会保険は?


とりあえずアパートへ帰った


会社から電話がきた


「休業補償はされますが給料の30%ですね

社会保険もそこから引かれますので殆ど

自分の手元には入金はないと思ってください

治療代くらいにはなるでしょう

ゆっくり休んでください」


そういわれ電話を切られたおんなは呆然と立ちすくんでいた


あしたからの食事は?


アパート代は?


光熱費は?


どうすれば良いの?


貯金も底をついていた


これからこれからどうやって生きていけばいいの?


おんなは絶望を抱え


「死にたい」


そうつぶやいていた