閲覧注意。
「北九州監禁殺人事件」
2011年12月12日、最高裁第一小法廷。
被告側の上告を棄却。
被告Aの死刑が確定。
この事件は、2002年に発覚した虐殺事件である。
その内容は凄惨で、発覚当時、ワイドショー等で詳細を知り、
吐き気を催した記憶がある。
被害者は何人居るのか正確には把握出来ていないようだ。
亡くなった方は、7名。
あまりにも凄惨だったゆえか、報道規制がかけられたと言う。
その為なのか、事件の規模の割りに、知る人が少ない。
ちなみに私は衝撃的過ぎた故、しっかりと頭に焼き付いていた。
うちの夫も、覚えていた。
恐らくそれは、私が騒いでいたからだ。
事件のあらましを書く。
便宜上、首謀者(男)をA、共謀者(女)をBと呼ぶ。
男Aが、女Bに接触した事が、この事件の始まりである。
2人は高校の同窓生であったという。
19歳で結婚、妻子持ちであったAは、言葉巧みにBを籠絡し、
交際を始める。
後、Aは妻子と別れ、Bの家に婿養子として入り込む。
この当時でAとBは20代前半。
最初の頃こそ優しかったAだが、Bの事を心理的に、そして暴力で
支配するようになる。
この事件は複雑で非常に説明が難しい。
詳細は思い出せば自分も落ちるので、簡潔にまとめさせて頂く。
Aは、知人男性C、その娘Dを監禁。
度重なる拷問と、虐待で、Cを死亡させる。
Cは衰弱死だったそうだ。
Cの遺体は、Bと、Cの実子であるDに解体させ、処分させた。
加えて、Aは、Bの父母、妹夫婦、妹夫婦の子供2人をも監禁。
当然、彼らの資産を奪い、全てを奪った。
奪いつくして監禁、拷問と虐待を繰り返す。
用済みになった順に、殺して行った。
何故彼らは逃げなかったのか。
・・・精神的に支配され、逃げられなかったのである。
最初の殺人では、被害者Cの娘Dに、衰弱した父親の体を噛ませた。
歯型が残るほど噛ませ、殺人に加担したと言う負い目を負わせた。
その歯型のせいで、病院につれて行けなかった、と言いくるめたという。
Dはまだ13歳以下の子供であった。
B、Bの家族、Dは同じ家に監禁され、お互いがお互いを疑い、憎しみを
持つように、マインドコントロールされた。
「通電」と言う拷問が繰り返された。
これは、電気のコードをむき出しにし、そこに金属製のクリップを付けた物を、
肌に張り付け、瞬間的に電気を流すという物だ。
この事により、各人に恐怖を植え付け、まともな判断を出来なくさせた。
ヒエラルキーの頂点にAが君臨、その下の地位は、各人のAへの貢献で
入れ替わるような制度を取っていたらしい。
支配された人達同士が、お互いに拷問をする。
そしてその中には、夫婦や肉親同士、子供も含まれるのだ。
2人目の被害者はBの父。
拷問、虐待により衰弱した被害者にBの手で通電が行われ、それにより
被害者は死亡。
当然Bに命じたのはAだ。
Cの時と同じように、Bの父の遺体は家族らの手によって解体・処分された。
度重なる通電で、精神に異常を来たしたBの母が、次に殺害された。
その次は、同じく通電により難聴になっていたBの妹。
そして、Bの妹の夫。
恐ろしい事に、Aは直接手を下さず、全て支配した人たちを動かしている。
更に、Bの妹の息子が殺害される。
まだ保育園児だった。
この殺人は、被害者の姉である小学生女児に命じられた。
その女児も、弟の死後、激しい虐待を受けて、殺害された。
Aの命により下された殺害命令で、7人の命が奪われた。
最終的に、最初に殺害されたCの娘Dが逃げ出し、警察に駆け込んだ
事から、この酸鼻を極めた事件が発覚する事となる。
Bは、無期懲役。
これは、Aからの度重なる拷問やマインドコントロールで、正常な
判断が出来る状態ではなかった事が考慮されている。
さて。
この事件。
初めてテレビ報道で知った時、あまりの凄惨さに愕然とした。
正直に言うと、今も考える事を脳が拒絶しているような状態だ。
あまりにも酷すぎて、「考えたくない」「考えられない」のだ。
数多くの大量殺人、猟奇殺人についての文献を読んだ私も、
この事件に関する物は読めなかった。
どうしてこんなに残酷な事が出来るのだろうか。
Aは、アフェクションレスキャラクターである、サイコパスである・・・
と、いう説がある。
アフェクションレスキャラクターとは、幼少時に母親の不在を
体験した子供が、成長後に示す歪んだ性格の事を指す。
一見愛想がよく、とっつきやすい性格に見えるが、その実は
他人に愛情を持たず、嗜虐的、残忍、嘘をつく、猜疑心が強い
等の傾向がある。
また、サイコパス(Psychopath)とは、人格障害の一種であり、
他者に愛情を持てず、著しく良心が欠如しており、罪悪感を
感じない等と言われる。口がうまい事で、愛想よく見える。
現在は反社会性人格障害と呼ばれるものが、これに相当する。
前頭葉に問題がある場合や、ホルモン異常説もある。
確かに、どちらかに該当しそうではある。
どちらにしても、一見愛想が良いのである。
それだけに、日常に潜んでいるかもしれない恐怖に、戦慄する。
アフェクションレスキャラクターにしても、サイコパスにしても、
本人にそうなった責任はないのかもしれない。
だが、犯した罪は、罪である。
人として生きている限り、何であろうと、人を殺める事は許される
事ではない。
残虐過ぎて、同じ生き物の所業とは思えない。
特に恐ろしいのは、Aのマインドコントロールだ。
正常な判断が出来るはずの大人が何人も支配下に置かれている点。
特に、Bの義弟である人物は、過去に警察官であった。
何よりも法を遵守すべき立場に居た人物。
そのような人物をも、殺人、遺体の損壊、虐待や拷問等に加担させている。
純粋に虐待や拷問だけであれば、これだけの人数の成人が言いなりに
なる事は考えられない。
一致団結して抵抗する事も考えうるし、最悪、家族の誰かを犠牲にした
としても、逃げ出す人が出てくるだろう。
そこがこの事件の、本当に恐ろしい点なのだ。
ここまでの文章を考えて書くのに、物凄い疲労を感じた。
二度と起こって欲しくない、類の事件だ。
大概の事件から、私は教訓的な物を得ていると思うのだが、このケース
からは、何を感じたら良いのか、判らない。
ただ見えるのは、闇だけ。