一方で、JPモルガンの足立氏は、今回の調査
では昨年と比べて大幅な円安にもかかわらず「海
外製品需給判断」が前回調査よりも1ポイントし
か改善していない点に着目。「海外経済が改善し
ていないうえ、日本企業の(海外移転継続など)
構造要因もある」として、円安の輸出けん引効果
に慎重な見方を示している。
政府内でも第1次安倍政権でのドル/円の水準
である110円台のレートを懐かしむ声と、過度
の円安進行による輸入インフレと長期金利上昇を
懸念する声の双方が聞かれ、今後論点となりそう
だ。
短観公表を受けて、16日午前の日経平均
<.N225>は前営業日比で反落した。「米量的緩和
の縮小が警戒される中で、日銀短観の先行きに慎
重な見方が示され、利益確定売りのきっかけとな
った」(楽天経済研究所シニア・マーケットアナ
リスト、土信田雅之氏)とみられている。