鉄塔からひろがる電線が


まるで空に掛かる五線譜みたいにおもえて


しばらく眺めていた


音符がふたつ 五線譜を横切る


たらららん。


てれれれん。


たらん てれん。


もういっかい?


たらーーん。


てれーーん。


自由に旋律をつくる音符たちに


じっと憧れて 見ていたけれど


もうとっくに飽きてしまった彼らは


どこか 違う音の出る五線譜を また求めていってしまった


音のしなくなった五線譜は さっきよりうんと寂しくて


わたしは どうにかして この音を鳴らしたくて


届かないこの距離に焦がれながら


飛んだ